絶対に期待を裏切らない<いとうみく氏作品
今回も、また、家庭・生育環境が複雑な主人公
と
今回の職人は・・・花火師!!
知らない世界です
祖母との生活から自立しようと真面目に働いていたアルバイト先で
暴力事件を起こし、家庭裁判所にー
試験観察処分となった、主人公鳴海円人(えんと)君
いい子なのよ(泣
なんで、こんないい子が・・・って
円人君に非はないのにーこういう事って、結構あるかも・・・
保護観察処分で委託され先の山梨の煙火店の深見社長と
社長の母だけど、まち子さんと呼ばれている
お料理上手で情があって、さばさばしているおばさんや
住み込みの双子の職人さんほか
従業員の方も個性的で
イメージがしやすいです
深見社長は、気まぐれ的に
まさしく俳優の阿部寛さんのイメージで(笑
深見社長も、職人的にはすごい方のようですが
完璧な人間像ではなく
深見家は、深見家で、これまた複雑な事情があり
これがまたいろいろ絡まってくるのです
円人君からすると
お喋りで、おせっかいで、話を付き合うのが
ちょっと面倒臭い弁護士の岩切さんの存在もいいんです
悪役も登場します
これも、必要ですよね
YAで、中高生対象ということもあって
人生きれいごとばかりじゃないーということを
具体的な描写で伝えてくれます
P184 弁護士の岩切さんが
宗教を信じている訳ではないけど、とお守りを
円人君に渡す場面があります
そのときの
「人生は理不尽」という話には
頷くしかありません
しょうもない駄洒落や、脈略のない話をしてくる
キャラなのか、わざとなのか分かりませんが
いやぁ〜、上手いなぁ〜
と、感心するしかありません
円人君の感情や心の動きが文章化されることによって
読んでいる自分自身の分析?というのかな?
例えば、「うざい」という一言で済ませられない
複雑な感情を、こういう文章で表現できるんだ・・・とか
映画やドラマ、実写化された「映像」で観るのとは違う
「文字」を通して感じられることって
あるんじゃないかな?と思うのです
「車夫」そうだったけど
中高生には、ぜひ、読んでほしい作品です