1959年初版になっていた、岩波のこのえほん。
おにぎりがない!柿の種をかにがそれはそれは丹精込めて育てる。
ひょうと現れたサルに柿を食べられるワ、青柿ぶつけられるワ、
それでかには死んでしまう。
お腹の中からたーくさんの子がにが生まれて、
母ちゃんの仇討ちへ、いざきびだんご持って出ー発ー!
あれれ、いつの間にか桃太郎になって話は進む。
佐渡の昔話が原型だそうで、かにの生真面目さが
まるで農民のように愚直で微笑ましい。
一方のさるへの表現は淡白そのもの。
勧善懲悪を絵にしたえほんは数あれど、
合体&トランスフォーマーがこんな時代に生まれていたとは、
さすが夕鶴の木下順二だ。
感謝、感謝。