谷で生け捕りにしたくまを飼う・・・なんて、今では考えられませんが、それを何となくやってしまえる時代があったのだなぁとまず驚きです。
そのくまも、泣く泣く売られていくのですが、その後、野生のくまとして過ごし、またしても人の手によって捕えられ・・・と数奇な運命を生きていきます。
シートン動物記というのは、一頭の動物の一生を追ったものではなく、見聞したものをまとめているとあとがきに書かれているので、劇的な人生にまとめられているのだとは思います。
しかしながら違和感がなく、その時代にいたくまの生き様が生き生きと描かれており、読み手をぐいぐいと引き込んでいくところはさすがだなと思いました。