【日本語版】訳者:伊藤比呂美 (河出書房新社) 初版:2001年1月発行。 雨降りの日に留守番している退屈なきょうだい(兄、妹)のもとへ、帽子をかぶった変な猫が訪ねてくる。異常にハイテンションの、怪しいセースルマン風の猫。闖入者が引き起こす無茶な展開は、相当な暇つぶしにはなったろうけど、さすがに子どもたちも引き気味で対応。意外と冷静さを保っているのが、おかしい。文章が詩のような感じで、独特のリズムが楽しめる。このセールスマン風の猫は、断られてもめげない。失敗しても再チャレンジする。やる気と根性がある素晴らしい猫だが、その努力の方向がまったく間違っている困ったさん。どうか傷つけないように、お引き取り願いたいものです。…さておき、この話はまったく無軌道に、どこに到着するのかわからない無茶なストーリが魅力。日常に退屈している人は、そうぞ、彼を家に読んでみてください。ただ、壊れたらまずいものは、あらかじめしっかりしまっておいてくださいね。