絵本作家の鈴木まもるさんの講演を聞く機会がありました。
鈴木さんはお話をされながら、そばにあったホワイトボードにすっと絵を描かれる。
絵本を描く人なのだから自然なのかもしれませんが、とっても感動しました。
そのようにして、鈴木さんが生まれてきたお子さんの表情もすっと絵にして残されていたうです。
それがこの絵本のもとになりました。
なので、この絵本には赤ちゃんの本当に自然の表情がたくさん載っています。
今子育て中で奮闘されているパパやママはもちろん、すでに赤ちゃんの頃の子育てを終わっている世代も、そうだこんなことあったなと、まるで自身のアルバムを開くように楽しめます。
この絵本のタイトルは「みんな あかちゃんだった」ですが、その前にこんな言葉がついています。
「世界じゅうにたくさんのひとがいるけれど さいしょは……」。
そう、この絵本を読む人もみんな赤ちゃんだったのです。
いじめであったり児童虐待であったり、世の中にはたくさん悲しいことがあります。
でも、どんな人も「みんな あかちゃんだった」のです。
よだれをいっぱい流したはずだし、はいはいもしたはずです。
立ち上がっては転び、泣きながら眠ってしまったこともあったはず。
そのことを思い出すだけでも、少しは優しくなれるはずです。
それにしても、こうして絵として子供たちに残せるものを作れるのですから、絵本作家は素敵な才能です。