フィレンツェの大聖堂のドームを作ったフィリッポ・ブルネレスキ(ピッポ)のお話です。
イタリアのそうそうたる建築家が 100年も前から頭を悩ませていたとんでもなく大きい大聖堂のドーム、そのドームの設計図を書き、完成に導いたのがピッポでした。
私が驚いたのは、屋根であるドームをどう作るか見通しがないのに、途中まで大聖堂の建設が進められているということ。イタリア人は楽天的というか、どうにかなるなる・・・で物事を進めるのでしょうか?(実際、どうにかなったのですが〜)
登場人物の人間くささが、表情や姿によくでているのが面白いです。そして、ピッポの仕事場、大聖堂の工事現場、立派に完成した大聖堂、フィレンツェの街など、どれも細かく書き込まれていて見ごたえがあります。
たくさんの天才的な芸術家がでた この時代、この場所で様々な人間模様が繰り広げられながら、いろんな芸術作品が生まれたのですね。今日、出来上がったものを見ているだけでは、当然のように思ってしまうのですが、これらがここにあるのは、実はいろんな意味で大変なことだったのだなぁと思いました。
あとがきによると、記録にない部分は想像して描いたということですが、とても楽しんで想像し、絵を描かれたように感じました。