アンデルセン原作の「びんの首」という童話を抄訳した作品。
藤城清治さんのカラーの影絵がとても美しいです。
ガラス工場で生まれたびんは数奇な運命をたどり、
最後にはびんの口だけの姿のなるのです。
そのびんの回想記になります。
最高級品というラベルが貼られ、ぶどう酒を注がれたびんは、
婚約の場に立ち会ったり、航海のお供だったり。
そして、長い年月の放浪の末、びんが辿り着いた人物との接点は切ないですね。
びんの質感、衣装の素材感、水辺の描写など、影絵の可能性を見る思いでした。
なにより、アンデルセンの描く童話の世界にはぴったりです。
ディスプレイにも十分できますね。
実は私も読んだことがなかった童話でしたので、感動もひとしお。
アンデルセンの童話をじっくりと読んでみたくなりました。