シゲゴは13歳の時に広島で被爆します。顔にはやけどの跡が残り、その当時の写真も掲載されています。笹森恵子(しげこ)さんの実話です。
「かくしとったら、一生かくさんといけんようになる」と人前に出る時にマスクを外します。
多感な時代に勇気のいる行動だったと思いますが、この苦しい中でも一歩前に踏み出して行こうとするその勇気が今日の彼女の人生を切り開いていったかのようにも思えました。
アメリカに渡ってのシゲコの行動や人となりも出てきますが、どのエピソードを読んでも優しさと強さとまた明るさを感じました。
「なにもほしがらなくても必要なものはちゃんとあたえられるのよ」というシゲコの言葉にも人柄が表れていると思います。
読んだ後に不思議と清々しい気持ちで終えることができたのも、その明るさゆえのように思いました。