子どもに読むのをためらう絵本でした。この絵本のリンゴの木は男の子の母親ではありませんが、多くの人はリンゴの木を母親的な誰かに置き換えて読むのではないでしょうか。一方的に搾取される誰かは健全でしょうか。母親ではない誰かを一方的に搾取する男の子は健全でしょうか(母親を一方的に搾取したら不健全ですね)。人間は弱いものだからリンゴの木が必要なのでしょうか。誰かを尊重するには理性のリミッターが必要ですが、この絵本は、そのリミッターを外す手助けをしそうです。この男の子のように信頼を押し付けて搾取する人達や、そういう人達に便乗して、リンゴの木のような人に野次を飛ばしていじめて利用しようとつきまとう人達が現実にいるだけに、複雑な気持ちになりました。それでも、この絵本がヒットするのが現代社会なのですね。