表紙のトラは「ベリゼール」という名の、おはなし上手なパンやさん。村の人気者だったのに、お芝居でトラの姿をみせたとたん、こわいもの扱いされて牢屋に入れられてしまいます。
「こわいトラは、みなさんのほうじゃないかぁ!」というベリゼールの言葉にドキッ。子どもたちの訴えで、大人もやっと間違いに気づきます。
差別や偏見を批判した教訓めいたおはなしではあるけれど、おしゃれでユーモアのある絵で明るく描いてあるのがいいなと思いました。これならさらっと素直に読むことが出来ます。
最後のフランスパンとトラの素敵な関係に思わずニヤリ。読後も気持ちのよく、また読みたいなと思わせる絵本だなと思います。