作者の柴田愛子さんは保育歴30年というベテラン。
このお話は 実際に柴田さんが体験された、印象深い出来事なのだそうだ。
舞台は 子供達の毎日の遊び場である「あそび島」。
ある日、「がく」は「しゅんたろう」に絶交を言い渡す。
絶交されてからの しゅんたろうは日に日に元気がなくなっていくが、
前言撤回したくない がくは、絶交を解かない。
あそび島の先生の「あいこ」が しゅんたろうに絶交の理由を聞く。
しゅんたろうは「分からない…」
がくは「ずっと前のかくれんぼの時、鬼だったのに
俺のこと見つけに来ないで、お弁当を食べてたじゃないか!」と叫ぶ。
みんなも口々にしゅんたろうへの不満を言う。
「しゅんたろうは自分勝手に遊びを変えたりする」とか
「一番じゃないと怒る」とか。
そして、あいこ先生の仲介で2人は仲直りする。
お弁当の時間。
「お弁当が終わったらハンモック乗ろうぜ」と誰かが言うと、
しゅんたろうは すかさず「おれ、一番!」
それが嫌われていた理由の1つなのに、今回はなんだか可笑しかった。
そして、それに気付いたしゅんたろうも「へへへ…ごめん」と
照れ笑い。
誰にでも、子供の頃の喧嘩の思い出ってあると思いますが、
喧嘩して言いたいことを言い合ったほうが、
遠慮して言わずにいるよりも、ずっとずっと仲良くなれた気がします。
大人になった今では、そんなわけにはいきませんけどね。。
大人は自分の子供に起こり得るトラブルを
前もって回避したいと思ってしまいがちですが
そこは敢えて避けて通らず、子供自身にケンカであっても体験させたほうが
長い目で見たらプラスになるんですよね。
親の私のほうが、いろいろと考えさせられた絵本であったような気がします。
人の細やかな感情が描かれているので、小学生向きでしょうか。