本当に、色々な解釈の出来る、深い話だと思います。実際に、色んな方が、色んな読み方をしていることに、驚き、その度に、じっくりと読み返しています。読者の、『いま』によって、男の子と木の関係から感じることもかわってくるのだなあと思います。
そんな中で、私が、この絵本を読んで、感じたことは…愛は、『からだいっぱいで受け止めてあげるもの』ということです。
自分にないものを欲しがる男の子…木は、大切なその子のために、様々なものを身を削り、与え続けます。しかし、大人になっても男の子は、木に与えてもらうことしか教えてもらわずにきました。
ある日、何もなくなった、かつて子どもだった老人は、自分にすべてを与え続けた木の、《切り株》に腰掛けます。切り株は、最後の最後に、大切な相手に、自分自身の存在をもって、…包む愛…を伝えることが出来ました。。。老人は、その時、初めて、木が自分にとって本当に大切な存在だったことに気がついたのではないでしょうか……。
親と子も同じだと思います。『与える愛』は確かに、素晴らしい!私も、親になったら、無償の愛で子どもには多くのこと、ものを与えたいと願うでしょう。しかし、これだけは、忘れてはいけないと思います。それは、本当に、子どもに必要なのは、『もの』ではないということ。《わたし》という存在、そして、与える愛ではなく、包み込む愛だということ…子どもがちゃんとそのことに気づいて、大人になれるように…と、そんなことを感じました。
私は、この絵本を、ぜひぜひ、保護者に読んで頂きたいなあと思います。そして、温かい愛情で、子どもをその手で、抱き寄せて、『本当に本当に大好きよ』と伝えてあげて欲しいなと思います。そんな素敵な母親になれるかは分かりませんが、なりたいなぁと思っています☆☆☆