ハッピーエンドストーリーの割に、
読後のさわやか感は薄い気がします。
きっとそれは、その前に
「まっくろだから」という理由で孤独となる
「ネリノ」の苦しみが、かなりしっかりと
描かれているからだと思います。
みんなが寝静まったあと一人木の上で悲しむネリノ
薬を飲めばきれいになれるのかと考えるネリノ
この苦悩に比し、兄たちが遊んでくれるようになり
まっくろは悲しくないというモノローグだけでは
どうも完全に報われた感じがしないのです。
だけど、だからこそ、ネリノのその後に
思いを馳せられる気がします。
人生最初の困難を乗り越えたように、
これからも勇気と知恵でさまざまなものを
克服していってくれるのではないかと。
だから、この本は「あり」だと思います。
子どもたちは「いい」も「悪い」も
言っていなかったけど・・・。