水彩の淡い色使いが優しい印象をあたえる表紙。
でも、ただのほのぼのとしたお話ではありませんでした。
実は不法投棄という重いテーマを扱った作品。
アリスたち家族の一員のような存在だったどんぐりの木。
通りかかった人たちも木蔭でのんびり過ごしてしまうほど、居心地のいい場所をつくってくれていました。
その根元に誰かが薬物の瓶を投げ捨てたらしく、どんぐりの木はどんどん活力を失って弱っていってしまいます・・・
絵本ではあまり見られないような予期せぬ展開で、胸が痛くなりました。
でも、悲しいだけで終わらないのがこの絵本の素敵なところ。
明るい希望で締めくくられています。
子どもにも大人にもぜひ読んでほしいと思います。