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ボビーとそらいろのヨット」 ガーリャさんの声

ボビーとそらいろのヨット 作・絵:マーガレット・バーディック
訳:渡辺 茂男
出版社:童話館出版
税込価格:\1,320
発行日:1995年
ISBN:9784924938465
評価スコア 4.59
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  • 相手の気持ち

    アナグマさんのお店で見つけたそらいろのヨット。カードには、「ビーバーさんの作品。いいものと交換します」と書かれていました。カワウソのボビーは、そのヨットと交換できる「いいもの」を一生懸命考え、探し続けます。
     本当にいいものって一体なんだろう? 自分の趣味や価値観ではなく、相手にとって1番うれしいもの。それを探すために、相手の気持ちになって考える・・・これは、大人でも難しいことですね。ボビーは、最後にビーバーさんが「いつまでも喜んでくれるもの」を見つけ、晴れてそらいろのヨットを手に入れました。

     娘も、「いいお話だった」と言い、アナグマさんの真意がわかったようでしたが、ただ、贈り物を受け取る側としても、同じように「相手の気持ち」を大事にしてあげたいな、という思いが残りました。たとえ「いつまでも」その形や色を留めないものであっても、その瞬間に、相手のことを本当に心から思って、「これをプレゼントしてあげたい」と感じたその気持ち ―――それこそが、受け取るほうとしても、何よりもうれしく、大切にしたい宝物だと思うのです。

     娘もボビーと同じく、落ち葉や小石を大事そうに集めては、私にプレゼントしてくれます。つい数日前にも、山で拾った赤や黄色のもみじの葉っぱを、「ばあばのお誕生日にプレゼントしてあげるんだ」と言って、画用紙に素敵な貼り絵を作ってくれました。私がアナグマさんなら、たとえ落ち葉でも小石でも、そのときに、ボビーの心の目に映った美しい色を、ずっと心の中に大切にしまっておきたいな、と思うのは、やはり親心からなのでしょうか。

    投稿日:2009/12/27

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