冬の寒さに耐えながら、じっと春を待つ森の生きものたち。ある朝、1羽の青い鳥がみんなのために歌うと、ぽかぽかのやさしい春がやって来ました。春の温もりと日本語に込められた優しい心を感じさせてくれる絵本です。私がこの絵本の美しさを一番感じたのは、雪が溶け穴が空いたように見える地面を見て「ゆきがわらった わらってとけた」というところ。1つ1つの春の訪れが決して当たり前のことではなく、敬意や喜び、感謝が込められています。だからこそ、読む方も言葉に込められた作者の想いを想像しながら、丁寧にじっくりと読み伝えたいものです。