引越しであたらしい幼稚園に通うことになったふうこちゃんは、新しい環境やともだちに馴染むことができません。自分にとって馴染み深い、絵本の世界に閉じこもりがちでした。夏休みになったら前の場所で仲良しだった友だちが遊びに来ます。たくさん遊んで、笑って、友だちと時間を共有することの喜びを思い出します。新学期に幼稚園に行くのは少し気が重かったのですが、勇気を出して「いっしょにあそぼう」と言えたのです。それからは声も明るく元気に、仲間の中心にいるのがふうこちゃんです。子どもの心の声をきちんと伝えている言葉と、長野ヒデ子さんのイキイキとした挿絵が素晴らしいです。子どもたちの芯の強さを信じることの大事さを教えてくれます。