ピクニックにでかける前の小さな女の子のはずむ心を、ほのぼのとのびやかにごくあたりまえの家庭を舞台に描きだした『はじめてのおつかい』の名コンビよる作品。
日曜日、今日はピクニックに行く日。
お父さんもお母さんも準備で忙しそう。
おにぎりをお弁当箱につめてあげよう。
バッグのチャックを閉めてあげよう。
お手伝いはあんまりうまくいきません。
お化粧してみたり、せっかくのきれいな洋服を汚してしまったり...。
枕もとにリュックをおいて眠る様子、
朝ごはんを食べながらも目の前のおべんとうが気になって仕方がない様子など、おでかけ前のうきうきした気持ちが丹念に描かれています。
そして、お手伝いがことごとく失敗しても、決してお父さんもお母さんも怒ったりしない。
ぐちゃぐちゃのお弁当を前に得意そうなあやこの姿など、子どもへのやさしい目線が随所に感じられます。
「こんなかあさんになりたい」
そう思っていたのに...。
1年生のクラスで読んだらページをめくるたびに、
「うちのおかあさんだったらぜったいおこる」
「あーあ、こんどこそおこられる〜」って。
私も読み聞かせているうちにわが子が愛おしくなって、怒らなくていいとこで怒ってるなぁって反省したりして。