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メイおばちゃんの庭」 アダム&デヴさんの声

メイおばちゃんの庭 作:シンシア・ライラント
絵:中村 悦子
訳:斉藤倫子
出版社:あかね書房 あかね書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,282
発行日:1993年11月
ISBN:9784251062574
評価スコア 4.33
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みんなの声 総数 2
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  •  小学校中学年以上とこちらで紹介されていますが、「第40回青少年読書感想文全国コンクール」の中学校の部の課題図書になっています。
     
     幼い頃に親と死別し、親戚をたらい回しにされていた主人公サマーが、(おそらく)初老の夫婦オブ&メイに引き取られ、この上ない愛情をそそぎ込まれ、安住の地を見つけました。
     ところが、6年後メイおばちゃんが亡くなり、その死を胸をかきむしり泣きわめくような悲しみ方もできぬまま6ヶ月が過ぎ、生きる意欲を失ってしまったオブおじちゃんとの生活から物語は書かれています。

     主人公のこれまでを回想する形が多いのですが、序盤から心掴まれるような美しく優しい文章に惹き付けられます。
     
     メイの髪結いを手伝うオブの仲睦まじい姿を主人公サマーが目撃し、幸せな気持ちでわんわん泣いてしまいたいような気持ちになった事。

      この夫婦に引き取られる前のつらい日々も、意地悪になったり人を恨んだりしなかったのは、引き取りたいと思ってくれる人が現れるまでひねくれずに生きて行くだけの愛を、かあさんがあたしの心の中に残して言ってくれたのだ、というくだり。
     
     友人クリータスの「メイおばさんはおじさんの豊かな想像力を受け入れてたんだよ。おじさんが思うぞんぶん才能を発揮できたのは、おばさんのおかげさ」という言葉。

     “かあさんは自分がもうすぐ死ぬって知って、 ほかのどのおかあさんよりもしっかりとあたしを抱いて、たっぷり愛をそそぎ込んでくれたにちがいない。
     いつかあたしが愛というものをみたり感じたりしたときに、それが愛だってわかるように。”という“親の愛の確信”を語るサマーの純真さ素直さに泣けてしょうがありませんでした。

     メイおばちゃんの気配を感じたオブおじちゃんとそしてクリータスも連れだって、降霊術を身につけた人物を遠路はるばる訪ねるのですが、・・・。
     大切な人を失った後の気持ちの置き所の無さ、そしてその苦悩をオブおじちゃんと見事に昇華できたメイの姿に、人間の心の強さしなやかさを感じました。

     ウェスト・ヴァージニアの自然を背景に、“家族の死”について純真な少女の言葉で静かに語られている名作だと思いました。

     小学高学年からお薦めします。

    投稿日:2011/03/31

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