グラフィック・ノベルというのでしょうか、文字無しで、お話が進みます。
カバー折り返しの言葉を借りれば、まるでサイレント映画を一本見たような満足感がありました。
マレーシアから西オーストラリアに移住したお父さんの経歴が作風に影響を与えている事がよく解ります。
過去の自分を捨て去り、新天地へ到着したばかりの人の苦難が、切々と伝わって来ます。
幼い子どもであれば、素直に受け入れられるものも、成人した男性には難しい事が多かったことでしょう。
異生物 異星人の世界へ入って行った感覚だったのでしょう。
祖国に妻子を残し待たせ、新天地で生活の基盤を少しでも早く築きあげねばならない焦燥感・孤独感も伝わって来ます。
そして、妻子を呼び寄せ再会したシーンが、良いですね〜。
エンディングでは、彼の娘さんが、アライバル(新顔さん)に親切に道を教えています。