ホフマンがイラストを描いているグリム童話の絵本です。
このお話自体がヨーロッパのいろいろなところに残っている昔話の一つで、国や地域によって少しずつ、超人的能力が違ったり、結末が少し違ったりしますが、
普通の人間にはなかなかできない不思議な能力を身につける話として、どれもとても魅力的な物語だと思います。
特にこのグリムのお話では、お姫さまは登場したものの、(主人公の兄弟たちの)誰のものにもならないという、めったにない不思議な終わり方をしています。
ちょっと現代的な表現をしますと「スクープ!お姫さまは助けてくれた若者の誰とも結婚しなかった!?」でしょうか。
ホフマンの遊び心なのか、最後に家族5人(お父さんも入れて)テーブルを囲んでにこやかに乾杯しているシーンで終わっていて、
読み終えたとき、なんだかハッピーな気分になれました。
4人兄弟の能力のうち、私は個人的には末っ子のどんなものでもなんでも縫い合わせることができる針と、仕立て屋技術″の能力が一番面白かったです。