「野ばら」や、「月夜と眼鏡」のような、味わいのある既読作品の他は、どれも初読作品ばかり。
幻想的な作品もあるのですが、人情味たっぷりのほのぼのとした作品や、予見できない未来を憂える作品と出合うことが出来て、小川未明の作品の奥深さを感じました。
「からすの唄うたい」、「ある夜の星たちのはなし」、「雪くる前の高原の話」、「雪来る前の高原の話」、「隣村の子」、「おさくの話」、「ゆずの話」、どれもお薦めの作品ですが、「雪来る前の高原の話」、「おさくの話」に特に心を打たれました。
茂田井武さんの挿し絵が、それぞれの作品を包み込んでいて、これもお薦めです。