はちみつができるまでを、養蜂家の娘である「わたし」が
実際に見聞きしたことを語るようにお話が進んでいきます。
とても丁寧で、落ち着いた絵本です。
養蜂家であるお父さんの言葉も、誠実で落ち着いていて、自然に関わる人のおおらかさと強さが感じられます。
それと、絵。
山のキラキラした太陽。
ミツバチの羽音。
はちみつの甘い香り。
冷たい雨。
静かな雪。
いせひでこさんの絵からは、そんな自然の空気が感じられて、「わたし」と一緒にその場にいるような感覚になれます。
甘いもの大好きの息子は、ふわっとはちみつの香りがただようシーンで、笑顔になりました。
親はというと、読後「はちみつをゆっくり味わいたいな」という気もちが、ごく自然に湧いてきました。