サーカス団員と一緒に旅をして暮らしていた笛吹の少年が、アフガニスタンの小さな村に帰る物語。
1作目では、この村の幸せな時代と、戦争で何もかもが破壊された様子が描かれている。3作目の本書では、戦争で破壊されたことを知らない少年が、故郷の村と、幼馴染の少年を慕って一心に岐路を急ぐ。村の状況を知っている読者は、少年が希望をもって様々な困難を乗り越えていく様子を見て、心が痛む。
戦争さえなければ。
戦争がなかったとしても、なかなか生活が苦しい状況で、子どもが出稼ぎに行ったり、学校に行けなかったり、いろんな問題がある村。更に、戦争で家族が兵隊にとられ、村も破壊され、散々な目に遭っている。
どうしてこういうことが起きるのだろうか。いったい誰が戦争を望んだのだろうか。
戦争さえなければ、と思う。