なんと奥行きの深い、感動的な作品なのでしょうか。
おじいさんの「なんも なんも」の口癖は、全てのことを包み込んで、人生を達観した響きがあります。
おじいさんは、様々な思いをこめて桜を植え続けて来たのでしょうか。
それだけに桜と心を通わせているのでしょう。
きっと自分の安らぎの場所であったさくら山を、孫に引き渡しました。
病み上がりで桜を見に、孫と歩く山道と、道のりの出来事を思い出に刻んで、静かに息をひきとった件では、心震えてしまいました。
じいじの年代に近づいた私に、絵本のじいじのような奥深さが欠片もないことを、改めて実感します。