話は全く違うのですが、「つるのおんがえし」を連想しました。
老夫婦に助けてもらったカモは、娘となって恩返しするのです。
機織りではなくて紬ぐるまが出てくる所に類似性を感じ、使われ方の違いに不思議な感覚を覚えました。
紬ぐるまを使って、娘は自分を置き去りにした仲間のカモ、自分の親ガモを呼び寄せるのです。
娘の気持ちは複雑です。
一緒に飛んでいきたい気持ちと、置き去りにされた無念さと、老夫婦の家での自分のよりどころを失ってしまった悲しさが交錯する感じが打ち寄せて来ます。
でも、カモはカモなのですね。
余韻の大きいお話を、淡い絵が包みこんでいます。