若い頃は特に読みたいとも思わなかった民話や昔話の絵本を、最近手にすることが多くなりました。
そういう話に味わいを感じることができる年になったことを喜ぶべきか、悲しむべきか…。
ただ、私が小さかった頃は、好もうと好まざるとこういった話を耳にする機会はたくさんあったけれど、今の子供たちは、なかなか出会えない世の中になってきましたよね。
さて、この「かっぱのすもう」ですが、日本民話シリーズから出ています。
文は民話や昔話のエキスパート・小沢正さんなので、とても読みやすく、親しみやすい文章になっています。
話の内容は、畑を荒らしてきゅうりを盗んでいく河童たちを懲らしめようとしたおじいさんが、河童たちと相撲をして勝った。というやつです。
太田大八さんが描く、いかにも「昔の畑仕事をしているおじいさん」のふんどし姿が、なかなかよかったです。
出てくる河童たちも、悪いことばかりしているただの妖怪ではなく、相撲好きでお茶目な生き物に描かれていたので、可愛かったです。