人の本質はやさしさです。
やさしい心はすべての命あるものを
暖かく包み込みます。
私たち一人ひとりの心の中にあるやさしさ、
そして、分ち合う心こそ、
この世界を救う光に他なりません
この本の序章にはこう書いてあります。
エチオピアのゴンダールで実際あったお話を絵本にしたものです。
ボランティアで食糧支援に行ったぼくが見た世界は、からからに乾いた荒れ果てたところでした。
そこにぼろぼろの布をまとった少女がふたり登場します。
「山を三つ越えたウォロというところから3日歩いてきました。
ゴンダールでは食べ物がもらえると聞きました。
お父さんも弟も、食べ物がなくなって死にました。
お母さんは、目が見えなくなりました。助けてください」
でも、少女たちは食糧をもらうことができません。
この食料はゴンダールの人たちのものだ・・と兵隊に銃で押し倒され、追い払われてしまいます。
そのときぼくは・・
このあとぼくは、とある事柄に遭遇して大きな衝撃をうけます。
「ごめんなさい」
だれに向かってか、わからない。でも言いたかった。
いつのまにか、やさしい光が、まぶたの中にいっぱいあふれていた。
この気持ちが痛いほどよくわかりました。絵本を読んでいる私も同じ気持ちになりました。
涙なしには読めない、でも、心の中にやさしい光があふれてくる絵本でした。
是非、多くの子どもたち、大人たちに読んで頂きたい本です。