初めて読んだとき、なんと禍々しい…と絶句しました。
小さな子どもたちの目に触れないように、棚の上に隠したのをおぼえています。
ページを開くごとに、血痕を思わせるシミ、瞳孔の開いたぬいぐるみ、カラス、木から吊されたおもちゃ…恐怖の原風景が広がり、本が生臭く匂うようです。
心の闇をさらけ出させようとする内容は、怪談というより、ホラー。
この本の怖さ、エンターテイメントとしての面白さを味わえるのは、ある程度経験を積んでからだと思います。
よくぞ、この本を作ったな…と思わせる、一冊です。
*よしたけしんすけさんの『ころべばいいのに』とあわせて読むと、おもしろいと思います。