猪子祭りそのものを知らないので、行事の絵本としてはあまり意識ができないのですが、お話としては面白く読みました。
三人の娘の末娘が、猿やカッパや鬼に嫁いでいく類話を思い起こすと、どうして末娘なのだろうと考え、当然上の姉たちの身勝手さを憂えてしまうのですが、本当は誰だって怪しげな輩に無条件で嫁ごうなどとは思わないのです。
それだけに、末娘の健気さ闊達さ明晰さに感じ入るのですが、このお話については残酷さが一番目についてしまいました。
こんな仕打ちを受けたら、祟りがあって仕方がないと思ってしまいました。
祭礼で猪の怒りを鎮めるというのも、人間の身勝手な封印に過ぎるようにも感じるのですが、せめて収穫を祝うことだけを考えることにしましょう。