昔ながらの家屋に宿る恐怖。
自分たちにとっては非日常であっても、合掌造りの家並みでは当たり前の暗闇です。
天井がありません。
見上げると大きな梁と、その上には昔は養蚕でもしたのでしょうか屋根むかってむき出しの柱組があるだけ。
そこに住むおばあさんにとって、怖い顔がのぞいていても悪いことが起こらぬ限り、見上げさえしなければいないも同じなのです。
都会っこの少年にとっては、とても怖い非条理の世界。
京極さんの巧みな語りと、町田さんの自然でいながら不気味さたっぷりの絵。
「こわいのこわくないの」
この怖さは、考えるとあちらこちらにありそうです。