加古里子さんの科学絵本は、どれも内容がしっかりしていて、絵も詳細に描かれているのでとてもためになります。
この本では、1980年代にインドネシアのチラタという場所で、日本を含む5か国の国際協力によって巨大なダムが建設されるまでの様子が紹介されています。
なぜダムが必要なのかという話から、5カ国がそれぞれ違う分野を分業して担当し、協力し合って作り上げていくまでの人々の姿、ダムの工事の詳細がしっかりと描かれています。
実際のところ日本では、これまでに多数のダムが作られているわけで、現在では新規のダム建設は、環境破壊によるデメリットを考慮してその必要性の是非が問われるような状況ですよね。
でも、この絵本が描かれた20年以上前の、しかもこれから発展していく国では、ダムによる水力発電の必要性が非常に大きかったんだな、ということがよくわかります。
ダムの建設途中のページでは、挿絵とともに、実際の写真も載せられていて、巨大な建設物であることが実感できます。
文章量も結構多いですし内容も難しいので、対象は小学校中学年以上〜といったところでしょうか。
大人の私が読んでもためになりました。