動きがほとんどない上に、むくどりの子どもの寂しさを語る物語だから、視覚化するのは相当に難しい作品だと思います。
そんな条件の中で、いもとようこさんの絵は、あまりに見事です。
心象風景のように、幻想のように、むくどりの子の寂しさを描いて見せました。
それにしても、母親の死を教えなかった父親の行為は、残酷でもあり苦難でもありました。
嘘を重ねることになってしまいましたし、いずれ真実を知る子どもに、どう対すれば良いのでしょう。
しみじみとそんなことを感じさせられる作品でした。
でも、子どもは幼心に母親の死を悟ったようラストシーンでした。