作者のふくもとまんじさんが、山中で鯨の形をした岩を見た時に
連想した物語だそうです。
力強い黒田征太郎さんの絵が、その世界を伝えてくれます。
北へ向かう鯨の群れに、嵐がやってきます。
稲妻の中に現れた龍に心を奪われた白鯨は、龍の制止も聞かず、
龍の住む山へと河を登っていくのです。
その、衝動的な想いがとても伝わってきました。
そして、力尽きた白鯨。
龍を天空の女王とした造形が印象的でした。
鯨と龍のそれぞれの想いが、画面よりひしひしと伝わってきました。
作者が見たという岩のオーラを、私も感じることができました。