読み終えて、しばらく考え込んでしまいました。
貧しい夫婦はどの様な仲だったのでしょうか。
長年連れ添ったお嫁さんが、古ぼけた牛だったら、どう考えれば良いのでしょう。
街をゆく人が、みんな獣に見えたら、自分はどうしたら良いのでしょう。
人間の本当の姿が見えるというオオカミのまゆげを、オオカミの頭がくれました。
真人間は喰うことが出来ないと、くれた物でした。
この世に真人間というものはあまりいないようです。
人はみんな獣なのです。
私は、間違いなくオオカミに一飲みにされてしまうでしょう。
それより、嫁さんから逃げ出して幸せに暮らしたという男は、これで良かったのでしょうか。
どこか真人間というものは孤独な存在のようです。
私は、真人間でなくて良かったと思います。