おばあちゃんは、ある日ばったり倒れました。
倒れる前とは、変わってしまったおばあちゃん。
右目が左目よりも下がってしまい、
船を「う・ね」、にわとりを「い・わ・の・り」と
口を右がわにひきつらせて、発音します。
それでもマールには、おばあちゃんのいうことが
正確にわかるのです。
かなしい時、おばあちゃんの目からきりもなく水がこぼれます。
マールはそれを止めることが出来ないけれど、
おばあちゃんの隣に座って、寄り添います。
強い意志を表現したい時には「する!」とひとこといって、
ベッドの囲いを、ゆっくり乗り越える、おばあちゃん。
病気でおばあちゃんが失ったもの、失わないもの、
それが絵と文両方でリアルに描かれていて、泣けました。
マールとおばあちゃん、
がまんがきかず、くいしんぼうな似た者同士の二人の、
意志の強さに、希望を感じます。