アサギは母にいつも「おまえが男だったら」と言われていた。男だったら戦士になれる。戦士になれば、食料などの割り当ても多いからだ。しかしアサギは、競い合いに出ることができれば、そこで勝つことができれば戦士になれるかもしれないという希望を持ち、必死の努力を始める。弓を作るためには、谷のゴミ捨て場へも危険を冒して行かなくてはならない。そこで手に入れた鹿の角は、中がすかすかで使いものにならないものだった。
そんな努力をひとつひとつ積み重ね、競い合いに出ることになったアサギ、そして見事な腕を見せたアサギ。だが・・・。
三部作の始まりは、ただただアサギのひたむきさがせまってくる一冊だ。
決してあきらめない。何もないところから始めた自分を信じる。
今を生きる私達に、強烈なメッセージとして届けられる。