第2次大戦中のユダヤ人虐殺の悲劇。
そんな中、走る列車から外へ投げられたため難を逃れた赤ちゃんがいたと言う実話です。
お話は、成長したその赤ちゃんが自分の物語を著者に話す形で進みます。
自分たちはこのままでは殺されると察していた母は
一縷の望みを託して胸に抱いていた赤ん坊を
走る列車から投げ出します。
読んでいて、このシーンはたまらない気持ちがしました。
このまま自分といるより生き残る確率が高いと判断したのでしょうが
それを実行する勇気がすごい。
もし私ならできないと思います。
こんな奇跡のドラマみたいなお話が、淡々と書かれていて、
それがまた胸を打ちます。