原爆投下を目のあたりにした3人の少年が語る物語です。
8月6日に様変りした広島で、少年口伝隊という広報活動の任務を与えられた彼らは、新聞報道の代行として、情報を伝え歩きます。
広島が「ヒロシマ」に変わった破壊力と、追い打ちをかけるように広島を襲った巨大台風の中で、懸命に生きた3人の少年の生きざまが、まぶしいばかりに描かれています。
自分の家族を失い、世の中の地獄を目にしながら、なんとも少年の生き方は素晴らしいと思いました。
でも、原爆症で2人が亡くなり、残った少年も原爆症がもとで15年後に死亡。
救いようにない哀しみが、読後にわいてきました。