やなせたかしさんの、短い童話集。
前書きで、やなせさん自身が語っている通り、
「みじかくても内容は非常にこい」「おもしろい」作品になっています。
昔話のようでもあり、寓話でもあり。
やなせたかしさんのヒューマニズムがとても伝わってきました。
しかも、語り口もユーモアがあり、まさしく「メルヘン」を体感です。
展開も、なかなか示唆に富んでいます。
「キュラキュラ」は、思い込みの危うさを、
「トランゴラのうみ」は環境問題を、
「じんごべえさんのおくりもの」では語呂合わせの意外な発見を、などなど。
子どもにも大人にも、不思議な余韻が残るでしょう。