戦争で日米が対立国となったとき、日系アメリカ人は国籍よりも日系であることにより迫害されました。
他の出来事が大きすぎて、あまり表ざたにはならないけれど、希望をもって日本からアメリカに移住し、人種差別を乗り越えてやっと安住の地として認められた時の悲しい出来事でした。
父親たちはアメリカ人であるという証に、親戚が残る日本相手にアメリカ兵として戦うという踏絵をつきつけられた事実もありました。
この絵本は、子どもの立場から日系アメリカ人の強制収容生活を描いています。
当事者にしかわからない悲しみが、薄皮をはぐように伝わってきました。
家族が収容される前に一人連れ去られた父親。
父がどうなったか、気になる部分をあえてそぎ落としたのか、淡々と描かれているのは、作者の自己主張でしょうか。