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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい バイキング給食にびっくり   投稿日:2026/05/10
きゅうしょくの じかん
きゅうしょくの じかん 絵・作: 加藤 休ミ
出版社: Gakken
5月の大型連休も明けて、この春小学一年生になった子どもたちも学校生活に慣れてきた頃。
 学校生活で楽しみのひとつが、たぶん給食の時間ではないでしょうか。
 クレヨンとクレパスを使って独特なおいしい絵を描く絵本作家加藤休ミさんの『きゅうしょくのじかん』は、
 そんな楽しい給食の毎日変わる献立の様子が実に巧みに描かれた絵本です。

 自分が小学生の頃も給食の時間のこともうっすらと思い出し、
 娘たちの給食の時間ははて? どんなのであったのかしらんと首をひねり、
 そしてこの絵本で描かれる給食はたぶん現在のそれで
 だとしたら、なんともおいしい給食献立であることか。
 もう一度小学生に戻りたくなります。
 どんな献立があるかのぞいてみると、
 きなこあげパン、カレーライス、さばの竜田揚げ、みそラーメン、ハンバーグ。
 どれもおいしそうに見えるのは、加藤さんの絵の力でもあります。

 びっくりしたのはバイキング給食。
 え!? 給食でバイキング!?
 まさか加藤さんの想像? 
 調べてみると、確かに一部の小学校ではバイキング給食を実施しているところがあるようで、
 絵本の中の子どもたちのようにそれぞれの盛り付けに個性が出て
 これはなかなか面白い。
 こんな給食だったら、学校に行くのも楽しくなってしまいそう。
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自信を持っておすすめしたい 🎵屋根より高いこいのぼり   投稿日:2026/05/05
こいのぼり ぐんぐーん
こいのぼり ぐんぐーん 作: おおいじゅんこ
出版社: ほるぷ出版
「力ある風出てきたり鯉幟」(矢島渚男)。
 この句のように、風がある時のこいのぼりはなんとも雄大なもの。
 「歳時記」の解説によれば、江戸時代に町人が滝を登るという鯉に願いをかけて
 こいのぼりを立てて男子の成長を祈ったそうです。
 最近は住宅事情があって、雄大に泳ぐこいのぼりを町なかで見かけることも少なくなりましたが、
 広い川べりなどで何十匹ものこいのぼりを泳がせている地域もあるようです。

 こどもの日といえば、やはりこいのぼり。
 そんなこいのぼりを題材にした絵本があります。
 おおいじゅんこさんの『こいのぼりぐんぐーん』。
 色とりどりのこいのぼりがかわいいタッチで描かれています。
 しかも、この絵本にはこいのぼりの解説も載っています。
 例えば、のぼりの一番上についている丸い玉。「かいてんきゅう」というそうです。
 天の神様に見つけてもらえるように、という意味があるとか。
 その下のからから回っているのが「矢車」。
 その下に「吹流し」があって、その下にようやくこいのぼりがあります。
 「高空に青き山あり吹流し」(相馬遷子)とか「矢車に朝風強き幟かな」(内藤鳴雪)のように、
 「矢車」も「吹流し」も季語になっています。

 この絵本の魅力はなんといっても、五月の風のようなすがすがしさでしょう。
 風がないと、こいのぼりもシュンとなります。
 風があると、元気になります。
 この絵本を読むと、風が吹いてきたこいのぼりのように、元気になれそうです。
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自信を持っておすすめしたい 「端午の節句」に読みたい絵本   投稿日:2026/05/03
かぶと
かぶと 作: 藤川 智子
出版社: 講談社
「武者人形兜の紐の花結び」(高橋淡路女)。
 この句の季語は「武者人形」。「端午(たんご)」の季語の傍題(関連季語)です。
 「端午の節句」は男子の節句ですから、武者人形や兜といった強いものを飾ります。
 子どもたちはあまり大河ドラマを見ないでしょうが、
 戦国時代を題材にしたドラマの合戦場面を見ているとさまざまな兜をかぶった武将がいるのがわかります。

 そんな兜をテーマにしたユニークな絵本があります。
 藤川智子さんの『かぶと』。
 表紙の新聞紙でこしらえた「かぶと」がまず目をひきます。
 昭和の子どもなら一度は作ったことがあるのではないでしょうか。
 令和の子どもはうまくこしらえることができるかな。
 作ったことがないという子どもでも心配はいりません。
 巻末に新聞紙などで折れば、かぶって遊べる、折り方のつくりかたが載っています。

 この絵本の面白いのは、もちろんその中身。
 色々な飾り物がついた兜が絵で紹介されています。
 「さる」「ちょう」「うさぎ」「えび」「かに」「さざえ」、
 なかでも変わっているのが「むかで」とか「しゃちほこ」。
 それぞれに意味があって、例えば「さる」は「悪いことが去る(さる)」ようにとの願いを込めて。

 ここまで書いてきて、思い出したのですが、
 新聞紙で折った兜をかぶって、新聞紙をくるくる巻いて作った刀で「チャンバラ」遊びをしたものです。
 昭和の子どもは。
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自信を持っておすすめしたい 宇宙人が出てこない!   投稿日:2026/05/01
星新一YAセレクション(6) あるスパイの物語
星新一YAセレクション(6) あるスパイの物語 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一YAセレクション6』(理論社)。
 表題作である「あるスパイの物語」をはじめとして、15篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
 ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
 装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。

 この巻を読み終わって、あれ? と少し違和感を覚えました。
 何か忘れ物をしたような、そんな感じです。
 しばらくして、その原因がわかりました。
 この巻には「宇宙人」が登場しないのです。
 もちろん、この巻でもウィットに富んだストーリーの展開だとか予想外な結末など、星新一さんの魅力が十分味わえるのですが、「宇宙人」が出てこないと少し寂しくなります。
 「宇宙人」は登場しませんが、「権利金」という作品では幽霊だったり「お願い」という作品では悪魔や天使が登場したりします。
 でも、「宇宙人」がいないと、まるで和田誠さんの絵がない星さんの作品集みたい。

 その反面、少し長めのショートショートである表題作の「あるスパイの物語」や「陰謀団ミダス」、それに「ミドンさん」はしっかり読ませる作品に仕上がっています。
 たまにはこういう編集もあってもいいではないかな、と星さんが「宇宙人」に囲まれてしたり顔しているようにも思えます。
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自信を持っておすすめしたい 熟年の人に読んでもらいたい絵本   投稿日:2026/04/26
いまでなきゃ
いまでなきゃ 作: ダヴィデ・カリ
絵: チェチーリア・フェリ
訳: 青山 南

出版社: アチェロ
珍しいイタリアの絵本『いまでなきゃ』は、その冒頭のシーンも絵本としては珍しい。
 「−いよいよリタイアだ、やっとふたりでなんでもできる。」
 そう、この絵本は、おそらく定年を迎えた熟年夫婦の物語なのだ。
 もちろん、だからといって子供たちが読めないわけではないだろうが、
 やはりこの絵本に登場する夫婦のような熟年の人たちに読んでもらいたい。

 リタイアしたら、仕事におわれてできなかったあれもしたい、これもやりたいと
 誰しもが思うもの。
 この絵本の男性の場合もそう。
 知らないところを見てまわる旅をしてみたい、と。
 ところが、パートナーの女性は「春までまちましょ。」とつれない。
 ならば、一緒に外国語を勉強するのは? どうしてとくいじゃないのに。
 この会話のようすを描いた二人の絵がいい。
 糸電話でつながる二人。でも、男性は耳にあて、女性は耳にすらあてていない。
 このページでもそうだが、チェチーリア・フェリさんが描いた絵がこの絵本の魅力のひとつ。
 素朴で温かみがあって、これが初の絵本作品だというが堂々とした風格すら感じる。
 文章を書いたのはダウィデ・カリという絵本作家で、すでに多くの賞を受賞している実力ある作家。

 そういうコンビから生まれたこの絵本のラスト、「いまでなきゃ」と風に向かって
 バイクを走らす二人に勇気をもらえるはずだ。
 この春、リタイアを決めた人に贈ってあげたい一冊。
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自信を持っておすすめしたい おなか、こわさないでね   投稿日:2026/04/19
パンケーキ100まい たべたいの
パンケーキ100まい たべたいの 作・絵: 石川 えりこ
出版社: ポプラ社
 「推し」というのは「人に薦めたいほど応援している存在」ということらしい。
 単に「好き」というより「応援したい」という気持ちが強いことをいうのだとか。
 私にとって石川えりこさんはそんな「推し」の絵本作家のひとりだ。
 どこがいいのかと訊かれたら、「絵のタッチ」と答えるだろう。
 石川さんの描く線の柔らかさ、登場人物の顔の表情。
 けっして派手やかではないが、そうでないのがいい。

 そんな石川さんが2026年1月に上梓したのが『パンケーキ100まいたべたいの』。
 誕生日でもないけれど、お天気もいいし、三つ編みもうまくできたし、
 そんな日にはパンケーキが100枚食べたくなった女の子がお母さんにおねだりしてる。
 おかあさんも機嫌がよくて、女の子に材料の買い出しを頼むことに。
 パンケーキ100枚分の小麦粉とたまごとバター、それに牛乳。
 女の子のお供は黒い大きなねこ。
 それに買い物の先々で売っているのがみんなねこたち。
 ねこたちの望みもパンケーキをわけてもらうこと。

 この絵本にはいろんなねこが出てくるが、それぞれ表情が違うのがいい。
 もちろん、断然いいのが、女の子。
 大きな口をあけて、100枚のパンケーキをパクパク食べる姿がかわいい。
 あれ? ねこたちにはあげないの?
 おしまいのおなかすかしたまま去っていくねこたちの姿に、
 くすっ。
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自信を持っておすすめしたい この本を読むきっかけはコミック「本なら売るほど」   投稿日:2026/04/14
ことばの海へ雲にのって 大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平
ことばの海へ雲にのって 大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平 作: 岡本文良
絵: 高田勲

出版社: PHP研究所
街の小さな古本屋を舞台にしたコミック『本なら売るほど』(児島青)の2巻めに収められている
 第9話「本の海の漂流者」は古本屋にとって「売れない本」として警戒すべき辞書を扱った話。
 話の冒頭、全13巻にもなる大修館書店発行の『大漢和辞典』がどのようにして誕生したかが、手際よく描かれている。
 この挿話の参考資料になっているのが、
 『ことばの海へ雲にのって - 大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平』(作 岡本文良)。

大修館書店発行の『大漢和辞典』は通称「諸橋大漢和」と呼ばれている。
 というのも、この辞典を編纂したのが著名な漢字学者、諸橋轍次という人物だから。
 書名にでてくるもう一人の人物鈴木一平は、「良い漢和辞典を作りたい」と諸橋と共に
 出版界での偉業をなすことになる大修館書店の創業者である。
 この作品は小学生上級以上向けのノンフィクションシリーズの一冊になっていて、
 なんといっても読みやすいのがいい。
 だからといって、書かれている内容が子供向けの幼いものではなく、
 大人の読者にも十分に満足させてくれるものになっている。

 辞書作りの困難さは三浦しをんさんの『舟を編む』などいくつかの作品で知ることができるが、
 「諸橋大漢和」の場合もそうで、諸橋さんの知識と根気、鈴木さんの熱意がなければきっと出来上がらなかっただろう。
 コミック『本なら売るほど』で登場した「諸橋大漢和」はラスト、漢字大好きな青年に買い取られていく。
 諸橋さんも鈴木さんも、天国で微笑んでいることだろう。
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自信を持っておすすめしたい たけの一生を学ぶ   投稿日:2026/04/12
たけ もうそうだけの おやこ
たけ もうそうだけの おやこ 作: 甲斐 信枝
出版社: 福音館書店
たけのこがおいしい季節になりました。
 漢字で書くと「筍」。俳句の世界では意外な気もしますが、夏の季語です。
 では、春の時期のたけのこをどういうか。
 「春の筍」または「春筍(しゅんじゅん)」といいます。

    旅終へて春筍京に溢れをり      角川 源義

 『歳時記』を読むと、たけのこのことがよくわかります。
 例えば、春の季語の「春の筍」には「竹類の地下茎から出る幼芽」とあり、
 夏の季語「竹の皮脱ぐ」には「竹は伸びるにつれて、下方の節から順に皮を脱いで」とあります。
 「竹の秋」というのは「秋」とはありますが春の季語で、
 「竹は前年から蓄えた養分を地下の筍に送るため葉が黄ばんだ状態になる」と、
 竹の一生を季語でおえるようになっています。

 そんな竹のいのちの循環を描いた絵本があります。
 それが甲斐信枝さんの『たけ もうそうだけのおやこ』です。
 「もうそうだけ」は孟宗竹のことで、食用になる竹です。
 絵本の最初にこの季節目にする食用のたけのこが描かれています。
 そして、「たけのこはいったいどうやってうまれてくるのでしょうか。」と文章とともに
 たけの一生を目にしていきます。
 甲斐さんの丁寧な細密画がありますから、普段目にすることのない土の中での
 おやだけとたけのこのつながりがよくわかります。
 冒頭の書いた『歳時記』にあるように、
 甲斐さんの絵とともにたけの一生をたどっていけます。

 絵本にも描かれていますが、たけは秋になると青々と茂るようになります。
 なので、「竹の春」という秋の季語もあります。
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自信を持っておすすめしたい 朝ドラ「ばけばけ」は終了しましたが   投稿日:2026/04/05
むじな
むじな 企画・原案: 小泉 八雲
作: 田辺 青蛙
絵: 高畠 那生
編集: 東 雅夫

出版社: 岩崎書店
NHK朝の連続テレビ小説(通称 朝ドラ)の影響は大きく、
 物語のモデルとなった人々の関連本など出版界も大いに賑わうことになる。
 その第113作めとして2025年9月から翌年3月まで放送された「ばけばけ」は、
 作家小泉八雲とその妻セツがモデルということで、
 二人の伝記だけでなく八雲の作品もあらためて本屋に並ぶことになった。
 大人向けだけでなく、子供の世界にも波及し、「八雲えほん」として絵本で出版されている。
 この『むじな』は「八雲えほん」の3巻めにあたる。

 『むじな』は小泉八雲の作品の中でも知られた作品のひとつで、朝ドラの中でもその一節が登場する場面があった。
 昔英語のテキストでこの作品の英語版を習ったことがある。
 話はとてもわかりやすい。
 暗い夜道で泣いている若い娘がいて声をかけると、なんとその娘は「ぬるんとした」のっぺらぼうだった。
 男は驚いて、屋台のそば屋に逃げ込む。
 と、その店主もまた「まるで、むきたてのゆでたまごのような」のっぺらぼうだった。

 シリーズ編者の東雅夫さんによれば、これは「再度の怪」と呼ばれるタイプの話だという。
 つまり、似たような怪異に遭遇し驚かされるという型。
 「むじな」は、漢字で書くと「貉」。昔から人をだますといわれたタヌキのことだろうか。

 八雲の原作を田辺青蛙さんが翻案し、絵本作家の高畠那生さんが絵を描いた絵本。
 朝ドラ「ばけばけ」は終了したが、八雲の世界は終わることはない。
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自信を持っておすすめしたい 本の余白に迷い込んで   投稿日:2026/04/02
エデンの裏庭
エデンの裏庭 著: 吉田 篤弘
出版社: 岩波書店
吉田篤弘さんといえば作家でもあり、「クラフト・エヴィング商會」名義で装幀なども手掛ける才人。
 この『エデンの裏庭』は吉田さんが子供の頃に読んだ作品、(『不思議の国のアリス』と『ガリヴァー旅行記』)と、
 児童文学の代表としての『星の王子さま』と『モモ』の四作の周辺を題材にして、
 新たに創作として小さな物語と「舞台袖からの報告」と題されたそれぞれの作品の小さな書評を綴ったパートと、
 本を愛する人々に贈る「エデンの裏庭」という書下ろし小説のパートで出来ています。
 一冊の本の構成(編集)としては、不思議な感じがしますが、
 読書の面白さはどこか不思議な空間への迷い込みであることを思えば、
 この本の出来上がりそのものが読書体験だともいえます。

 吉田さんは「説明が省かれたことによってできた余白」にこそ、
 「語られていない色とりどりの物語」が隠されていると書いていますが、
 そういうところにはまり込んでしまうのが、
 子供の頃の読書体験だといえるかもしれません。
 だから、大人になってもう一度その不思議な体験をたどってみたい。
 この本はそう思っている大人の読者へのガイド本ともいえます。
 なぜなら、この本を読めば、子供の頃に読んだ児童文学を読んでみたくなるのですから。

 この本からこんな名言を見つけました。
 「本の優劣を決めるのはじつに簡単なこと。先を読みたいかどうかだ」
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年齢別で絵本を探す いくつのえほん

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