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むげんことわざものがたり

むげんことわざものがたり(偕成社)

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夏の雨

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい これが和田誠さんの最初の絵本  投稿日:2024/04/14
ぬすまれた月
ぬすまれた月 著: 和田 誠
出版社: 岩崎書店
2019年10月に亡くなったイラストレーターの和田誠さんのたくさんの仕事の一つに
 「絵本」があります。
 絵本での大切なこととして、
 「まず絵がいいこと。上手じゃなくてもいいから、魅力的な絵。
 面白い流れがあること。物語であっても、感覚的なものであっても、
 あとは展開させるデザイン」と話しています。
 『ぬすまれた月』は、そんな和田さんが初めて手がけた自作絵本です。
 1963年のこと。

 その時のことを和田さんは後年こう語っています。
 「画家がお話も作るというのが条件でした。ぼくはまだ駆け出しのイラストレーター。
 作と絵の両方をやるのは初めてで自信もなく(中略)ドキドキしながら参加した」と。
 本人はそう言いますが、そんなことはありません。
 この絵本はとてもうまく出来ていて、
 和田さんの言葉を借りるなら「展開させるデザイン」がずば抜けています。

 柱になるのが、空から月をとってきたお話。
 そんな大事な月がある時盗まれて、さまざまな人の手にわたります。
 ご存じのように月は時々で姿かたちを変えるので、
 そのあたりが物語を面白くさせています。
 こんな物語の前後に、月のかたちであったり変化がどのように起こるのかを
 巧みなイラストで説明していきます。
 そのバランスがとてもいい。

 最初の刊行以来、何度かリニューアルされながら読み継がれているのも、
 絵本としても魅力があるからです。
 そう考えると、和田さんにとって「絵本」はとっても大切な仕事だったに違いありません。
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自信を持っておすすめしたい 星新一と和田誠の怪しい?関係  投稿日:2024/04/02
星新一ショートショートセレクション(13) クリスマスイブの出来事
星新一ショートショートセレクション(13) クリスマスイブの出来事 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一ショートショートセレクション13』(理論社)。
 表題作である「クリスマスイブの出来事」をはじめとして、21篇の「ショートショート」が収められた、児童書。
 装幀・挿絵(それぞれの作品にひとつ挿絵がついています)は、和田誠さん。

 表紙の和田誠さんのイラストが笑わせてくれる。
 大きなトナカイがサンタクロースをまるで飼い犬のように持っている絵。星新一さんのショートショートをイラストにしたものかと思うだろうが、表題作「クリスマスイブの出来事」はこのイラストとはまったく違うので、ご注意あれ。
 では、どんな話かというと、クリスマスイブの夜に贈り物を届けていたサンタクロースが泥棒と間違えられるコント風のもの。
 ストーリーをじゃましない和田さんのイラストを、星さんは気に入っていたようだ。

 和田さんのイラストで今回秀逸だったのは、「協力的な男」という作品につけられた挿絵。ほかの作品でもそうだが、作品ひとつに和田さんの挿絵が一枚、一ページ分つく。
 この「協力的な男」の場合、和田さんは一ページを使って、何の変哲もない男の上半身を描いただけ。
 この絵から、強奪事件の犯人だと自首してきた男とその男の嘘に騙される警察の話を想像できる人はいないだろう。
 それでいて、星さんが作品で書いた自首をしてきた男は、きっとこんな風貌だろうと思わせるものが、和田さんのイラストにあるのが不思議だ。

 星新一さんと和田誠さん。
 二人の力が合わさって、星新一ワールドはうんと広がったといえる。
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自信を持っておすすめしたい 今年の桜はどんな思い出をつくるでしょう  投稿日:2024/03/31
そらはさくらいろ
そらはさくらいろ 作・絵: 村上 康成
出版社: ひかりのくに
こんな季節にぴったりの絵本を見つけました。
 村上康成さんの『そらはさくらいろ』。
 最初のページは、見開きで若草萌ゆる丘に大きな桜の木が三本。
 女の子が地面に寝転がって、空をみています。
 そして、書かれた文章は「さいた さいた、さくらが さいた。」
 そこから、女の子が見ている青空が次々と描かれていきます。
 犬やチョウやカエルたちが女の子に何をしているのと尋ねます。
 女の子はいつも「そらを みてるの。」とこたえます。
 その空にいつのまにやら、たくさんの桜の花びらが舞い始めます。
 青空はそんな桜の花びらで「さくらいろ」になっています。
 村上康成さんの素朴な絵にふっと春の夢を見るようです

 桜は咲き始めたばかりの一輪二輪もいいけれど、
 やっぱり桜は満開がいい。
 咲くのが遅かった今年の桜、どんな光景を見せてくれるだろうか。
 どんな思い出を残してくれるだろうか。
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自信を持っておすすめしたい ネガティブな人はこの絵本で前向いて  投稿日:2024/03/24
なんていいひ
なんていいひ 作: リチャード・ジャクソン
絵: スージー・リー
訳: 東 直子

出版社: 小学館
何事も前向きにとらえることができる人っているもので
 そんな人に出会うと羨ましくなる。
 自分の性格がポジティブ(前向き)なのかネガティブ(うしろ向き)なのか
 いくつになっても、やはりつい考えてしまう。
 その都度、もっと前を向かないといけないと反省する。
 アメリカの作家リチャード・ジャクソンさんが書いた
 絵本『なんていいひ』(絵は韓国生まれのスージー・リーさん)を読んで、
 ついそんなことを思った。

 だって、空が真っ黒で、しかも外に出かけることもできないくらいの大雨。
 そんな日に部屋にいる三人のきょうだいは、それでも
 「なんて いいひ」と楽し気に踊っている。
 これってどうみても、ポジティブでしょう。
 しかも、三人は大雨にも関わらず、外に飛び出してスキップまでしちゃう。
 映画「雨に唄えば」のジーン・ケリーみたいに。

 そんな三人の気分そのままに、空はどんどん明るくなって、
 たくさんの子供たちが野原にやってきます。
 世界はいつのまにか躍動感にあふれかえります。
 大雨が降っても、ポジティブに向き合うと、
 この絵本の子供たちのような命にあふれた生き方ができる。
 子供向けの絵本だけど、
 もしあなたが今大雨に閉じこめられているとしても
 前を向けるそんな一冊。

 日本語訳は、歌人の東直子さんです。
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自信を持っておすすめしたい 春にふさわしい絵本  投稿日:2024/03/20
ちょうちょ はやく こないかな
ちょうちょ はやく こないかな 作・絵: 甲斐 信枝
出版社: 福音館書店
この絵本の作者甲斐信枝さんは
 2023年11月30日に93歳で亡くなっていますが、
 晩年NHKのテレビで自然と向き合う姿を紹介されて、
 たくさんの賛辞を得た絵本作家です。
 その時のドキュメンタリーのタイトルに「足元の小宇宙」とあったように
 甲斐さんの視線はいつも足許をやさしくとらえています。

 この絵本でもそうで、野の花に集まってくる幾種類もの蝶や
 野の花の数々。
 それらの名前をすべていえないのが残念で、
 きっとまだまだ甲斐さんの絵本に教えられることがいっぱいあったのにと思うと、
 やはり残念でなりません。

 春になって、きれいに咲いたからちょうちょが飛んでこないかと待ちわびる野の花。
 でも、ちょうちょはきまって違う花のところにいってしまいます。
 そんな野の花のさびしさがとてもうまく描かれています。
 だからこそ、最後にやっとちょうちょがとまってくれた喜びが
 あふれんばかりです。

 春。
 足元で小さな命の営みが満ちているのを感じたいものです。
 甲斐信枝さんのように。
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自信を持っておすすめしたい 綿毛とばして遊んだことないですか?  投稿日:2024/03/17
たんぽぽ
たんぽぽ 文・絵: 荒井 真紀
出版社: 金の星社
「たんぽぽ」といえば、
 俳人・坪内稔典さんの代表句「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」を思い出す。
 あまりにもユニークすぎて、子供たちのポカンとした顔まで浮かびそう。
 「たんぽぽや日はいつまでも大空に」(中村汀女)あたりがいいだろう。
 春は色々な花が咲きそろう季節だから、桜を筆頭にそれぞれに好みの花がある。
 なかでも、「たんぽぽ」は地面に沿うようにして咲く花だから、
 子供たちの目線に近いこともあって、子供たちが好きな花のひとつにちがいない。

 荒井真紀さんの細密画で描かれた絵本『たんぽぽ』を読むと、
 単に花を愛でるだけでなく、植物がもっている不思議がとてもうまく伝わってくる。
 「たんぽぽ」の場合だと、まず花がどの部分という不思議がある。
 え?! あの黄色いのが花ではないの? って誰もが思う。
 この絵本によると、
 「ひとつのはなにみえますが、たくさんのちいさなはながあつまって」できている。
 その小さな花の根元にふくらみがあって、
 それがやがて綿毛となっていくそうだ。
 ちなみに、俳句の季語ではこの綿毛は「絮(わた)」と呼ばれている。

 荒井さんの絵本ではたくさんの綿毛が見開き2ページ一面に描かれていたりする。
 「たんぽぽ」が子供たちに人気があるのは、
 この綿毛があるからかもしれない。
 ふっと吹く、それはまるでしゃぼん玉遊びみたいだし。
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自信を持っておすすめしたい 図書館で見つけて下さい、あなたの大好きな一冊を  投稿日:2024/03/03
ぼくはなんのほん?
ぼくはなんのほん? 作: カロリーナ・ラベイ
訳: はせがわけい

出版社: 光文社
初めて図書館に行ったのは、いくつだったろうか。
 家の近くに公共図書館はなかったし、学校の図書室にも行かなかった。
 それに、昔の図書館は今のようにきれいでもなかった。
 どちらかというと、暗くて、ちょっと怖い、そんな感じ。
 だから、家族ができて子どもたちを連れていくようになってからが
 私にとっても図書館デビューかも。
 子どもたちが大きくなって、今では一緒に行くことはないが、
 それでも図書館で本を読んでいる親子の姿を見かけると、うれしくなる。
 いい本と出会えるといいな、と思う。

 カロリーナ・ラベイさんが書いた、イギリスの絵本
 『ぼくはなんのほん?』を読むと、
 子どもたちが図書館で楽しむ姿がたくさん描かれている。
 この絵本は、子どもたちがなかなか手にしてくれない忘れられた一冊の本が
 仲間の本たちの協力によって、
 それまで本が好きではなかった男の子の手元に届くお話。
 その男の子はこの忘れられていた本に夢中になってしまうその訳は、
 この本が「恐竜の本」だったから。

 図書館にはたくさんの本が並んでいる。
 最初からこれを読もうと決めている本もあるだろうけど、
 この絵本の中の男の子みたいに偶然出会う、そんな本が
 あなたを夢中にさせることもあるだろう。
 図書館って、そんな出会いを大切にしている場所でもある。
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自信を持っておすすめしたい 発想は少し視点を変えるだけで  投稿日:2024/03/01
星新一ショートショートセレクション(12) 盗賊会社
星新一ショートショートセレクション(12) 盗賊会社 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
『星新一ショートショートセレクション12』(理論社)。
 表題作である「盗賊会社」をはじめとして、18篇の「ショートショート」が収められた、児童書。
 装幀・挿絵(それぞれの作品にひとつ挿絵がついています)は、和田誠さん。

 表題作の「盗賊会社」の主人公は、「盗賊株式会社」の社員。泥棒が営業というから、変わっているが、もしかしたうらやましがる人もいたりするのでは、と主人公は思っている。
 何故なら、平凡な日常にあきあきしている人も多いだろうから。
 ところが、この社員、つらつらと自社のことを書きつらねるのだが、なんだかどこにでもあるような会社組織で、結局は「平凡で退屈で、面白くない」ので転職を考えているという、オチのお話。
 もし、あなたがこの会社の人事担当であれば、転職希望のこの社員をどう引き留めるだろうか。
 こんなふうに星新一さんのお話から少し視点を変えてみると、面白くなるし、新しいお話がうまれる。
 
 星さんのショートショートもそんなふうにして出来上がっている作品もあって、例えばこの巻でいえば浦島太郎伝説を星さん流のお話に作り込んだ「時の人」なんかがそう。
 昔話のように竜宮城から故郷に戻ってきた浦島太郎を待ち構えていたのは、テレビとかマスコミとか大衆の興味。あげくの果てにはスパイ疑惑も。
 誰もが知っている話ながら、視点を少し変えるだけで、星さん流のショートショートが作れるかもしれない。

 発想の着想は無限にあるのかもしれない。
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自信を持っておすすめしたい この絵本の誕生秘話も感動もの  投稿日:2024/02/25
木にとまりたかった木のはなし
木にとまりたかった木のはなし 作: 黒柳 徹子
絵: 武井武雄

出版社: 河出書房新社
黒柳徹子さんの大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』に
 小学生のトットちゃんが一歳年上で小児麻痺だった泰明君と
 木に登る有名な挿話があります。
 泰明君は病気ですから、それまで木に登ったことがありません。
 だから、トットちゃんは泰明君に木の上からの風景を見せてあげたいと思うのです。
 そして、ついに木の上に登った二人。
 そこで、トットちゃんは泰明君から初めて「テレビジョン」という言葉を聞きます。
 『窓ぎわのトットちゃん』でも、とても印象に残る場面です。

 この『木にとまりたかった木のはなし』は、
 木のぼりが好きで木にとまってみたいと思っていた女の子だった黒柳徹子さんが
 初めて書いた絵本です。
 1985年のことです。
 その時は岩崎書店から刊行され、2023年に河出書房新社から新装版として出ました。
 絵は武井武雄さんという画家ですが、
 実は黒柳さんが絵の依頼をしてまもなく武井さんは亡くなってしまいます。
 でも、そこからが不思議なのですが、
 黒柳さんのお話にぴったりの絵が武井さんの作品に何枚も残っていたのです。
 黒柳さんのお話はもちろん武井さんの作品で合わせたものでもなく、
 武井さんの絵も黒柳さんのお話に寄せたものでもありません。
 それでいて、
 木にとまりたいと願った木が鳥たちの協力で次から次へと冒険していく様子が
 とてもうまくひとつの作品になっています。

 黒柳さんのお話もいいですが、
 一冊の絵本が生まれる奇跡のようなお話もまた胸をうつ、
 そんな絵本です。
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自信を持っておすすめしたい 博士の功績が新型コロナウイルスから人類を救った  投稿日:2024/02/18
カタリン・カリコの物語 ぜったいにあきらめない mRNAワクチンの科学者
カタリン・カリコの物語 ぜったいにあきらめない mRNAワクチンの科学者 文: デビー・ダディ
絵: ジュリアナ・オークリー
訳: 竹内 薫
監修: 山内 豊明

出版社: 西村書店
カタリン・カリコ博士が、研究仲間のワイスマン博士とともに
 2023年度のノーベル生理学・医学賞を受賞したニュースは、
 世界中で多くの喝采を得ました。
 もし、二人の研究成果がなければ、私たち人類はいまだに新型コロナウイルスに
 怯える日々を過ごしていたかもしれません。

 『カタリン・カリコの物語 ぜったいにあきらめないmRNAワクチンの科学者』は、
 アメリカのデビー・ダディという女性が
 初めて手掛けた伝記絵本です。
 もちろん、描かれているのは、コロナワクチンに多大な功績があった
 「mRNA」(メッセンジャーRNA)の研究を長年行ってきた
 カタリン・カリコ博士の物語です。
 簡単に博士の履歴を書いておくと(この絵本の巻末にももちろん載っています)、
 博士は1955年にハンガリーで生まれます。
 その後、30歳の時にアメリカに渡りますが、決して順調な生活ではありませんでした。
 それでも「mRNA」の研究をやめることはなく、
 次第にその成果が認められるようになっていきます。
 そして、2020年世界中に新型コロナが感染拡大し、ついに博士たちの研究成果が
 コロナワクチンとして実を結ぶことになります。

 科学の専門用語なども出てきて、取っつきにくいかもしれませんが、
 子供たちが絶対にあきらめないというカリコ博士の思いを感じ取るには
 この伝記絵本は有効かもしれません。
 この絵本を読んで、将来第二第三のカタリン・カリコ博士が誕生すれば
 どんなにいいでしょう。
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