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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい 食欲の秋にふさわしい絵本   投稿日:2026/10/04
おしょくじちゅう ごめんあそばせ
おしょくじちゅう ごめんあそばせ 作: はらぺこめがね
出版社: 岩崎書店
秋を形容する表現といえば「読書の秋」とか「スポーツの秋」などたくさんあります。
 「食欲の秋」という言い方もあって、新米であったり秋刀魚や栗など旬の食べ物が揃う実りの秋に
 食欲が進むという人も多いのではないでしょうか。
 「読書の秋」と「食欲の秋」、二つの秋を満喫したい欲張りな人にもってこいの絵本があります。
 「食べ物と人」をテーマに多彩な活動をしている夫婦イラストユニットはらぺこめがねさんの
 『おしょくじちゅうごめんあそばせ』です。

 この絵本では、プリンやスパゲッティ、カツカレーといった食べ物のイラストが満載。
 それらの食べ物の食事中に「ちょっと ごめんあそばせ」とどんな人が食べているのか問いかけて、
 ページをめくると食べている人の正体がわかる仕掛けになっています。
 はらぺこめがねさんは絵本の世界でさまざまな賞を受賞されていますが、
 この絵本でもうまいなぁと感じたのがさんまの絵。
 ただし、きれいに食べ終わった骨だけのさんまですが、それでも見てておいしさが伝わってきます。
 絵にしろ写真のしろ、おいしさを伝えるのって難しい。
 はらぺこめがねさんの絵はその難しさを巧みに超えていて、
 きっと料理だけでなく食べることもお好きなことがわかります。

 ところで、「ちょっと ごめんあそばせ」と問いかえているのは誰かというと、
 最後のページにその正体が判明します。
 そういうユーモアも、はらぺこめがねさんの魅力です。
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自信を持っておすすめしたい れいんさんもおお忙し   投稿日:2026/09/27
ぜんぶやりたい まにちゃん
ぜんぶやりたい まにちゃん 作: くどうれいん
絵: 及川 賢治

出版社: Gakken
くどうれいんさんは欲張りです。
 短歌を読む歌人であったり、エッセイを綴るエッセイストであったり、
 小説を書く作家であったり、絵本の文まで書いたりするのですから。
 そんなくどうさんが書いた絵本が『ぜんぶやりたいまにちゃん』。
 これって、どこから見ても「全部やりたりれいんちゃん」でしょう。
 しかも、及川賢治さんの描くまにちゃんの顔がくどうさんに似ていたりして(笑)。

 まにちゃんは、毎日ちがうお仕事をしています。
 月曜は歌手で、火曜は消防士、水曜は水泳選手、木曜は羊飼い、金曜は絵描き、土曜はヨット乗り、
 そして日曜日、一人で野球がしたくなって、分身の術が使える忍者になります。
 町の人はそんなまにちゃんに「どれが一番大事なの?」とききます。
 でも、まにちゃんは全部やりたいことだし、全部楽しいのです。
 「ひとつにきめないといかないの?」

 くどうさんは自身が活動している姿と思いを、きっとまにちゃんに託したのですね。
 やりたいことがたくさんあって、元気に動くまわる姿を見ていると、
 まわりの人たちにも元気が伝染していくように思えます。
 まにちゃんの絵本を読んだ子供たちが、書いたくどうさんもまにちゃんによく似た人だと知ったら、
 くどうさんの歌とかエッセイ、小説なんかも読んでみたくなるといいな。
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自信を持っておすすめしたい まぐろでも握ってもらおうか   投稿日:2026/09/20
みんなのおすし
みんなのおすし 作: はらぺこめがね
出版社: ポプラ社
握りすしには今でも高級なイメージがありますが、
 随分気軽に口にすることができるようになったのは回転すしの普及も大きいでしょう。
 でも、やっぱりカウンター越しにすし職人さんの粋な握りを見ながら注文したいもの。
 「そうだな、まぐろでももらおうか」なんて。

 そんなおすし屋さんが絵本になったのが、はらぺこめがねさんの『みんなのおすし』。
 はらぺこめがねさんは、「食べ物と人」をテーマに、絵本などを手掛ける、
 原田しんやさんと関かおりさんの夫婦イラストユニット。
 いつもながらの、おいしい絵が満載。
 見ているだけで、おなかが膨れそうになります。

 でも、はらぺこめがねさんの食べ物絵本はおいしいだけではありません。
 ちょっとひねったユーモアが隠し味になっています。
 この絵本でいえば、おすし屋さんにやってくるお客さんたちが、少し変。
 最初は普通ですが、そのうちにあれ? この手は、もしかしてカッパ?!
 注文するのは、やっぱりかっぱまき。
 次にくる、毛深い手とするどい爪のお客さんが頼むのは、お肉。
 この客、オオカミでした。

 こんなふうにちょっと変わったお客たちがやってくるこのおすし屋さん。
 最後には、店主の正体も明かされることに。
 つい、「あがり(お茶のこと)、下さい」と、言い忘れました。
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自信を持っておすすめしたい 星野道夫さんから届けられた手紙のように   投稿日:2026/09/13
森 へ
森 へ 文・写真: 星野 道夫
出版社: 福音館書店
最近彼の名前をよく目にすることに気がついていました。
 テレビの番組であったり、雑誌の特集であったり。
 そうか、彼が亡くなって30年なのか。
 彼の名前、星野道夫。
 星野さんが亡くなったのは1996年8月。
 まだ43歳の、ヒグマに襲われてのあまりに早すぎる死でした。

 写真家星野道夫さんが写真だけでなく、その文章にも多くのファンがいることは知っていましたが、
 実際星野さんの写真やエッセイに夢中になったのは、
 地方の百貨店での企画催事で星野道夫展を見てからです。
 その時には星野さんの絵本『クマよ』の読み聞かせなどもありました。
 その絵本と同様、今でも広く読まれているのが、この『森へ』でしょう。
 福音館書店の「たくさんのふしぎ傑作集」の一冊として刊行されたのが1996年9月。
 この絵本も30年になります。

 絵本としては、長い文章で綴られています。
 それでも、小学生の中学年であれば読めるはずです。
 なぜなら、星野さんの文章はとてもやさしく書かれているからです。
 久しぶりに手にして思ったことは、星野さんの文章がこれほどにやさしく書かれているのは、
 まるで誰かに宛てた手紙のような文章だからではないでしょうか。
 絵本を読む自分に宛てられた、星野さんからの手紙。
 そして、添えられたたくさんの写真。

 こんなところでクマと出会ったよ。
 クジラにも会ったよ。
 森の中で朽ちかけたトーテムポールを見つけたよ。
 星野道夫さんは、今でも、やさしく手紙を送り届けてくれているようです。
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自信を持っておすすめしたい どんなオチがお気に入り?   投稿日:2026/09/06
死神
死神 作: 川端 誠
出版社: ロクリン社
絵本作家川端誠さんによる「落語絵本」シリーズの一冊。
 『死神』は三遊亭圓朝作の人気落語で、
 人気の秘密には演じる噺家さんによって、少しずつそのオチが違うということもあるのでしょう。

 そのオチにいたるまでの話というと、
 貧乏暮らしの男のところに死神が現れて、金儲けを教わることになります。
 その儲け話とは、医者になって病人のところに行く。
 病人の足元に死神がいたら呪文を唱えると死神は消え、病気は快復。
 枕元に死神がいたら、病気は治らない。
 さっそく男は実践すると、死神に教えられたとおり。
 お礼だとたくさんのお金が転がり込んでくることになります。
 ところが、最後につまづいて、死神の教えを逆手にとった裏切り行為を犯してしまいます。
 怒った死神に男はたくさんのろうそくが立つ穴倉に連れていかれます。
 男の前には、お前の寿命だという短いろうそくが。
 さあ、どうなる?

 これからが、オチ。
 川端さんは柳家小三治さんのオチを使っています。
 「絶品」だと川端さんがいうオチは、ぜひ絵本で味わってみて下さい。
 小三治さんのオチ以外に、どんなオチで語られているのか調べてみるのも
 面白いかもしれません。
 できれば、命のろうそくの火が消える前に。
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自信を持っておすすめしたい 時代小説もあったりして   投稿日:2026/09/01
星新一YAセレクション(10) うらめしや
星新一YAセレクション(10) うらめしや 作: 星 新一
絵: 和田 誠

出版社: 理論社
 『星新一YAセレクション10』(理論社)。
 表題作である「うらめしや」をはじめとして、8篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
 ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
 装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。

 「YAセレクション」の最終巻であるこの本の収録作品は8篇と、これまでのどの巻よりも少ないのは、「ショートショート」というよりも短編に近い作品も入っているからだ。
 しかもそれが「時代小説」というから面白い。
 3つの「時代小説」うち、ひとつが「元禄お犬さわぎ」。タイトルでわかるように、徳川綱吉の生類憐みの令の時代を巧みな知恵で生き残った男たちの姿をコミカルに描いて、あの時代をコンパクトにまとめた作品に仕上がっている。
 もちろん重厚にあの時代を描いた正統「時代小説」はあるだろうが、その入り口の作品として読むのもいい。
 まさに「ヤングアダルト」向け「時代小説」といえる。
 2作めは「藩医三代記」。地方の小さな藩の、わずか50石の禄高でしかない藩医の親から子、そして孫にわたる壮大な物語。壮大な、と書いたが、そこは星さんの「ショートショート」の類であるから、決して長くはない。それでいて、壮大であるから不思議。
 3つめは「紙の城」。江戸時代の書物方同心の、犯罪めいた姿を描いていて、物語の陰影が濃い作品。これなどは長い作品で読むと面白いだろう。

 そんな「時代小説」を楽しめる、珍しい構成の巻に仕上がっている。
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自信を持っておすすめしたい 図書館で働く人たちはヒーロー   投稿日:2026/08/30
希望を運んだ図書館 馬に乗って本をとどけた女性たち
希望を運んだ図書館 馬に乗って本をとどけた女性たち 作: ローレン・H・カースティン
絵: ベッカ・スタッドランダー
訳: 中井 はるの

出版社: くもん出版
 「世界中のすべての図書館で働くみなさんへ
 子どもたちに本をとどけるために、たゆまず奮闘しているあなたたちは、ヒーローです!」
 これは絵本『希望を運んだ図書館』の文を書いたローレン・H・カースティンさんが、
 作品の冒頭に綴ったメッセージです。
 図書館をよく利用するものとして、カースティンさんの言葉とともに、拍手を送ります。

 この絵本には副題がついています。
 「馬に乗って本をとどけた女性たち」。
 表紙を見ると、(絵を描いたのはベッカ・スタッドランダーさん)確かに女性が馬に乗っています。
 その後ろにはたくさんの本が積まれているのもわかります。
 これは1930年代のアメリカに本当にあった女性の「騎馬図書館員」さんたちの物語です。
 当時のアメリカの山あいの町や村には、図書館がありませんでした。
 それに経済不況で女性の働き口もありませんでした。
 そこで、考えだされたのが、女性が馬に乗って図書館のない町や村に本を届けるということです。

 でも、本自体がなかったので、寄付で集めたり手作りで本をこしらえたりもしました。
 集まった本を届けるのも大変でした。
 大きな川を越えないといけないところも、雪深いところも、
 彼女たちは懸命に馬に乗って本を届けていきました。
 これは、そんな彼女たちの物語です。

 最後のページにはこんな文章が添えられました。
 「馬に乗って、希望をとどけたのです。」
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自信を持っておすすめしたい これもぜひドラマ化をお願いします   投稿日:2026/08/21
団地のさんにん
団地のさんにん 著: 藤野 千夜
絵: 北澤 平祐

出版社: U-NEXT
NHKBSで放送されていたドラマ「団地のふたり」を欠かさず見ていた娘に、
 「こんな本、出たんだよ」と教えてあげたら、
 「あ、なっちゃん、ついに絵本描いたんだね」とすぐさま嬉しそうに手にとった。
 おい、おい、それって、確かにドラマの中では将来は絵本を作ってみたいと言っていたようですが、
 それはあくまでもドラマの話。
 実際そうだったら、面白い。
 【文】はやはり藤野千夜さんで、【絵】は桜井奈津子(これがなっちゃんの本名)だったら、いいのに。
 でも、やはり北澤平祐さんですよ、この絵本は、念のため。

 この絵本『団地のさんにん』は、
 団地の中にあった保育園で仲良しになったノエチとなっちゃん、
 それとドラマの中で幼くして亡くなってしまうそらちゃんが主人公。
 『団地のふたり』はノエチとなっちゃんが主人公の物語だが、
 この絵本では二人がしっかり大人になっても忘れられないそらちゃんも登場。
 ああ、三人はこんなに仲がよかったんだ、ってうれしくなってしまう。
 それに、ノエチの兄の「あつ兄」(絵本では小学六年生)も登場。

 この絵本がドラマになることはないかもしれないが、
 できれば見たい。
 なんとかなりませんか、NHKさん。
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自信を持っておすすめしたい 戦争はきっととめられる   投稿日:2026/08/16
ぼくたちは、あらそうために生きるのか?
ぼくたちは、あらそうために生きるのか? 作: 山極 寿一
絵: あべ 弘士

出版社: 偕成社
 世界中の、おそらく多くの人たちが、戦争はよくないと思っているだろう。
 この世界から早く戦争がなくなればいいと願っていることだろう。
 でも、実際は今でも世界のあちこちで戦争があって、いざこざが起こっている。
 人類は進化してきたはずなのに、争いが絶えないのは、何故だろう。
 『ぼくたちは、あらそうために生きるのか?』、この絵本のタイトルが胸にどんと響いてくる。

 文を書いたのは、ゴリラ研究の第一人者である山極寿一さん、
 絵を描いたのは動物絵本で多くのファンをもつあべ弘士さん。
 なんとも贅沢なタッグだろう。
 山極さんの文章は絵本の文というより、とても丁寧でやさしく書かれたエッセイのよう。
 ゴリラの生態と人間の進化の過程を比較しながら、
 人間は決して争いを好む動物ではないと説明してくれる。

 人間には相手のことを知りたい、わかりたいという力があると、山極さんはいう。
 だから、「あいての気持ちをわかろうとする共感の力が、ぼくたちヒトの本能であるかぎり、
 いつかきっと、戦争のない世界をつくることができるはずだ。」
 単に叙情に流されるのではなく、実に知的に構成された文章の力に打たれる。
 そして、あべさんの絵も、そんな山極さんの文章を巧みに再現したものになっている。

 戦争をしない。
 戦争をとめる。
 きっと、いつか人間ならできるはず。
 山極さんとあべさんの強いメッセージだ。
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自信を持っておすすめしたい 鎮魂の八月に読みたい絵本   投稿日:2026/08/09
もんぐらかっつあんの歌
もんぐらかっつあんの歌 作: 飯野 和好
出版社: 童心社
八月は鎮魂の月です。
 お盆には亡くなった人たちの御霊を思い、
 広島長崎と原爆によってたくさんの命が犠牲になり、
 ようやくにして長い戦争が終わったのも、八月です。
 なので、どうしても八月になると、戦争で犠牲になった人たちのことを思っていまいます。
 映画やドラマ、あるいはドキュメントなどで戦争が取り上げられることも多い。
 飯野和好さんの絵本『もんぐらかっつあんの歌』もそんな一冊です。
 でも、飯野さんは声高に戦争やそのことで犠牲となった人たちを描いているわけではありません。

 絵本に登場する「もんぐらかっつあん」は、飯野さんが子供の頃、
 故郷埼玉県の長瀞町の駅前広場でよく見かけた不思議なおじさんのことです。
 おじさんは町なかでゴミを拾い集めて、駅前のゴミ箱に捨てていきます。
 子供たちが「おーい、もんぐらかっつあん」と呼びかけると、
 いつもひょうきんなおどりでこたえてくれます。
 おじさんは東京の人で、戦争で南の島に送られ、大変なめにあって帰ってきたといいます。
 でも、帰ってきても、空襲で家も家族もなくなっていました。
 おじさんはそれから放浪の旅に出たそうです。

 「とにかく戦争はだめだ」
 おじさんはいいます。
 そんなおじさんが月夜の夜、川で魚たちと戯れる場面こそ、
 いのちの賛歌といえます。
 生きていることを全身で表現する、もんぐらかっつあん。

 そのあとで、もんぐらかっつあんは長瀞の町からいなくなります。
 不思議なおじさんのことを思いつつ、
 飯野さんはこの絵本を祈るように描いたように思えてなりません。
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