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夏の雨

パパ・70代以上・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい いろんなもの見つけよう   投稿日:2015/06/05
カワセミ 青い鳥見つけた
カワセミ 青い鳥見つけた 文・写真: 嶋田忠
出版社: 新日本出版社
 第15回日本絵本賞。その大賞に選ばれたのが、本書『カワセミ 青い鳥みつけた』です。

 著者の嶋田忠さんはベテランの写真家で、この本は絵本というより、写真集という方が適切かもしれません。でも、コバルトブルーに輝くカワセミの写真につけられた嶋田さんの文章がとてもいいんです。子どもたちが川から突き出た石の上ですましているカワセミや川に勢いよくダイブしている写真に夢中になっているそばで、声にだして読んでみてください。
 それは単にカワセミの習性をつづったものではなく、嶋田さんがどうしてカワセミに夢中になっていったのか、カワセミの写真を撮るのにどれほど苦労したか、そしてどんな工夫で水中のカワセミの様子を写真におさめることができたのかが、平易な文章でつづられています。
 水中カメラが濡れないような専用ケースがあるのですが、嶋田さんは正直に「でも、高くて買えません」と書いています。嘘をつかない文章が子どもたちを夢中にさせます。

 この本を読み終わった子どもたちは、カワセミを見たいと思うでしょう。しかし、子どもたちの夢はカワセミだけではないはずです。プロ野球選手、漫画家、宇宙飛行士、写真家、会社員、いっぱいいっぱい。
 その夢を実現させるために、あきらめないこと、がんばること、工夫すること、そんなことに気づくのではないでしょうか。
 なにしろ、「青い鳥」は幸福のシンボルなのですから。
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自信を持っておすすめしたい みんなの図書館   投稿日:2015/06/04
としょかんライオン
としょかんライオン 作: ミシェル・ヌードセン
絵: ケビン・ホークス
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
 私が子どもの頃は、子どもの定義があるでしょうが十歳前後だとしたらかれこれ四十年以上前の頃ですが、図書館はとても怖い場所だったような記憶があります。
 薄暗くって、本の黴くさい匂いが漂っていて、時々きっとこちらをにらみつける気の強そうな司書さんがいたりして。
 ところが、今はすっかり雰囲気が変わりました。明るい採光、きれいな本。笑顔あふれる司書のおねえさん。
 なんと幸せところでしょう。一日いても飽きません。
 それに、やさしくて気立てのいいライオンがいたら、もっといい。
 だって、そこは、みんなの図書館なんですから。

 現代の図書館だって、たぶんまだまだ不満はある人はいると思います。
 勝手きままに走り回る子どもたち、それに注意もしないお母さんやお父さん。閲覧机を占領する学生たち。こっそり図書館の資料を切り取る人たち。愛想のない司書たち。読みたい本が所蔵されていなかったり、ベストセラーばかりがあったり。
 それに、やさしくて気立てのいいライオンもいません。
 みんなの図書館なのに、どうしてでしょう。

 私は、それでも図書館が好きです。
 子どもの頃にように、もう怖くもありません。とぼしい予算のなかで図書館のみなさんがいろんな工夫をしてくれています。
 それに、図書館にいると、やさしくて気立てのいいライオンだけでなくて、海から顔をのぞかせるクジラにも、野原を走るオオカミにも、昔のとっても偉い人にも、未来のかわいい少女にも出会うことができます。
 だって、そこは図書館なんですから。

 この絵本を読んで、そんなことを思いました。
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自信を持っておすすめしたい はたけしごとも食育   投稿日:2015/05/31
くんちゃんのはたけしごと
くんちゃんのはたけしごと 作・絵: ドロシー・マリノ
訳: 間崎 ルリ子

出版社: ペンギン社
 「食育は、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができるようにするために重要なテーマです」なんて、仰々しい文章が内閣府のHPに書かれています。
 簡単にいえば、私たちが日頃食べているそのことを大事にしようということだと思うのですが、食べることだけでなく作られて私たちの食卓にのぼる、そういうことにも関心を示しなさいみたいなことです。
 だからなのでしょうか、私が借りている菜園には小さな子どもさんがいる家族がたくさん参加しています。野菜を育てることで、食に関心をもってもらいたいという親心なのだと思います。
 そんな家族を見ていると、子どもたちの目が輝いているのがわかります。
 人間って、やはり、小さい時から土になじませ、動物や植物を愛するように育てるのは大切なんですね。

 ドロシー・マリノが描いた、こぐまのくんちゃんを主人公にしたシリーズの一冊であるこの絵本も、自然に触れることで成長するくんちゃんの様子が描かれています。
 お家にいるとおかあさんのじゃまばかりしているくんちゃんはとうとうおかあさんから「おとうさんのはたけしごとでもおてつだいしたら」と、家から追い出されてしまいます。
 ところが、はたけしごとを手伝うどころかおとうさんのじゃまばかり。
 おとうさんばならした土をひっかきまわしたり、草に水をあげたり、花を抜いてしまったり。そのたびに、おとうさんは「ちがう、ちがう!」っておおあわて。
 くんちゃんははたけのはしにすわって、おとなしくおとうさんのすることをじっとみることにしました。
 しばらくすると、くんちゃんはちゃんとたねをまいたはたけに水をあげれるようになりました。草も抜けました。
 おとうさんから「なかなかうまいじゃないか」とほめられて、くんちゃんの顔はぱっと輝きます。

 この絵本が日本で出版されたのは1983年ですから、もう30年以上も前のことです。色づかいも黒と緑だけで派手なところはありませんが、とてもわかりやすい絵本です。
 この絵本で育てられた子どもたちがちょうど次の子どもたちの食育などを考える年齢になっているのではないでしょうか。
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自信を持っておすすめしたい 夏野菜の王様   投稿日:2015/05/24
ハナちゃんのトマト
ハナちゃんのトマト 作: 市川 里美
出版社: BL出版
 これぞ夏野菜の定番といえるのが、トマトです。
 トマトは17世紀半ばに日本に伝わりましたが、最初は「唐柿」と呼ばれていたそうです。確かにどことなく柿に似ていなくもありません。
 食べ物として定着していくのは昭和になってからといいます。最初は鑑賞用でした。
 野菜には一つの品種で色々な仲間がありますが、トマトは原則その大きさによります。大玉トマト、中玉トマト、そしてミニトマトといったように。
 私の菜園では今大玉トマトとミニトマトを栽培しています。この時期(5月中旬)にかわいい黄色い花を咲かせます。

 そんなトマトの絵本がありました。
 市川里美さんの『ハナちゃんのトマト』。タイトルの通り、ハナちゃんという女の子がお父さんにトマトの苗を買ってもらって、それを夏休みの間田舎のおばあちゃんの畑で育てるというお話です。
 トマトの葉を虫に食べられたり、台風がやってきたり、ハナちゃんの気苦労は絶えません。
 特に台風がやってくる場面、「はたけのようすをみにいかなくちゃ」と、あわてているハナちゃんの気持ちはよくわかります。
 自分が育てているということは、しかもハナちゃんのように、栽培初心者にとっては台風なんてとんでもない出来事です。
自分のこと以上にトマトのことが気になります。

 そういう心配があって、収穫時のうれしさは倍増するのです。
 自分の苗から赤い実をつけたトマトをほおばるハナちゃんの、満足そうな顔といったら。
 「おひさまのあじがする!」なんて、喜んでいます。
 トマトって、その赤い色という点では得をしています。
 もし、明治の時代にもっと普及していたら、夏目漱石の『坊っちゃん』に「トマト」とあだ名される教師が登場してもよさそうだし、クライマックスの生卵投げ事件もトマト投げであれば、もっと面白かったかもしれません。

 ハナちゃんはいなかのおばあちゃんに栽培の苦労だけを教えてもらったのではありません。
 収穫した野菜を食べることも、ちゃんと教わります。
 食して初めて野菜の良さがわかるのではないでしょうか。
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自信を持っておすすめしたい けんこう美人に早く会いたい   投稿日:2015/05/17
やさいむらのなかまたち 夏
やさいむらのなかまたち 夏 作・絵: ひろかわ さえこ
出版社: 偕成社
 家の近くで農園の貸出事業が始まったので、この春から小さな菜園を始めた。
 となると、夏の野菜、つまり夏に収穫される野菜の栽培から始めることになる。
 畝作り、種まき、苗植え、間引き、防虫ネット掛けと、今までしたことばかりの連続で、楽しんでいる。
 春に種を蒔いたラディッシュは一ヶ月で収穫となった。
 今は花をつけだしたトマトやなすびの苗を見て、どんな実になるかと、胸ふくらませている。

 そんな日々だから、絵本をさがすにしても、つい野菜の絵本はないかと、そんな目になっていて、見つけたのが、この絵本。
 ひろかわさえこさんの「やさいむらのなかまたち」。「春・夏・秋・冬」の4冊シリーズになっている。
 このシリーズの特長は、なんといってもひろかわさんのイラストがかわいいことだろう。
 野菜というのは、それぞれに形状的な特長があるが、その特長をうまくとらえている。
 例えば、この「夏」編でいえば、トマト。
 「やさいむらのとまとさんはスポーツだいすきな、けんこう美人」と擬人化されている。
 バーベル運動をして、顔を真っ赤にさせている「とまとさん」。
 うまく特長をとらえている。
 加えて、「トマトのルーツ」であったり、「トマトの栄養」であったり保存方法であったりが、ミニ情報として収められている。
こういうかわいいイラストとともに読むと、野菜に親しむのではないだろうか。
 実際私が借りている農園でも親子連れの姿をよく見かける。
 「食育」ということがしきりにいわれるが、土と苗に接することで、野菜との距離がうんと近くなる。

 この「夏」編では、まさに今私が育てている野菜たちがほぼ全員紹介されている。
 「けんこう美人」のトマト、「ぴっかぴかのえがお」のピーマン、「やさしくてしんせつ」ななすび、「ねくらではない」オクラ、「おしゃれ」なきゅうり、「ひそかなにんきもの」にんにく、「シンデレラになることをゆめみて」いるかぼちゃ、「おんがくずき」なとうもろこし。
 オクラとにんにく、かぼちゃは、私の栽培リストにはないが。
 この絵本のような、かわいい実がなるか、ますます期待がましていく。
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自信を持っておすすめしたい 今日もコロッケ 明日もコロッケ   投稿日:2015/05/10
コロッケです。
コロッケです。 作: 西村 敏雄
出版社: Gakken
 子どもの頃だから、昭和30年代だが、「コロッケの唄」というのがあった。
 この絵本を読んで、その当時の歌を調べてみると、五月みどりさんが歌ったものが出てきた。作詞作曲は浜口庫ノ助さん。
 「こんがりコロッケにゃ 夢がある/晴れの日 雨の日 風の日も/(中略)/今日もコロッケ/明日もコロッケ/これじゃ年がら年中/コロッケ コロッケ」
 「今日もコロッケ/明日もコロッケ」という歌詞の部分が記憶にある。
 こういう歌が唄われたぐらいだから、日本中でコロッケを毎日食べている人が多かったということだろう。
 おやつにコロッケを食べていたように思う。
 確か5円ぐらいではなかった。
 そんなコロッケだが、あれから半世紀経っても、いまだに愛される食べ物にちがいない。
 この『コロッケです。』は2015年に刊行された、ほかほかの作品なのだから。

 作者の西村敏雄さんは1964年生まれの絵本作家。
 その絵柄はどちらかといえば、ほんのり系。それがコロッケという題材に合っている。
 町のコロッケ屋さんの店先から、ある日、「どこかあそびにいきたいな」と一個のコロッケが逃げ出すところから、始まる。
 まるで、「およげ! たいやきくん」のようなシチュエーション。
 海に飛び込んだ「たいやきくん」と違って、コロッケは子どもたちがキャッチボールをしている公園や動物園の猿やまにまぎれこんだり。
 町から離れて村のじゃがいも畑にも行ってしまう。
 そして、最後にはロケットに乗って、月面まで。
 最後の場面は月の上で舌を出しているコロッケだが、それを見上げている人々の表情がいい。
 誰も怒ったりしていない。
 ちょっとはびっくりしているが、何故かにこにこしている。
 それくらい、この国では愛されている食べ物なんだ。

 そんな町の人々を見て、この絵本が妙に懐かしいわけがわかった。
 彼らが着ている服が、昭和風なのだ。
 この物語は、西村さんが子どもの頃に夢見たままなのかもしれない。
 きっと、西村さんも「今日もコロッケ/明日もコロッケ」で育ったのだろう。
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自信を持っておすすめしたい やさいだけではなく   投稿日:2015/05/03
ウルフさんのやさい畑
ウルフさんのやさい畑 作: クレイアー・ボーリエー
絵: カンタン・グレバン

出版社: 小峰書店
 オオカミはいうまでもなく肉食動物です。
 それでも、この絵本のように、肉食をやめて、草食に宗旨変えする人(オオカミですが)もいます。
 名前は「ウルフ」さん。
 ウルフさんが肉食をやめてやさいを作ろうとしたのには、理由があります。
 人(オオカミですが)が自分の性向を変えようとするのは、きっかけがあります。そのきっかけが大きいほど、変化は有効かもしれません。
 ウルフさんのように。

 ウルフさんの場合、冬になんのえさ(その頃は肉食ですから動物たちです)もとれずに、ひもじい思いをしたことがきっかけになりました。
 「いまのままじゃ、だめだ」とやさい畑をつくることにしたのです。
 オオカミにとっては一大決心です。
 だから、周りの動物たちも興味深げに見ています。
 どこかでオオカミの本性に戻るんじゃないかって。でも、ウルフさんはまじめにやさい畑で働きました。
 そして、ウルフさんのやさい畑にはトマト、カボチャ、えんどうまめなどたくさんのやさいが実をつけました。

 絵本ですから、収穫までの時間ははぶかれています。
 本当はやさい作りはがまんと辛抱なんですよね。
 だって、種を蒔いたからといって、次の日に実がなるわけではありません。
 もし、この絵本を子どもたちと一緒に読むことがあったら、そのことを教えてあげて下さい。
 ウルフさんは毎日精を出して働いたということを。
 そうすると、ある日、やさい畑を荒らされてウルフさんの気持ちがもっとよくわかるかと思います。
 この時が、ウルフさんの肉食動物に戻る一番あぶない瞬間でした。

 しかし、ウルフさんは辛抱します。
 もっといい方法でやさい畑を荒らすのはよくないと気づかせる方法を見つけたのです。
 それは、「育てる」ということの意味でした。
 はたけを荒らした動物たちにやさいの種を持ってこさせて、ウルフさんは許します。
 種が育つにはたくさんの時間が必要です。
 ウルフさんが森の動物たちと仲良くなるのも時間が必要だったのです。

 「ウルフさんのやさい畑」はそんな大事なことを教えてくれる、畑になりました。
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自信を持っておすすめしたい 大阪弁では「まねしごんぼ」    投稿日:2015/04/26
まねしんぼう
まねしんぼう 作: みやにし たつや
出版社: 岩崎書店
 私が育った大阪・岸和田では、「まねしんぼう」のことを「まねしごんぼ」と言った。
 調べると、関西のほかの地域でもそう呼んでいたようで、うれしくなった。
 「まねしごんぼ、まねしごんぼ」と揶揄するように使っていたように記憶している。
 さしずめ、みやにしたつやのこの絵本でいえば、「ぼくのいもうとはまねしごんぼなんだよ」ということになるのだろう。

 開いたページの左側に、「ぼく」。右側にまねしんぼうの「いもうと」。
 その真似がちょっとどこかおかしいのが、ユーモラスに描かれている絵本。
 例えば、最初の真似は「ジャンプ」。
 「ぼく」が跳び上がっても、真似をする「いもうと」は全然跳び上がれない。
 「ぼく」が「おしっこ」とトイレにいくと、真似をする「いもうと」はおむつの中におしっこをしてしまう。
 そんな兄妹の光景が、なんとも微笑ましい。
 きっとお兄ちゃんの「ぼく」からすると、真似ばかりする「いもうと」が鬱陶しいにちがいない。
 それでも、「さんぽにいってくる」という「ぼく」に、「おさんぽいってくる」と真似しながら、兄の手をぎゅっとにぎってくる「いもうと」がかわいくないはずがない。

 ユーモラスな「いもうと」の「まねしんぼう」の姿を描きながら、みやにしはなんとも微笑ましい兄妹の姿を描いている。
 そこにみやにしの観察の素晴らしさを発見する。
 頭でだけでは描かない世界といっていい。
 みやにしの私生活は知らないが、どこかで兄弟(あるいはこの絵本のように兄妹だったかもしれないが)のそんな光景を目にしたのであろう。
 絵本だからといって、すべてが絵本作家の頭の中にあるわけではない。
 その作品のきっかけになるようなことを、作者は目にし、それを膨らませていったのではないだろうか。

 こういう絵本を読むと、兄弟(それは姉妹かもしれないし、この絵本のように兄妹かもしれないし、姉弟かもしれないが)は悪くないと思う。
 きょうだいがいることで、多くのことを学ぶことがあるのだろう。
 もちろん、時には嫌なこともあることを、三人兄弟の次男坊である私は知ってもいるが。
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自信を持っておすすめしたい 本は私たちの、ずっと友だち。   投稿日:2015/04/19
カエサルくんと本のおはなし
カエサルくんと本のおはなし 文: いけがみ しゅんいち
絵: せきぐち よしみ

出版社: 福音館書店
 新学期が始まって、まだまだ新しい友だちにもなれないという人も多いと思います。
 新入生の人であれば、職員室とか音楽室の場所を覚えるだけでも大変かも。
 図書室はどこにあるか、調べてみましたか?
 学校には図書室といって、たくさんの本が並んでいる部屋があります。街の図書館もいいけれど、せっかく学校に通うのですから、学校の図書室の場所くらいは覚えましょう。
 そこに行くと、たくさんの本が並んでいると思います。
 私たちは生まれた時から本がありますから、そのことに何の疑問も感じないですが、大昔には今のような本はありませんでした。
 じゃあ、本はどのようにして出来たのか。
 この絵本はそのことを教えてくれます。

 タイトルに「カエサルくん」とありますが、紀元前の英雄です。
 「シーザー」と呼ばれることもあります。
 ある日学校の図書室で本を借りようとしていたしょうた君が取り出した本から、突然飛び出してきたのが「カエサルくん」だったのです。
 「カエサルくん」はしょうた君に本のことをあれこれ教えてあげようと、本の中から飛び出したのです。
 「カエサルくん」は、「本が、今の冊子の形になるまでには。長い長い物語があるのじゃよ」と、しょうた君に話しかけてきました。

 どうして、本ができたのか。
 「カエサルくん」はこんなことを言っています。
 「たいせつなことを正確にずっと先まで伝えたい」、そういう思いが文字を生み出し、本となったというのです。
 「カエサルくん」の話の途中に印刷術を発明したグーテンベルグさんとか冊子の本を完成させたアルドゥスさんが登場します。
 「カエサルくん」もそうですが、この二人のことも詳しく知りたくなれば、学校の図書室に行って調べるといい。
 もし、知らべ方がわからなかったら、司書という先生がいるだろうから、聞いてみよう。

 本から飛び出した3人は現代の電子書籍のことまで話をしています。
 学校の図書室に電子書籍があることはまだ少ないでしょうが、いずれ何年かしたらそういう時代も来ると思います。
 どのような形であれ、本は私たちの、ずっと友だち。
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自信を持っておすすめしたい 私もうんとおおきくなりましたが    投稿日:2015/04/05
おおきくなるっていうことは
おおきくなるっていうことは 作: 中川 ひろたか
絵: 村上 康成

出版社: 童心社
 金子みすゞの詩に「もしも、母さんが叱らなきや、咲いたさくらのあの枝へ、ちよいとのぼつてみたいのよ。」で始まる「さくらの木」という作品があります。
 「もしも誰かがみつけなきゃ、ちょいとのぼつてみたいのよ。」で、終わります。
 春になって、ちょっと楽しい気持ちに弾む女の子の心情がわかる、詩です。
 春が来て、この女の子も少しだけ大きくなったのでしょう。

 この絵本にも、金子みすゞの詩のようなくだりがあります。
 「おおきくなるっていうことは まえよりたかいところにのぼれるってこと」。
 文は保育士の経験もある中川ひろたかさん。
 この文章には大きな松の木を高い枝に腰かけている男の子の絵がついています。
 絵は村上康成さん。この絵本全体がやさしいのは、村上さんの絵の魅力も大きい。
 ページをめくると、こうあります。
 「おおきくなるっていうことは たかいところからとびられるってこと」。
 もちろん、村上さんの絵は、高い木から飛び降りている男の子です。
 でも、「おおきくなるっていうことは」それだけでは、ありません。
 次のページで、中川さんはこう綴っています。
 「とびおりてもだいじょうぶかどうか かんがえられるってことも おおきくなるっていうこと」。
 金子みすゞの詩の女の子も、「もしも誰かがみつけなきゃ」さくらの木にのぼりたいと思ってはいますが、そうはしない。
 のぼらなくても、彼女は遠い町のようすが見えるだけ、大きくなっているのです。

 人は毎年ひとつずつ大きくなります。
 背丈が伸びるのは若い時だけですが、生きていくという経験が人をいつまでも大きくします。
 中川さんは、こう結んでいます。
 「おおきくなるっていうことは じぶんよりちいさいひとがおおきくなるってこと」「おおきくなるっていうことは ちいさなひとにやさしくなれるってこと」。
 幼稚園でしょうか、やさしそうな園長先生が子どもたちにそう話しかけています。
 でも、それは子どもたちだけではありません。
 みんながみんな、「おおきくなるっていうことは」、どういうことかを考えるということです。
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