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極彩色の人間ドラマ 悲喜劇こもごも
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投稿日:2023/09/26 |
インドで、路上で無料の図書館を長年行っているおじさんと、常連客の少女の話。
無料で文字を教えたり、教育が受けられなかった人たちのサポートをしている「まちかど図書館」のおじさん。
毎日1冊は本を読むことを楽しみにしている少女と、その友達たち。
学校の先生、アパートの住民、バスの運転手、選挙に立候補している人たち…それぞれの人生が鮮やかに目の前に広がり、それぞれの思いや、野望、来し方までもが見えてくる。
思ったことをはっきり表現して、人生を楽しみ、自分の哲学や大事にしているものをしっかり持って生きているインドの人々が、生き生きと描かれている。
お話は、インド映画のような大どんでん返しや、思わぬ展開にハラハラしながらも、最後はハッピーエンド。
文字が大きくて、そんなに長い話ではないのに、心に迫って来る場面が多く、考えさせられたり、感情移入するところが多くて、読み応えがあった。2時間くらいの映画を見たようにエネルギーを使った読書体験だった。
この話で一番心に残ったのは、おじさんの生き方。
教育者として大事な事や、人として大事なこと、ひとりひとりの幸せが地域社会や世界の幸せにつながることなどが、よくわかった。
本を通して、素晴らしい叡智に繋がり、主人公の少女と共に、読者も成長していける素敵な物語りだと思った。
キャラクターが全員、濃いので、その一人ひとりにも物語が想像できて楽しい。
生きることの厳しさや、人のずるさや面倒なところも、全部描かれていて、容赦なく人間を堪能できる物語でもある。
心に残った。
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あひるは生まれてすぐに何でもわかります
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投稿日:2023/09/20 |
あひるが卵から出て、黄色いひよこ時代を過ごして、産毛が抜けて羽が白くなり、大人と同じ大きさになるまでを紹介してくれる写真絵本。
原書:1991年、日本語版:1992年刊行。
あひるが卵からかえる場面が、「うんとこしょ」と出てきて、大仕事が終って、一息ついた感じが伝わってきて楽しい。
生まれてすぐに何でも見えるし、聞こえるし、立って歩ける。
二日目で池に入って泳げる。
水に入ったら、習いもしないのに泳げている。
あひるの生きる本能のすごさがわかる。
人間はあひるよりもゆっくり成長するから、何かできるようになるまで時間がかかる。あひると比べると、ずいぶんのんびりしている気がした。
あひると仲良くなった気がして、これからは、あひるも、あひる以外の鳥も、みんな尊い兄弟だと思って、大事にしよう。
表紙みかえしの、あひるの成長イラストも楽しくかわいい。
心が和む一冊。
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やることが多い、読者参加型絵本
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投稿日:2023/09/20 |
しりとりをしながら迷路を進む絵本。
ページを開くたびに、新しい主人公としりとりと迷路が待ち構えている。
しりとりのない普通の迷路もあり。
読者がぼ〜としていられない絵本。とにかくやることが多い。
まず、しりとりをする。しりとりをしながら、次のコマに進む。選択を間違うと、話が先に進まないでゲームオーバー。
もう一回やり直す。
またしりとり…と、ゴールにたどり着くまで、何度でも遊べる。結果を効率的に求めたい人には不向き(せっかちタイプはイライラするだろう)。
のんきに楽しく、なりゆきまかせで、絵を見たり、ことばやお話を考えたり、自分なりの話も考えてみたりしながら、ずっと楽しめるイベント。
こういう頭を使った楽しみを考えられる作者がスゴイ。
つっこみどころも満載で、ユーモアも多い。
楽しい気分になる遊びの絵本。
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人類最古の便利グッズ
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投稿日:2023/09/12 |
ヒョウタンの栽培方法を中心に、加工方法、世界のヒョウタンの使い方事例、いろいろな品種などを紹介する学習絵本。実用書。
最近、近所の産直・八百屋で、ヒョウタン(食用)が売られていた。ためしに食べてみた。ヒョウタンの他にヘチマやニガウリ、いろんな珍しい瓜があった。世界にはまだまだ見知らぬ植物があるのがわかって、楽しい。
味は、淡白。アジアではカレーにしたり、いろいろらしい。
次の時には、同じヒョウタンに張り紙がしてあった。「苦い時は食べないでください」。本書には食用のヒョウタンについてはあまり書かれていなかったが、殆どのヒョウタンは苦くて食べられないらしい。
たまに食べられるヒョウタンもあることを、実体験した。
誰でも食べているだろうヒョウタンは、かんぴょう。ユウガオの実を薄くむいて乾燥させたもの。
ヒョウタンは形も面白いが、利用法も面白い。
実を乾燥させて、入れ物や、お面などのアート、楽器など、さまざまに使う。
土器ができる前は、ヒョウタンの入れ物で水を運んでいたとか。さすがにその時代からは生きていないので、確認できないが、そうかもしれないと思った。
大昔からの便利グッズ。きっと、古代の人も、いろんな使い方を開発していたのではないだろうか(想像)。
栽培方法がメインの実用書だが、ただ読むだけでも楽しい本です。
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実際に子どもたちが作ったものが見られる
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投稿日:2023/09/06 |
学校の調べ学習の時に、テーマを決めて、地域を実際に歩いて取材し、地図や年表を使った形にまとめて発表する(掲示する)具体的な方法を教えてくれる実用書。学習絵本。
実際にいろんな地域の学生たちが作った防災マップや、地域の特産品特集、地元の偉人や歴史の特集など、いろんなタイプの地図や年表が見られる。
大変そうだけど、楽しそうでもある。
自分が学生の時は、こういう調べ学習(グループワーク)はなかったから、ちょっと新鮮な発見。
大人になって、日本の歴史に興味を持つようになってからは、改めて、地図や年表を見る機会が多くなった。
覚えたいところは、白地図を使って、自分なりにまとめてみようかと思っていたけど、やり方がわからないので、参考にした本。
本書は、テーマに沿って取材する対象を決めたり、地元の人に聞きこみをしたり、図書館やインターネットで情報を調べたりするなどをして、しっかりした地図を作っていたので感心した。
学生が自分で歩いていける範囲で、いろんな発見があっただろうし、制作途中でいろんな体験もしたと思う。
形になった物をみて、作った人たちのことを想像すると、尊い作業だと思った。
調べものをして、世の中に発表する人たちの大変さもわかった。
調べものをしなくても、見ているだけでも楽しい本。
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お箸は意外と深い。
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投稿日:2023/09/06 |
お箸の使い方、マナー、歴史、お箸を使う地域(世界の食文化)を紹介してくれる学習絵本。
木を削って自分のお箸を作る方法も詳しく紹介されている、工作の本でもある。実用書。
毎日使うものなのに、意外と知らないことが多かった。
お箸の形が、中国や韓国、ベトナムなど、アジアでお箸を使う地域ごとに長さや、使い方が違っているのが面白かった。
フォークやスプーンを使う食べ方が、一番新しい方法だったのも心に残った。とても古いものだと思い込んでいたので、意外だった。
お箸などを使わず、手で直接食べものをつかんで食べる方法が、一番古く、人数も多いという。
人類最古の食事法で、「手で味わう」という要素もあり、楽しい発見だった。
日本人の精細な感覚が、地域によるお箸の形の違いや、箸遣いのマナーなどに表れているようで、興味深い。
しっかり美しいマナーで食べられる大人になろうと思った。
こういう日常の動作や、道具についてよく知っていることは大切だ。
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成長する様子が素敵だ。
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投稿日:2023/09/01 |
生まれたてから、5か月目までの馬の成長記録を紹介してくれる写真絵本。1994年刊行。(原書1992年)
生まれた時からすでに歩けるようになっていることにビックリ。生まれたてはまだ、足がよろよろしているが、すぐに立ち上がり、自分で母馬のところに行ってミルクをもらう。
生後0日ですでに自立している動物。エライ。
赤ちゃんの時と、子ども時代と、大人になった時で、体の形が若干違う。生まれた手が一番足が長い。スーパーモデル&少女漫画のような雰囲気。ちょっと妖精っぽい。
段々と地に足がついてくるというか、しっかりした体つきになってきて、体毛の色も濃くなり、5か月で殆ど大人の馬と変わらない大きさになる、という。
大人になるのが早い生き物だ。
草が足に当たる感じや、お友達が来てくれて一緒に楽しく遊ぶ様子が、生き生きとした短い文章で伝わってくる。
素敵な絵本。このままずっと大好きなママやお友達と一緒に幸せに過ごして欲しい。
動物の成長を見ていると、心が温かくなる。
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SFです
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投稿日:2023/08/27 |
1969年刊行。
突然、白い布が降ってきた。うさぎちゃんは、これでワンピースを作ってみた。身に着けたワンピースが不思議な変化をして、うさぎちゃんが奇想天外な体験をするファンタジー。
2006年で、139刷。ロングセラー大人気絵本。
2023年の時点で、54年経っているのに、ちっとも古くならないどころか、新鮮で鮮やかな印象を与える楽しいお話。
絵も、お話も、まだまだ現役で活躍しそうな不思議な力強さを感じる。きっと作者が、何世代にもわたって楽しめるような、普遍的な面白さを追求したのだろう。
私は、このお話はSFだと思った。
絵やタイトルからは想像できないユニークな展開が待っている。短いお話なのに、とっても濃厚な楽しい経験をしたような気がした。
白いワンピースから、こんな大冒険が待ち受けているなんて。
是非ともご一読下さい。
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思い込みが現実化&伝説化
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投稿日:2023/08/27 |
2013年刊行。エチオピアの昔話。
村の男たち12人が、粉を挽いてもらいに別の村に行った帰り、人数を数えたら11人になっていた。いなくなった1人を探して大騒ぎになる楽しいお話。
最初に種明かしがされているので、読者は「みんなが探している1人」について、よく知っている。だから、物語があらぬ方向にどんどん突き進んでいくのがおかしくてたまらない。
どういう話になっているかは、是非とも本書を読んで、実際に体験して欲しい。
しかし、現実の生活では、こういうことはよく起こると思った。人は「思い込み」で生きているところがあって、ひとりで思い込んでいる場合と、集団で思い込んでいる場合がある。
それは真実でなかったとしても、みんなが思い込んでいることで、現実となってしまう。この話のように愉快な展開だったらよいが、問題がある思い込みが現実化したら困ってしまう。
非常に哲学的なお話でもあり、生活上の注意喚起ともとれる話でもあり、ただのほら話としても楽しめる。
昔話のすごい魔法を体験した気分だ。
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良く見るけど、知らないことだらけの植物
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投稿日:2023/08/23 |
ホウセンカの栽培方法や、性質、歴史や利用法などを教えてくれる学習絵本。実用書。
その辺によく生えている草花なのに、実はよく知らないことだらけだった。種がはじけることは知っていたけど、花を集めて染物に使う(布を染めたり、ネイルアートのように使ったり)のは初めて知った。食用の花だったり、漢方薬として使われていたのも初耳。
特に印象に残ったのは、アジアで爪を染めるために使われていたこと。私は体験したことがないが、赤いマニキュアのように色が付くらしい。人類はお洒落が大好きなようだ。
花の種類がいろいろあったり、挿し木をすると花がもりもりに着いたり(切る位置による)、いろんな実験も紹介されていた。本当に、身近な存在ほど、知らないことだらけ。あえて調べようとも思わないから、こういう本でも読まないと、知らないまま一生が終ってしまいそうだ。
お野菜みたいに、食用でもりもり食べるというものでもないけど、存在しているだけで楽しい植物だと思った。
大人になってから、いろんなことを改めて知る機会がたくさんあって、楽しくてありがたい。
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