新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

てんちゃん文庫

ママ・50代・佐賀県、女の子22歳 男の子19歳 女の子14歳

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てんちゃん文庫さんの声

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あまりおすすめしない 難しいです  投稿日:2020/09/19
ものすごくおおきなプリンのうえで
ものすごくおおきなプリンのうえで 作: 二宮 由紀子
絵: 中新井 純子

出版社: 教育画劇
特に子どもが見たらまずいような雰囲気をタイトルや表紙の絵からは感じられなかったのに、低い評価が多くて気になり、読んでみました。
まず、「ためし読み」で読み、その後しばらくして図書館でも見つけて読みました。

何度読んでも、作者の方の制作意図が伝わってきませんでした。
色々なお菓子の上で子どもたちが縄跳びをするだけで、ストーリーらしきものもなく、ナンセンスな絵本だなという印象です。
その割に、最後のシーンでは何か突き放されたような後味の悪さを感じます。

震災に対する作者の方の想いが、この作品を読んだだけで伝わるかなと疑問でした。
むしろ、メッセージ性を除いて、ただお菓子の上で縄跳びをするというナンセンスな部分だけの絵本にするか、あるいは、前半部分のお菓子の上での縄跳びの部分に、地震をほのめかす程度にした方が伝わりやすかったのかなと思います。

色々な感想を見ても、高評価の方は、奇想天外でナンセンスな世界を楽しむための絵本、と捉えられているようです。
私もそれだけの本ならむしろ楽しくて良いと思います。絵も素敵ですし。
ラストシーンの重苦しさは、子どもの批判精神を生むものではなく、むしろ地震に対する不安を掻き立てるもののような気がして…
この絵本から子どもがすんなりと「批判精神を学ぶ」ことは難しいと思います。
批判力は経験を積まねば身に付かないスキルです。安心・信頼・確立した自己を育むことなしに批判精神を持つ人間にはなれないのに、どうして疑わしきものを見たら批判してみろ、と子どもを突き放すのでしょうか。
二宮氏の他の作品で、息子が幼児期に気に入って繰り返し読んでいた本(『1と7』)があったので、ちょっとがっかりしました。
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自信を持っておすすめしたい 子どものうちに出会ってほしい  投稿日:2020/08/12
やっぱりおおかみ
やっぱりおおかみ 作・絵: ささき まき
出版社: 福音館書店
子どもの頃、地域の貸出文庫にあったので繰り返し読んでいました。
かわいい絵ではないけれど、なぜか惹かれる絵でした。
文章がほとんどなく、オオカミの「け」というセリフが頻繁に出てくる。「け」ってどういうことだろうと不思議に思っていました。

それから今までに、時々、このアーティスティックな絵本は時々話題になっていた気がします。
しかし、購入する機会はずっとありませんでした。

ところが最近になって無性にこの本を読みたくなりました。でも見かけない…と思っていたら、最近、著名人がこの絵本を紹介した影響か、書店に平積みにしてありました!

オオカミの「け」以外に文章なんてあったかしらという印象だったのですが、最初の場面で丁寧にこのオオカミくんについての説明が書かれています。
意外でした。でもそのあたりが子どもの読者に対する配慮なのでしょうね。

終始オオカミが「け」と言っているだけのような印象だったこの本。だけど気になる絵本。
子どもの頃にそのような体験をしていて良かったなあと思います。

そういう子どもが、青年期に差し掛かり、ふと再びこの絵本を手に取ってみる。すると、ナンセンスだと思っていたこの絵本の意味に気付く。
そして、この絵本から温かさと清々しさを感じられるようになった時に、大人として成熟してきたことも知るでしょう。

少し遅ればせながら、小5の娘にもこの本を勧めてみました。
「わっ、このウサギの首長くて怖い」などと言いながら一通り読んでいたので、「遅くはなかったな」と安心しました。
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自信を持っておすすめしたい 希望へのメタモルフォーゼ  投稿日:2020/08/11
夢にめざめる世界
夢にめざめる世界 作: ロブ・ゴンサルヴェス
訳: 金原 瑞人

出版社: ほるぷ出版
昔、ゴンサルヴェスの初期作品を書店で見かけ、素敵な絵本だなあと思っていました。
そして、考えてみると、ウチには一冊もないと気付き、最新刊のこちらを購入しました。

さて、読もうという時、美術を学ぶ高校生の息子がたまたま近くにいたので、一緒に読みました。
表紙を見た時から「何コレ!」と興味津々でしたが、じっくりとその表紙を眺め、「僕、この人になりたい」という位気に入った様子。
一場面毎に丁寧に眺めていきました。

私と息子が気に入った場面は、2つの図書館?のシーン。勇気が湧いてくるような変容でした。
凧を揚げる人々の場面も、風刺が効いていて楽しめました。凧揚げをしようとせずに、人々を眺めている子どもが良い味出しています。

その翌日、小5の娘とも読みました。
娘が気に入ったのは、ウエディングケーキを作る女性のシーン。「ロマンティックだねえ」との感想でした。それから、岩の船出の場面も好きだったようです。

他のどのシーンもそれぞれ立ち止まってじっくりと眺めて考える場面ばかりでした。
購入して大満足です。他のシリーズも全部揃えたくなりました。
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自信を持っておすすめしたい 絵をじっくりと  投稿日:2020/08/09
じごくにアイス
じごくにアイス 作: ナカオマサトシ
絵: 澤野 秋文

出版社: ひさかたチャイルド
夏の新刊絵本ということで、絵本サークルで読もうと思っていたのですが、中止になったため、小5の娘と一緒に読みました。
見開きに登場人物紹介があり、そこに出ている人物を探す楽しみがあります。
最初のシーンにバナナの皮が落ちているのですが、「もうフラグ立ってるね」と娘。細かい部分を見るのが楽しい絵本なのです。

関西弁の地獄巡りというと『じごくのそうべえ』を思い出しますが、こちらもユーモラスな展開で最後まで進んでいきます。
ラストはなんだかほっこりとします。

細かい部分を見るのが楽しいと書きましたが、作品中に出てくるネコちゃんたちの動きがとてもかわいいですよ。
一般的な幼児さん向けの絵本ですが、大きい子や大人も楽しめます。
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自信を持っておすすめしたい 小さな昆虫博士にオススメ!  投稿日:2020/08/04
わっはは ぼくの なつやすみ
わっはは ぼくの なつやすみ 作: おのりえん
絵: タダ サトシ

出版社: こぐま社
まず見開きを開いてびっくりします。
図鑑のように精密な昆虫のイラストがいくつも描かれているのですが、なんと著者のタダサトシ氏が小学校低学年の時に描いたものだそうです。そのクオリティの高さには驚きます。
それだけでも著者の昆虫愛が伝わってくるのですが、絵本の内容にも昆虫愛が詰まっています。

昆虫に詳しいおじいちゃんの元にお泊まりに来た主人公の少年と、おじいちゃんとの温かい交流が描かれています。
おじいちゃんの、子どものように飽くなき好奇心を持ち続け、孫と一緒に昆虫を追う姿や、孫を大切に慈しむ心が伝わってくる素敵な絵本でした。
私はどちらかというと虫は苦手ですが、そのような理由から大好きな絵本になりました。
〇〇が好き!という熱い気持ちは伝わるのだなあと思います。著者の昆虫愛がひしひしと伝わってきて、少し昆虫に興味が湧いてきたほどです。
文章担当はタダ氏ではないのですが、タダ氏の小学生の頃の日記を下敷きにされたようです。しっかりとタダ氏の昆虫愛が伝わる良い文章でした。

虫が苦手な私の心をここまでとらえた絵本ですから、昆虫好きなお子さんにはきっとお気に入りの絵本になるのではないかと思います。
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自信を持っておすすめしたい 待ってました!  投稿日:2020/07/09
ひとは なくもの
ひとは なくもの 作: みやの すみれ
絵: やベみつのり

出版社: こぐま社
こんな本、私が子どもの頃にあったら良かったなあ…!
ひとはなくもの。なんと力強い主張でしょうか。

この絵本は作者が小1の時に作った紙芝居が元になっているそうです。小1でこのような客観的な視点を持てる作者の力が素晴らしいです。
書籍化に当たり、あとがきを書かれていますが、その時点で中3とのこと。的確にご自身の考えをまとめてあって、それも素敵だと思いました。

現代社会ではなぜ、泣くことが「悪」なのでしょうか。一方で「感動の涙」はもてはやされ、「涙活」などと泣くことのメリットを認める風潮もあるというダブルスタンダード。
「相応しくない」場面で泣く人が責められる社会ではなく、そのような人を見ると自分が責められている気がして腹が立つという人の心が癒され攻撃を止めさせられる社会であってほしいと思います。

帯付きの本を購入しましたが、文章担当のみやのすみれ氏のおじであり、絵担当のやべみつのり氏の息子である矢部太郎氏のコメントも良かったです。

娘2人がそれぞれ読んでいましたが、読み終えた直後、18歳は「わー、泣きそう!」という感想、11歳はパタッと勢いよく本を閉じたので、こちらも同じくかな…と思いました。
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自信を持っておすすめしたい オノマトペの名作  投稿日:2020/06/29
むにゃむにゃきゃっきゃっ
むにゃむにゃきゃっきゃっ 作・絵: 柳原 良平
出版社: こぐま社
近年、オノマトペの絵本は人気があり、数多く出版されているイメージがあります。その中でこの作品は意外と知られていないような気がするのですが…

全編オノマトペのみで構成されています。
色々な形とそれらに結び付くことばのイメージが楽しい絵本です。
この作品に特徴的なのが、生きものではない色々な形たちに目がついているところです。
それが読者に親しみと、小さな子どもの興味を引く効果を感じさせます。

グラフィックデザイナーの作者による色選びと形の配置は見事です。
幅広い年代で楽しめるオノマトペ絵本だと思います。
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自信を持っておすすめしたい 裏表紙の粋な仕掛け  投稿日:2020/06/22
わたしはあかねこ
わたしはあかねこ 作: サトシン
絵: 西村 敏雄

出版社: 文溪堂
ギャグ的な要素が強いサトシン氏の作風からすると、一味違った作品です。
私が猫好きというのも関係しているのかもしれませんが、表紙に大きく描かれたあかねこちゃんの、ちょっと憂いを帯びた穏やかな表情に、まず魅力を感じてしまいました。

体毛が親やきょうだいと大きく違う赤色であるということで、心配し、矯正しなければならないと考える家族と、色が「普通ではない」だけで、他には何の不都合も感じられず、むしろ気に入っているあかねことのすれ違いが前半で描かれます。
この家族のあり方はある意味残酷ですね。
目に見える毒親ではなく、むしろあかねこを慈しむ気持ちを持つ両親、それはあかねこにも伝わっている。ただ、価値観が違いすぎてわかり会えないだけ。
反抗的な態度を取ったり、親とぶつかり合ったりする機会を得ぬままに、この家族というコミュニティを去って行かねばならなかったあかねこは寂しそうです。

新天地であおねこくんという素敵なパートナーに巡り会う後半のシーンは、明るく希望に満ちていて楽しい場面です。
親には理解されなかったけれども、自分に正直に生きる道を選び、新しい家族と幸せな生活をつかんだあかねこを見ると、良かった!という気持ちになります。

ラストの解釈が色々と分かれるのもこの作品の特徴かと思います。
実は、裏表紙で、あかねこは家族と共に実家に戻っているのです!
しかし、本文中では全くそのことに触れられていません。ただ、あかねこの実家と同じ外観の家にあかねこ一家が向かっている絵が裏表紙にあるだけです。
私はこれは読者ひとりひとりに、あかねこの行く末をそれぞれの価値観において定めるように配慮されているのだと思いました。

「大人」になり、自立して親と冷静に話せるようになったので、対等な人間(猫!?)として、親やきょうだいと新たな関係を築くために戻る道を選ぶか。それとも、わかり会えない関係を変えるつもりはなく、親子それぞれの社会で交わることなく自分らしく生きていく道を選ぶか。いずれにしてもそこにあるのは希望ではないでしょうか。
あえてぼかした表現にすることにより、どちらの希望を選ぶか、その自由が読者に与えられているような気がしたのです。

以上のように、個性、価値観、親子のあり方…このような切り口からの読み方ができる作品ですので大人の絵本という見方もできますが、私はこの本は子どもたちが読んでも普通に楽しいのではないかと思います。
なぜなら、優しい絵と言葉づかいで、猫の世界がかわいらしく明るく描かれているからです。
人間ではなく、猫であることにより、家出をするあかねこに過剰な悲壮感が感じられない所が子どもの読者には優しいかと思います。ラストにはとびきり賑やかで楽しい場面が用意されていますし。

好みが分かれる作品だと思いますが、私は大好きです。
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よいと思わない おばあちゃんのための絵本?  投稿日:2020/06/17
サンタパスポート
サンタパスポート 作: のぶみ
出版社: サンマーク出版
一見何だかいい感じの話にまとまっているようですが…色々と突っ込みどころ満載な気がします。

まず、「良いことを100個すればプレゼントをあげる」など、恐ろしい条件付き愛情のように私は感じてしまいます。
サンタクロースは、超人的な存在です。良いことをすればごほうびをあげるなどという了見の狭い存在ではないと思います。全ての子どもたちは、その行いに関わらずひとりひとり価値ある存在だと認められるべきです。サンタクロースという無償の愛の象徴が、世俗的な価値観に貶められている気がして、このサンタパスポートのシステムはどうも苦手です。

それはさておき、初めはプレゼント目当てで良いことをしようとしていた主人公は、周りの人々の喜ぶ姿を見て、良い行いそのものに喜びを見出だしていきます。動機は不純でも、そこから大切な学びを得る。それは素敵な成長だと思います。

ところが、そこに絡んでくるおばあちゃんが曲者ですね。
喜ばないのは百歩譲って良しとしても、手を貸そうとしている幼い孫に向かって「いま あんたのこと ムシしてやってんの。ヘッヘーンだ!!」なんて言う?何か抱え込んでいるものがないか、おばあちゃんの精神状態が心配になるレベルです。主人公が怒るのも無理はありません。
それにしても、このおばあちゃんの精神年齢の低さ、幼稚園児とおぼしき孫と同レベルです。
これが主人公と同じ年頃の子どもでしたらこのようなぶつかり合いも良く、爽やかな読後感になりそうなのですが、絵本でいい大人と幼児とのこのようなやり取りを見せられるのは違和感しかありません。

お母さんの言葉遣いも気になりますね。「それくらい じぶんで よめないの?」「あのこ…ぜんぜん あったまよくない!」こんな言葉を子どもに向かって日常的にカジュアルに使うお母さんが「普通」という感覚だとしたら恐ろしいです。「頭」を「あったま」という口語でわざわざひらがなで表記するのも品が良くないです。

全体的には、ラストで贖罪を求めるおばあちゃんとその願いが叶うシーン、全てはここに行きつくためのストーリーだったのではないかと感じられました。
そうなると、この絵本を求めているのはこのおばあちゃんのような大人でしょうか?
幼児向けの絵本に仕立てる必要性は全くないかと思います。
多くの子どもはシール集めが好きかもしれませんが、付録的に見返しに印刷されたサンタパスポートが子どもの気を引くためのアイテムにしか見えず…そのようなものでごまかさないでほしいです。
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よいと思わない がっかり  投稿日:2020/06/16
ムーフと99ひきのあかちゃん
ムーフと99ひきのあかちゃん 作・絵: のぶみ
出版社: Gakken
他サイトで「名作」との評判を見たので、ためし読みで10歳の娘といっしょに読んでみました。
ところが、のぶみ氏の他の作品と比べると、かなり内容が薄く、がっかりしました。

絵もかわいらしいとの評判でしたが、けばけばしい色使いや、鳥の脚が生えたような肉の絵があるなど、気持ちの悪いものでした。怒ったぶたまんじゅうの顔の描かれ方があまりに気持ち悪く、幼児向けの絵本ではなく、小学生位を対象としているかのようでした。

この本は他の氏の作品と比べ、良くも悪くもあまり心を動かされることがないような気がしたため、「名作」との評判を不思議に思いました。
唯一、ナンバリングされたたくさんの卵が描かれた場面は、「楽しそうだね」と感じられる場面でした。しかし、ただそれだけです。幼児向けの雑誌にあるような、そこの見開きだけで成立する企画ものの方が良いような…一冊の絵本にすることで、その前後に余分なページがくっついているとすら感じました。

この蛇足感は何だろうと思いつつ読んでいたのですが、ラストに近いところの主人公ムーフの「生まれてきてくれてありがとう」というセリフでまさにそれを強く感じました。その言い方があまりに唐突で、私はポカーンとしてしまいました。なんの脈絡もなく発せられたセリフのため、白々しく、言わない方がマシ、としか思えませんでした。

表紙だけ見るとそうでもないですが、絵の不気味さは他の作品に勝っているかもしれません。不快な絵が多いです。
最後のシーンを見た娘が一言「乳房雲みたい…」と、呟きました。空一面に広がる不気味な乳房雲…あれを連想したのかと…。確かにこのページが一番不気味でした。
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