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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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新刊
世界の国からいただきます!

世界の国からいただきます!(徳間書店)

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てんちゃん文庫

ママ・50代・佐賀県、女の子22歳 男の子19歳 女の子14歳

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てんちゃん文庫さんの声

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自信を持っておすすめしたい 独裁制を考える  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(2) 独裁政治とは?
あしたのための本(2) 独裁政治とは? 作: プランテルグループ
絵: ミケル・カサル
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
民主主義の社会では相対的に「悪」とされる独裁政治。民主化を達成した当時のスペインの立場からすると当然の、絶対的な悪として描かれる独裁者。
独裁政治とはどんなものか、その危険性とはといったことが分かりやすく描かれています。
そこかしこで犯罪行為何でもありの、まだ社会が成熟していない古代社会では、独裁制に似た専制政治は社会の秩序を守るものとして機能していたこともあったでしょう。
しかし、市民として自由を求め、人々は民主主義を勝ち取ってきた。その大切な権利を決して手放してはいけないという気概が感じられる絵本です。

このシリーズ全てに、巻末コラムがついていますが、本書のコラムは編集後記と共に、本文の内容を見事に補完してくれています。

見返しの独裁者たちの似顔絵、かなりデフォルメされているのにそっくり!というところも見所です。
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自信を持っておすすめしたい 社会階級を知る  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(3) 社会格差はどこから?
あしたのための本(3) 社会格差はどこから? 作: プランテルグループ
絵: ジュアン・ネグレスコロール
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
子どもたちを見ていると、自分たちの社会に存在する格差は、中学生でもはっきりと肌で感じていることが分かります。小学生も何となく、持つ者と持たざる者との違いを感じているでしょう。
彼らの疑問に分かりやすく応えてくれるのがこの本。
中産階級という、幅広い定義を持つ階級の説明は、子どもにも理解しやすいようにシンプルに書かれています。上流階級と労働者階級は子どもたちにもイメージしやすいでしょうが、この本において中産階級とは、何となく「大金持ちとごく”普通の”人たちの間にいて、労働者を監督するような立場の人」というイメージで捉えることができるのではないかと思います。
編集部のあとがきに書いてある通り、この本が最初に書かれた1970年代末には、社会格差は縮まっていくと考えられていたことでしょう。しかし、そんな期待とは裏腹に格差は広がる一方の世界。ですがこの本では、労働者階級こそが強かで公平性を重んじ、平等を信じる人々であるという立場がしっかりと主張されています。社会の大多数である労働者階級の子どもたちが、将来を切り開く勇気を持てる描き方に好感が持てました。

なお、見返しにはインドの双六「へびとはしご」が描かれていますが、子どもたちはこのゲームを知っていたので、そこで盛り上がっていました。
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自信を持っておすすめしたい 古いけれど新しい  投稿日:2019/10/26
あしたのための本(4) 女と男のちがいって?
あしたのための本(4) 女と男のちがいって? 作: プランテルグループ
絵: ルシ・グティエレス
訳: 宇野 和美

出版社: あかね書房
編集部のあとがきに書いてある通りの感想を持ちました。確かに、このシリーズ4作の中では一番時代遅れな印象です。しかし、自分の周囲ではあまり考えられなくとも、広く辺りを見回すと、現実には女性の地位がこの本が最初に書かれた40年ほど前からそう変わっていないのではと思い知らされることもあります。そう考えると、今でもこの本が私たちに訴えかけてくるものは軽視できないと思います。
巻末コラムにある通り、女性差別を男性差別とすり替え、両性を分断・対立させることは最も避けなければならないことです。コラムのラストに書かれている素晴らしいメッセージを、次代を担う子どもたちがキャッチしてくれるといいなあ。

4作とも復刊に伴い、絵は新しく描かれていますが、どれも秀逸です。この本の画家紹介の文章には笑ってしまいました。『カーマスートラ』の挿絵を描かれたというのは納得。きっと洗練されたカーマスートラでしょうね…
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自信を持っておすすめしたい ロングセラーの予感  投稿日:2019/10/24
ひみつだから!
ひみつだから! 作・絵: ジョン・バーニンガム
訳: 福本 友美子

出版社: 岩崎書店
大ベテラン、ジョン・バーニンガム氏の作品。比較的新しい本ですが、安定の仕上がりです。まず10歳の娘に、それから4年生に読みかたり。

現在では完全室内飼いの猫が増えましたが、それでも猫が家族の寝静まる夜中にどう過ごしているかという疑問は、子どもにとって身近なファンタジーへの扉のひとつだと思います。
そんな密かな喜びを満たしてくれる絵本。

立憲君主制のもと、女王陛下のいらっしゃるイギリスならではのストーリー展開も興味深かったです。
子どもたちは、わざわざフルネームで書かれている登場人物の名前にも面白がっているようでした。

ラストシーンの「ひみつだから!」というセリフ。タイトル通り、登場人物たちと素敵な秘密を共有したような気分になれる楽しい読後感でした。
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自信を持っておすすめしたい 現代風「昔話」  投稿日:2019/10/18
にじいろのさかな
にじいろのさかな 作・絵: マーカス・フィスター
訳: 谷川 俊太郎

出版社: 講談社
昔読んで普通に良い話と思っていましたが…近年、賛否両論きっぱり分かれることを知りました。
嫌いという方のレビューを見ても、「そんな話だったっけ?」とよく分からず…
そんな折、読みかたりボランティアの仲間との学習会でこの本が紹介されました。
読みかたりを聞いて、やっぱり最初に読んだ時の印象と変わらず、いい話だなあと素直に入ってきました。

この本が嫌いという方の理由として「鱗を分け与えなかったから仲間に入れないなんてひどい」というものが多く見られましたが…いや、そもそもにじうおの態度はあまりにも尊大だよねと感じました。
憧れの眼差しを持って近づいてきた魚たちをまず無視したのはにじうおの方。そして自分より小さな魚に威張り散らすにじうおに怯え、あるいはあきれて周りの魚たちは距離を置いていった…と…。「仲間外れ」というと、何だかとてもひどいことをしている感じがしますが…どちらかというと、気難しい地主に村人が寄り付かなくなったようなイメージ?

それから、ここでの「うろこ」というものは、体の一部というよりは、例えば富の象徴だったり、豪華な服飾だったりというような比喩的なアイテムとして私には自然と感じられたのですが、そこでもし引っ掛かって面白くないと感じる子がいるとしたら、昔話のような、比喩的な表現が前提のお話をあまり読んだことがないのかなと思いました。(若干発想が飛躍していますが。)ちなみに、虹色の鱗を「美貌」や「才能」に置き換えられている感想もお見かけしましたが、この絵本の世界では鱗は着脱自在のアクセサリーのようですし(鱗を取ったりつけたりすることに何の制約もないので)、才能というのはそれを使って何かをするというイメージですので、私には読んでいる最中にはそう感じられませんでした。

「にじうおは鱗を分け与えたから皆と仲良くなれた」というのは、「たまたま人より財産があり、それを盾に威張って周りを見下していた者が、財産を社会に還元する方向で活かすようになって皆の尊敬を集め始めた」という風に読めたので、私には面白かったのだと思います。
まあ、寓話ですよね。それをそのままアニメーションにもできそうな可愛く鮮やかな絵柄とキャラクターでテンポ良く描いた感じ。私は好きです。
幼い頃に読んだらどう感じたのかなあ…我が家の子どもたちに聞いてみました。小さい頃読んだ記憶があるという17歳娘によると「特別、面白い!というほどでもなかったけど、別に嫌な気はしなかった。最近読み直してからすごくいい話だなあと思った」とのことでした。
残念ながら初版で読んだ頃、私は大学生。既に成人していたのですよね…
ここまで読む人によって解釈が分かれる作品も珍しいなあと思いました。好意的な感想でも、色々な解釈があり興味深かったです。
エールの代わりに星5つつけます。
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自信を持っておすすめしたい みんな釘付け!  投稿日:2019/10/15
こねこのチョコレート
こねこのチョコレート 作: B・K・ウィルソン
絵: 大社 玲子
訳: 小林 いづみ

出版社: こぐま社
ほぼ出版と同時に購入しましたが、初めて読んだ時から大好きな本。我が子や幼稚園の子どもたちに何度も読みました。
今回は久しぶりに年長さんに読みかたり。

私が読みの練習をしている間、小4の娘は「男の子の欲しがりそうなおもちゃ、女の子の欲しがりそうなおもちゃって…性別関係ないやろ」と軽く毒づいていましたが…うん、私もあなた位の年頃だったらそういうツッコミいれてたかも…と思いつつ、でもそういうジェンダーバイアスなんて気にならないくらい素敵なお話だと思います。

小さい女の子が葛藤する様子、自分の行為に恥じ入り反省する姿、年長さんたちが共感を寄せて主人公の行動を見つめているのを感じました。
ハラハラドキドキ、面白いストーリーなのですが、このお話の、私が一番好きなところは、幼い人たちに対する優しいまなざし。登場人物たちが、失敗してしまってもいいんだよ、皆でフォローし合えば大丈夫。というメッセージを、主人公に伝わるような態度で接しているところ。

もともと素話として作られたという情報は、こちらのサイトで初めて知りました。納得です。
子どもたちの間から漏れるように「おもしろかった」「おもしろ過ぎた」という声が聞かれたことに感動しました。
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よいと思わない 子どもが楽しめるかしら…  投稿日:2019/10/04
たべてあげる
たべてあげる 作: ふくべ あきひろ
絵: おおの こうへい

出版社: 教育画劇
話題になった時に、これはないわ、と思った本。
書店で平積みになっていたので、3、4歳位の子が手に取り、それを見たおばあちゃんとおぼしき人が、中身も確認せずに「買うの?」と聞いているのを見て…小4の娘と心配になって、しばらく観察してしまいました(娘はたまたまこの本がテレビで取り上げられていたのを目にして、小さい子の読む本ではないと思っていました)…結局、買われませんでしたが。

改めて読んでみました。
この本は私の中ではR12指定ですね。
まず登場人物の目が怖い。それだけで小さい子の中には拒絶する子がいるかも。
そして、もちろん話の展開も恐怖です。
R12指定と書きましたが、仮に私が中学生位の時に読んだとしても、かなり苛々する内容だったと思います。
食べ物の好き嫌いは単なる気分とか我儘ではなく、味覚の未発達もしくは過敏さによる問題であることの方が圧倒的に多いと思います。
それをあたかも我儘かのように描き、そういう性質を持ったお調子者的な主人公に仕立て上げている時点で、共感どころか不快感しかなかったと思います。
小学校高学年〜中学生位でしたら、ある程度自分を客観視できる年齢なので、この本を好きか嫌いかで済む問題ですが、主人公と自分を同一視する幼い子どもにとっては、この本は本当に怖い本ではないでしょうか。

大人の方でこの絵本のダークさに惹かれるという方も多いようですので、存分に楽しまれたら良いかと思います。ただ、私は自分の子や読みかたり先で出会う子どもたちの前では決して読みません。
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自信を持っておすすめしたい 長い付き合い  投稿日:2019/10/02
こぐまのたろ こぐまのたろの絵本1
こぐまのたろ こぐまのたろの絵本1 作・絵: きたむら えり
出版社: 福音館書店
私が幼少の頃、大好きだった本。
今回、2〜3歳児さん中心に読みました。
絵も文章もすっきりとしていて、分かりやすい!主人公こぐまのたろと、仲良しの子ウサギなーちゃんとの優しく豊かな日常の物語です。

この本は色も印象的。こぐまのたろの黄色、なーちゃんの白、そして木苺の赤が鮮やかに描かれています。
シンプルで分かりやすい文章とは言え、少し長め。2〜3歳の子は途中で飽きちゃう?と思いきや…
たろのお母さんがケーキを作り出すと、子どもたちの関心が再び高まります。そしてページいっぱいに描かれた木苺のケーキに釘付け!
…思い返してみると、私もこのケーキに惹かれていたのかなあ…「てんぴ」という単語を知ったのもこの本のおかげです。
他のシリーズ2冊もおすすめ。
参考になりました。 0人

よいと思わない 誰のための絵本?  投稿日:2019/09/24
やさいのおしゃべり
やさいのおしゃべり 作: 泉なほ
絵: いもと ようこ

出版社: 金の星社
出版されて間もない頃、読んだのですが、最近、「幼稚園・保育園の先生方おすすめ」という内容の帯が付いて書店に平積みにしてあるのを見て、改めて読み直してみました。

やはり、最初に読んだときからずっと抱えていた違和感たっぷりの内容でした。
まず、「主人公」が誰だか分かりません。
いや、主人公は一人称で物語を進めていくキュウリくんなのでしょうが、そうではなく、この物語を読者である子どもたちと同じ視点で進んでいく登場人物は一体誰なのか?ということです。
野菜を無計画に買ったお母さん?いや、それでは子どもたちが共感しづらいから、やはりここはその娘であるれいちゃんなのでしょう。
では、捨てられそうな野菜たちとれいちゃんとの関係性は?
野菜たちが忘れ去られ、干からびて捨てられる運命に向かうのは、れいちゃんとの直接的な関わりによってではありません。直接関わりを持つのはお母さんの方です。れいちゃんは主人公の属するキュウリという野菜が嫌いというだけ。

ですから、この物語を読者と同じ視点で進んでいくのは、実はお母さんなのではないでしょうか?
子どもに読み語っているお母さん方の中から「耳が痛い」などの感想が聞かれるのも、この絵本の主人公が実は構成上、お母さんである証拠だと思います。

お母さんのだらしない行為の責任を、なぜれいちゃんが取らなければならないのか、私には分かりません。
この絵本を読んで、心から、子どもが野菜を残さないで食べるようにしよう、食べ物は粗末にしないようにしようと思えるでしょうか?

この絵本はただ、無計画に野菜を買い、物に対する扱いも乱暴なお母さんの話であり、野菜たちの悲痛な嘆きを延々と見せられるだけの話であり…
そもそも絵本を使って子どもをしつけようとする内容のものは好きではありませんが、この本は自らうたっている食育の本ですらないと思います。
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自信を持っておすすめしたい 魅力的なわにわに!  投稿日:2019/09/24
わにわにのおでかけ
わにわにのおでかけ 文: 小風 さち
絵: 山口 マオ

出版社: 福音館書店
お祭りの絵本を紹介したくて、2歳児さんに読みました。
表紙を見たとたん、「ガオガオ!」との声。
リアルなワニのわにわにが、お布団で寝ていたり、眠れなくてごそごそと起き出したり…見た目はちょっと怖いけど、自分たちと同じような生活をしているわにわにに親近感を覚えるのでしょうか…
わにわにの動作主体で、余計な装飾がないため、お話の筋を追いやすく、お祭りの様子、打ち上げ花火など、わにわにと同じ目線で楽しめるようでした。
わにわにの手に握られた赤いヨーヨーが効いています。
小さい子にもお祭りの雰囲気を伝えやすい絵本だと思いました。
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