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2022年2月の新刊&おすすめ絵本

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絵本紹介

2022.02.15

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2022年2月 注目の新刊&おすすめ 〜3・4・5歳向けおはなし絵本〜

目次

進学や就職で環境が変わって忙しくなったり、出産したばかりで自分の時間がなかなか取れなくなったりすると、「本」から少し離れてしまうことがありますよね。新しい環境に慣れるには時間が必要ですが、一度慣れると、びっくりするほどストンッと肩の荷が下りたような、楽な気持ちになれるのが不思議です。

なんとか忙しい中でも「本」に触れてきた私ですが、「絵本」に戻って来たのは、子どもに読み聞かせを始めた時です。十数年も触れていなかった「絵本」の世界はとても新鮮で、大人になったからこそ楽しめる「新しい視点」の発見に満ちていました。

なによりも感慨深かったのは、幼い頃に自分が読んだ絵本が、なんと今も同じ形で発売されていること! 「これ、小さいころにママも読んだんだよ」と言うと、「ほんとー、すごーい! わたしも読む!!」と目をキラキラ輝かせてくれた娘。膝の上にお座りして、一緒にページをめくって……その幸せな時間を通じて、「親になった」実感がじわじわと湧いてきた気がします。

娘を通じてたくさんの絵本に出会いましたが、絵本と侮るなかれ、大人が読んでもおもしろいおはなしがいっぱいあることにもビックリしました。しかも、新しくておもしろい絵本が次から次へと出てくるのです。視力がかなり悪い私には、絵本の字の大きさがとってもありがたく、眼鏡なしでもなんとか読めるのもポイント。ぜひ、お子さんと一緒に楽しむだけでなく、「自分だけの楽しみ」を絵本で見つけてみてくださいね。

どこの家のねこも、自分だけの居心地の良い場所を知っている!『トスカのおくりもの』ねこの魅力にハマりそう

  • トスカのおくりもの

    出版社からの内容紹介

    ねこのトスカは、だれにもじゃまされない、
    しずかな場所をさがしています。

    ところが、家の中では春の大そうじがはじまって、
    トスカはいそいで外へにげだしました。

    外はあたたかくて、いい天気です。

    いけがきの下の枯れ葉の上が、
    あたたかでよさそう。

    でも、トスカが横になろうとしたとたん、
    ひな鳥たちのにぎやかな声でだいなしに…。

    トスカがしずかな場所をさがしていたわけは…?

    春の息吹を感じられる、新しい命の物語。

    英国の人気作家モーティマーの
    愛らしいネコのイラストが魅力の一冊。

この書籍を作った人

おびか ゆうこ

おびか ゆうこ (おびかゆうこ)

東京生まれ。国際基督教大学(ICU)語学科卒業後、出版社勤務、ドイツ留学を経て、子どもの本の翻訳や創作を始める。訳書に『ジャックと豆の木』(福音館書店)、『おばあちゃん、ぼくにできることある?』(偕成社)、『嵐をしずめたネコの歌』(徳間書店)、『ぼくらはなかよし、ラン、ラン、ラン!』(光村教育図書)など。

春の訪れは激しく吹き抜ける「風」で感じる『はるいちばん』今年はいつ吹くのかな♪

  • はるいちばん

    出版社からの内容紹介

    今日、風がかわった。春をつげる風を追いかけて、わたしは走る。そして……。季節のおとずれを大切に感じる、豊かな心を描いた絵本。

この書籍を作った人

青山 友美

青山 友美 (あおやまともみ)

兵庫県生まれ。大阪デザイナー専門学校卒業。四日市メリーゴーランドの絵本塾で絵本を学ぶ。主な絵本に『キャンプ!キャンプ!キャンプ!』(文研出版)、『えんぎもん』(風濤社)、『うみのいえのなつやすみ』(偕成社)、『ぼくのしんせき』(岩崎書店)などがある。

有名な昔話……とちょっと違う沖永良部島の女の子のおはなし『マーヤのさるたいじ』強くてたくましいマーヤに惚れ惚れ!

  • マーヤのさるたいじ 日本のおはなし

    出版社からの内容紹介

    へこたれない女の子が主人公!

    川でひろったもものたねから、大きなももの木をそだてたマーヤは、
    ずるいさるにだまされて、おいしいももをとられてしまいます。
    マーヤはおこって、おにぎりをつくり、さるたいじにでかけます。
    とちゅうで出会った、ハト、ハチ、うす、うしといっしょに、さるをこらしめることはできるでしょうか。
    沖永良部島につたわる昔話が、たのしい絵本になりました。

    :::::::::::::::::::::::::
    どんどん あるいていくと、
    はとが ぱたぱた とんできて
    「マーヤ、マーヤ、どこへ いく。」
    ときくので、マーヤが
    「さるを たいじしにいくから、いっしょに いこう。」
    とさそいますと、はとは
    「あさごはんは たべたけど、
    ひるごはんが ないから いけない。」
    とこたえました。そこで マーヤが
    「ひるごはんは、わたしが もっているから、
    いっしょに いこう。」
    というと、はとは
    「それなら いっしょに いこう。」
    といって、マーヤに ぱたぱた ついてきました。
    (本文より)
    :::::::::::::::::::::::::

    昔話の主人公は男の子ばかり?
    そんなことありません!

    世界と日本で語りつがれてきた
    女の子と、大きくなった女の子たちの昔話を
    絵本にして、おくります。
    いろんな女の子が主人公の絵本シリーズです。

キャベツの水やりをしてくれる人を探す大冒険!?『花をさかせたがらない小さなキャベツ』意外な結末をお楽しみに♪

  • 花をさかせたがらない小さなキャベツ フランスのおはなし

    出版社からの内容紹介

    おてつだいをしたくない女の子と、
    おてつだいをしてもらうために、どこまでもでかけるおかあさんが主人公!

    女の子がキャベツに水やりしたくないといったので、
    おかあさんは、子犬や小枝、火や水と、いろいろなものに、たのみにいきます。
    最後にでてくるのは、なんと……!?
    フランスにつたわる「だんだん話」の昔話が絵本になりました。


    :::::::::::::::::::::::::
    むかし、あるいえに、花を さかせたがらない
    小さなキャベツが ありました。
    あるひのこと、そのいえのおかあさんは、
    アントワネットちゃんにたのみました。
    「アントワネットちゃん。小さなキャベツにおみずをやってちょうだい。」
    ところが、アントワネットちゃんはいいました。
    「いやだよ。おさんぽするほうがいいもの。」
    そこで、おかあさんは、こいぬのところへいきました。

    (本文より)
    :::::::::::::::::::::::::

    昔話の主人公は男の子ばかり?
    そんなことありません!

    世界と日本で語りつがれてきた
    女の子と、大きくなった女の子たちの昔話を
    絵本にして、おくります。
    いろんな女の子が主人公の絵本シリーズです。

ひとつの物をみんなで分かち合って心をつなぐ、温かで幸せな物語『りぼんちょうだい』

  • りぼん ちょうだい

    出版社からの内容紹介

    おくりものに結ばれた、りぼん。
    「りぼん ちょうだい」と女の子がりぼんをもらうと、
    アヒルやネコが次々にやってきます。
    あれあれ、動物たちはどんどん増えていくみたい……。
    りぼんは短くなるけれど、
    身につけたり、縄とびの縄にして遊んだり、楽しみはふくらみます。

    幼い子に身近なりぼんを入り口に、
    きれいなものを分けあってひろがる幸せが描かれます。

この書籍を作った人

ましま せつこ

ましま せつこ (ましませつこ)

1937年、山形県鶴岡市に生まれる。女子美術大学図案科卒業。広告デザインの仕事にたずさわった後、子どもの本の世界に入る。日本の伝統的な色彩や形の美しさと、現代的なセンスが調和した優しい画風で、ファンが多い。主な絵本に『ママ だいすき』(まど・みちお文)『とと けっこう よがあけた』(こばやし えみこ案)『あがりめさがりめ』(いずれもこぐま社)など多数。

蓄光インクの使い手!? 岡村志満子さんの「光る」絵本『ハッピーハッピーバースデー!』

  • ハッピーハッピーバースデー! ひかるえほん

    出版社からの内容紹介

    今日はおたんじょうかいです。おたんじょうびの4人の子どもたちは、お客さんを迎える準備で大はりきり。
    そこへ「ピンポーン!」やってきたのは、いぬのふうせんやさん。 
    おいわいのふうせん、たくさんもらったよ! お部屋をかざりつけよう。
    ねこの配達屋さん、かめのカメラマン、うしのケーキやさん・・・つぎつぎやってくる、ちょっとふしぎな動物のお店やさんたちとやりとりしながら、パーティーの準備をすすめます。
    あとは、お客さんをむかえるだけ!すると、そこには・・・?
    プレゼントの中身を当てたり、ろうそくさがしをしたり、小さな子どもたちも参加しながら楽しめるおたんじょうび絵本。
    暗闇でお誕生日ケーキが光る、蓄光インクを使った驚きのページつき! せーの、ふー!してね。

この書籍を作った人

岡村 志満子

岡村 志満子 (おかむらしまこ)

武蔵野美術大学卒業。広告制作会社退社後、フリーランスでグラフィックデザインやイラストレーションの仕事、絵本を中心とした作家活動を続けている。東京の板橋区立美術館などで、子ども向けワークショップの講師もつとめる。絵本作品に、スイスで出版した『UNDERGROUND』(la joie de lire) 、『すましたペンギンさんきょうだい』(講談社)、『サンドイッチいただきます』『フルーツケーキいただきます』(ポプラ社)など、紙芝居作品に『そらからおりてきたごちそう』(教育画劇)がある。

こちらもどうぞ! 岡村志満子さんの「光る」絵本

お布団をかぶると恐竜たちの世界に行けちゃう!?『ベッドのなかはきょうりゅうのくに』わくわくする夢が広がる新感覚のおやすみ絵本

  • ベッドのなかはきょうりゅうのくに

    みどころ

    寝る前にお母さんに恐竜の本を読んでもらう男の子。でも、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、お母さんはお話の途中で行ってしまいます。「つまんないの」。部屋の電気はついたままです。

    そこで、男の子は飼猫のミーコと一緒に布団にもぐって、ほら穴探検ごっこを始めます。ところが、進んでも進んでも布団の端っこにたどり着きません。すると、気が付けばそこは大好きな恐竜の世界! 草食恐竜が肉食恐竜に襲われているところに出くわします。はぐれてしまったランベオサウルスの子どもを見つけた男の子は、一緒にお母さんを探してあげることにします。

    ページをめくるたびに登場する様々な生き物。ここでは夜も多くの生き物が活動しています。恐竜だけでなく、小さな動物や虫もたくさんいます。単独で行動するもの、群れで行動するもの、親子、カップル。草木や生き物の匂いまでしてくるようです。遠くには、徐々に赤みを増していく火山も見えます(大丈夫でしょうか?)作者であるまつおかたつひでさんの描く生き生きとした生き物たちの夜の暮らし、そっとのぞいてみませんか。

    名前がわからない恐竜は、見返しのイラストから探してみてくださいね。
    それぞれに登場するページ番号が書かれているので、すぐに見つかりますよ。

この書籍を作った人

まつおか たつひで

まつおか たつひで (まつおかたつひで)

1944年新潟県長岡市に生まれる。自然科学、生物のイラストレーター。創作絵本のほか、国内はもとより、中南米、アフリカ、東南アジアなど世界各地での取材にもとづく、多くの科学絵本を発表している。『すばらしい世界の自然』(大日本図書)で厚生省児童福祉文化賞、『熱帯探検図鑑』(偕成社)で絵本にっぽん賞、『ジャングル』(岩崎書店)で厚生省児童福祉文化賞と日本科学読物賞を受賞、『震度7』(ポプラ社)で産経児童出版文化賞、『里山百年図鑑』(小学館)で小学館児童出版文化賞を受賞。主な絵本に、『ぴょーん』(ポプラ社)、『だんごむしそらをとぶ』(小学館)、『ちきゅうがウンチだらけにならないわけ』(福音館書店)などがある。▶新潟県見附市の、ギャラりーぴょーんROOM」の情報はこちら>>

2月28日23:59まで投稿可能! レビューコンテストにレビューをお寄せください

何度見てもずっと見ていても飽きない安野光雅さんの絵が鮮やかに甦る『かげぼうし 新装版』本棚に飾りたくなる1冊

  • かげぼうし 新装版

    出版社からの内容紹介

    まちに冬がきた。野山にも冬がきた。
    山のむこうのずーつと、ずーつとむこうにある秘密の国、「かげぼうしの国」にも冬がきた。
    マッチ売りの少女と「かげばうしの国」のみはり番がくりひろげる、ふしぎな、ふしぎなお話。

    レビューより


    まず表紙を見て素敵な絵だと思って、手に取りました。冬のヨーロッパのどこかの街をイメージしました。やっぱり作者は安野光雅さんでした。安野光雅さんの絵本は読んだことがありますがこの絵本は初めてです。とても不思議な絵本です。二つのお話が同時進行しています。見開きで両方の絵が見れるのがとても魅力的です。ストーリーはもちろんですが、右と左のページを見比べながら読むのがとても面白かったです。どの絵も額に入れて部屋に飾っておきたいです。
    (しまりすさんさん)

この書籍を作った人

安野 光雅

安野 光雅 (あんのみつまさ)

1926 年、島根県津和野町生まれ。美術にとどまらず、文学、数学など、創作の分野は多岐にわたる。国際アンデルセン賞、菊池寛賞、文化功労者など、受賞・受章多数。絵本に『ふしぎなえ』『さかさま』『ふしぎなさーかす』『もりのえほん』『あいうえおみせ』『ABC の本』『あいうえおの本』『天動説の絵本』「旅の絵本」シリーズ (以上、福音館書店)、『繪本 平家物語』(講談社)、『魔法使いの ABC』(童話屋) など。著書に『かんがえる子ども』(福音館書店)、『絵のある人生』(岩波書店)、『本が好き』(山川出版社) など。故郷の津和野町には安野光雅美術館がある。2020 年 12 月没。

ネコとネズミのコンビは名作ばかり! 「ひらり」「ばたり」と最後に「り」がつく言葉を『ふたり』が熱演!? 精密な石版画も一見の価値アリ

  • ふたり

    ふたり

    作・絵:
    瀬川 康男
    出版社:
    冨山房

    出版社からの内容紹介

    ネコとネズミの「ふたり」の関係をユーモラスに描いた傑作です。
    精密に描きこまれた石版画とリズミカルな言葉には、様々な工夫がなされています。
    親子でいっしょに楽しめるユニークな絵本です。

    レビューより


    一緒にいるとけんかばかりしているけれど、いないとお互いに寂しく、結局いつもふたりでいるネコとねずみのおはなし。ふたりの様子を見ていると、我が家の長女と次女を見ているようで笑ってしまいました。当の本人たちは、この絵本を見ながら、「トムとジェリーみたい!」とうれしそうです。
    にやり、きらり、ばさり、にたり……と「り」のつく言葉遊びが楽しく、挿絵もユニークでおしゃれ。なぜだか動画を見ているような躍動感もあります。
    大人もこっそりと一人で読みたくなる絵本です。贈りものしたい絵本にランクインされているのにも、納得!です。
    (クッチーナママさん)

この書籍を作った人

瀬川 康男

瀬川 康男 (せがわやすお)

1932年愛知県生まれ。「ふしぎなたけのこ」(福音館書店刊)でBIBグランプリを受賞。「かちかち山のすぐそばで」(フレーベル館)でサンケイ児童出版文化賞大賞受賞。「ぼうし」(福音館書店)で第10回絵本にっぽん大賞受賞。「いないいないばあ」(作・松谷みよ子/童心社刊)はロングセラーとなっている。「やまんばのにしき」(ポプラ社刊)、「ぼうし」(福音館書店刊)、「いいおかお」「もうねんね」(以上童心社刊)などの作品がある。

仕事をする仲間がうらやましかったリスのエメラルドが「自分のできること」を見つけた喜びを描いた『エメラルドのさがしもの』絵の可愛さも絶品!

  • エメラルドのさがしもの

    みどころ

    「おや、だれか きたみたい」
    小さなりすのエメラルドが玄関のドアを開けると、やってきたのは一緒に住むうさぎのガーネットの仕事の仲間。続いてやってきたのも、その次にやってきたのも、みんなガーネットにご用があるみたい。
    「ちょっと まっててね」
    もう、いつもそればっかり。

    するとガーネットは言います。
    「今日は、ぼくのしごとを手伝ってくれるかい?」
    エメラルドは、もちろん張り切って出かけます。黒のシックな服を着こんだガーネットが、道具を持って出かけた場所は、アナグマさんのおうち。ガーネットの仕事は、大きなピアノの修理なのですね。おかしな音がするのは、どうやら何かを中に落としたみたい。
    「それなら わたしに まかせてちょうだい」

    自分の仕事を見つけたエメラルドは、あっという間に中に落ちていた指輪を探し出します。「さがしものが じょうずね」、褒められたエメラルドは、探し物屋さんを始めることにしますが、その様子を見ていた子がいて…。

    楽しそうに働くエメラルドのことが気になって仕方ないのは、シマリスの女の子。声をかけたいのかな? それとも一緒に遊びたいのかな? 二人はちゃんと出会えるのかな?

    『ちいさなりすのエメラルド』に続いて登場したこの絵本。今回もお行儀良くて、好奇心旺盛で、よく動く、小さな小さなエメラルドの魅力が満載。目の色も、やっぱり吸い込まれそうに美しいエメラルド色。思わず声をかけたくなっちゃう気持ちもわかるのです。おまけに、お友達になるきっかけが「おしごと」なんて、なんだかいい。

    それにしても、くるみちゃんのお家の素敵なこと!読み終われば、前向きで元気な気持ちになれる1冊です。

    レビューより


    きゅーん!!なんて可愛らしい絵本なんでしょう!
    イラスト、セリフ、ストーリーに至るまで可愛らしさが詰め込まれています。
    キャラクターだけではなくて、建物の中もしっかりと描かれているので、想像力が膨らみます。
    最後には、エメラルドが探していたものも見つかったみたい。
    新しい友だちって、良いものですね。(なーお00さん)

この書籍を作った人

そのだ えり

そのだ えり (そのだえり)

昭和女子大学にて住居建築を学んだ跡、東洋美術学校グラフィック・デザイン科を卒業。
2007年、ボローニャ国際絵本原画展入選。
主な作品に『Service de nuit』(フランス・Liraabelle社)、『いじわるアイザック』(ディスカヴァー21)など。

「りすのエメラルド」シリーズ

48年間愛されている名作『おしいれのぼうけん』 鉛筆1本から生み出された豊かな世界に感動する「大人になった今でも」読みたい1冊

  • おしいれのぼうけん

    みどころ

    さくら保育園にはこわいものが2つあります。ひとつはおしいれで、もうひとつはねずみばあさんです。
    先生たちがやる人形劇に出てくるねずみばあさんは、とてもこわくて、子どもたちは「きゃーっ」といったり、耳をふさいだりします。でも子どもたちは人形劇が大好きです。
    おしいれは、給食のときやお昼寝のときにさわいで言うことをきかない子が入れられるところです。まっくらでこわくて子どもたちは泣いてしまいます。「ごめんなさい」と言っておしいれから出てくるとき、出てきた子も、おしいれに入れた先生も、ほっとします。

    ある日の昼寝の時間、着替えようとしたあきらのポケットから赤いミニカーが落ちました。さとしが「かして」と言い「だめだよ」と言うあきらととりあいになって、ふたりは昼寝している子どもたちの上を走り回りました。先生が「やめなさい」と言ってもやめません。ふんづけられた子どもたちが「いたい!」と悲鳴をあげ、怒った先生はあきらをおしいれの下の段に、さとしを上の段に入れてぴしゃっと戸をしめてしまいました。
    最初は泣きべそをかき腹をたてたふたりですが、なかなか「ごめんなさい」を言いません。そろっておしいれの中から戸をけとばし、汗ぐっしょりで戸を押さえる先生たちも困ってしまいます。
    とうとうあきらが「ぼく、もうだめだよ」とあきらめそうになりました。さとしとあきらは上の段と下の段で、汗でべとべとの手をにぎりあい、おしいれの冒険がはじまります・・・。

    1974年に発売されて以来、子どもたちの圧倒的な支持を誇り、読み継がれる本になった『おしいれのぼうけん』。
    作者の古田足日さんと田畑精一さんはじっさいに保育園で取材をし、話し合いを重ねて物語を作り上げたそうです。
    ほぼ鉛筆一本で描かれた世界のなかに、ねずみばあさんの存在感と子どもたちの躍動感があふれ、物語にぐぐっとひきこまれていきます。発売から何十年たってもねずみばあさんがすぐそばにいるような、子どもたちの汗がにじんだ手のひらの熱さが伝わってくるような気がする読み物絵本です。

この書籍を作った人

ふるた たるひ

ふるた たるひ (ふるたたるひ)

1927 年愛媛県生まれ。早稲田大学露文科中退。児童文学作家・評論家。東京在住。主な作品に『おしいれのぼうけん』、『ダンプえんちょうやっ つけた』(いずれも童心社)、『ロボット・カミイ』(福音館書店)、『モグラ原っぱのなかまたち』(あかね書房)、『新版 宿題ひきうけ株式会社』、 評論『児童文学の旗』(いずれも理論社)、最新刊に評論『現代児童文学を問い続けて』(くろしお出版)など多数。

この書籍を作った人

たばた せいいち

たばた せいいち (たばたせいいち)

1931 年大阪市生まれ。京都大学中退後、本格的に人形劇にうちこむ。人形劇団プーク・劇団人形座などで活動の後、古田足日と出会い、 子どもの本の仕事をはじめる。主な作品に『おしいれのぼうけん』、『ダンプえんちょうやっつけた』、『ゆうちゃんのゆうは?』『ひ・み・つ』(いずれも童心社)、『さっちゃんのまほうのて』、『ピカピカ』(いずれも偕成社)などロングセラー多数。

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