絵本紹介
2022.05.18
絵本ナビで絶賛開催中の「えほん祭」。
その中に「見てみよう、いろんなお仕事」と「見方が変わる・世界がひろがる絵本」という企画があります。
今回は、その2つの企画をちょっと合わせて、新刊&おすすめ本の中で「世界が広がる絵本」を集めてみました。夢が広がるユニークなお仕事絵本から、新しい考えや世界に触れる絵本、今だから伝えたい戦争を扱った絵本まで。
気になった作品を手に取って、あなたの世界を広げてください。
出版社からの内容紹介
雨の日、家をとびだしたニコがはいったかさやさんには、ふしぎなかさがいっぱい。あるかさを開いたとたん、大変なことがおきて……
つまんない!と思っていた雨の日におきた、ふしぎな冒険。さまざまな雨の情景をうつしこんだかさの秘密。さて、かさやさんといっしょにニコは青空をとりもどせるのでしょうか。
パリ在住の著者が描く、ふしぎでうつくしいファンタジー。
この書籍を作った人
1972年、福岡県生まれ、宮城県に育つ。福島大学経済学部卒業。デザイン会社勤務を経て独立後、絵本作家、銅版画家として個展を中心に活動。2000年、ボローニャ国際児童図書展の絵本原画展入選。おもな絵本に『フィオーラとふこうのまじょ』『マルーシカと12の月』(かんのゆうこ/文)『あきねこ』(かんのゆうこ/文)(以上、講談社)、『かいぶつトロルのまほうのおしろ』(アリス館)などがある。
出版社からの内容紹介
いちたの父ちゃんは料理人。
魚料理が大好きな父ちゃんに、いちたが勇気をだしてハンバーグが食べたいと言うと父ちゃんは大ショック。
ささいなきっかけで、思いあったり、認めあったり、仲良し親子のお話しです。
父ちゃんの心をこめた料理がたくさん出てきます。
みどころ
窓辺に花が咲き、お父さんは弟に子守唄をうたい。お母さんは私の鼻にキスをして、学校まで送ってくれ。火山のことを勉強した後に、鳥の絵を描いた。そして、ランチタイムのすぐあとに……
せんそうがやってきた。
せんそうは校庭の向こうからやってきて、全てを吹き飛ばし、私の家があった場所を黒い穴にし、誰もかも連れていってしまった。
小さな女の子に襲いかかった恐ろしい出来事は、そこで終わってはくれません。せんそうは、どこまで逃げても追いかけてくるのです。遠く遠くまでやってきて、やっと見つけた家の門は閉じ、学校に入ろうとするとこう言われるのです。
「あなたの場所はありません」
2016年春、イギリスで、3000人の孤児の難民の受け入れが拒否され、同じ頃、座るイスがないという理由で難民の女の子が学校への入学を断られました。そのことを聞いて作者が書いた詩が、この絵本の元になっているのだそう。イスは、全てを失い行き場のなくなった子ども達との連携のシンボルとなったのです。
世界には2,250万人という数の難民がいます。そして、その人たちが誰一人として望んで難民になっているわけではないのです。どんな子どもたちにも未来を夢見る権利があります。安全な場所にいる私たちにできる支援はあるのでしょうか。
だけど、当たり前だと思っていた日常がある日突然壊される、この悲しみと恐ろしさは絵本を通して痛いほど伝わってきます。ひとりぼっちになってしまった女の子の絶望感に打ちのめされます。今自分が何を感じ、どんなことを考えたのか。絵本を読んだ後にその感情をしっかり受け止める。子どもたちには、そんな力がきっとあるのだと思います。
世界がどこへ向かっていくのか、しっかりと見極めていかなければならない今。大事なヒントとなる1冊なのかもしれません。
この書籍を作った人
ケンブリッジ大学で動物学を専攻。くじらやこうもりをはじめ、数かずの動物の研究、子ども向けの本の執筆、英国BBCで野生動物や自然をテーマにした番組のプロデュースにも関わっている。絵本に『びっくりどっきり寄生虫』(フレーベル館)、『ちいさなちいさなめにみえないびせいぶつのせかい』(ゴブリン書房)、『北極熊ナヌーク』『やくそく』(以上、BL出版)などがある。
この書籍を作った人
翻訳家、エッセイスト。訳書に『中世の城日誌』(産経児童文化出版賞JR賞)、『ぼくだけのぶちまけ日記』(ともに岩波書店)、『せんそうがやってきた日』(鈴木出版)、『ピーターラビットのクリスマス』(文化出版局)、『ヤーガの走る家』(小学館)など。子どものころから筋金入りのネコ好き。紙芝居文化の会運営委員。
出版社からの内容紹介
《沖縄に40年以上通い続けてきた著者が描く「沖縄戦」》
ここは1945年の沖縄。ぼくの名前は「せいとく」です。
いつも泣いているので、みんなから「なちぶー」とよばれています。
父に続き、兄も兵隊となり、ぼくは母と妹の3人で、南へ逃げることになりました。
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絵本作家・田島征彦は、40年以上取材を重ね、これまでにも「沖縄の絵本」を描いてきました。
(『とんとんみーときじむなー』[1987年]『てっぽうをもったキジムナー』[1996年]『やんばるの少年』[2019年、いずれも童心社・刊])
本作では、長年の取材の集大成として、真っ正面から「沖縄戦」を描きます。
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「悲惨な戦争を子どもたちに見せて怖がらせる絵本を創るのではない。平和の大切さを願う心を伝えるために、沖縄戦を絵本にする取り組みを続けているのだ」
田島征彦(「母のひろば」685号より)
この書籍を作った人
1940年大阪府堺市生まれ。画家。京都市立美術大学染織図案科卒。「じごくのそうべえ」で第1回絵本にっぽん賞受賞。世界絵本原画展金牌、小学館絵画賞、ライプチヒ国際図書デザイン展銀賞受賞。他に「そうべえごくらくへゆく」「そうべえまっくろけのけ」(以上童心社刊)などがある
出版社からの内容紹介
かこさとし先生、90歳おめでとうございます!「祝!卒寿」の記念復刊は、実話をもとにした“ぞうの親子の感動物語”!!
絵本作家として絶大なる人気を誇る、かこさとし先生。その、かこ先生お気に入りのお話を卒寿のお祝いに緊急復刊いたします。
身体が弱くハンデを持った白い子象のシロちゃん。
ある日、象たちの村が火に包まれてしまいます。逃げ遅れるシロちゃんを守るため、お母さん象が命がけでしたことは…。
実話をもとにした、このお話は、全国心身障害児福祉財団のジャンボ絵本として、今まで全国各地の子どもたちに楽しまれてきました。
ジャンボ絵本を見た子どもたちの「どうしても手元に置きたい!」という声に応えて、このたび絵本としての復刊が実現いたしました。
かこ先生ご自身も、「とても気に入っている」とおっしゃる、この象の親子の感動物語を、ぜひ親子で楽しんでください!
※本書は、1985年・偕成社刊『ぞうのむらのそんちょうさん』を改題、再編集して復刊するものです。
この書籍を作った人
加古里子1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
出版社からの内容紹介
ばあばはこのごろ元気がない。ケーキも焼かないし、お部屋もほこりだらけ。そして、笑わなくなった。「じんせいから よろこびが きえちゃったみたい」って、ママはいう。
「よろこびって?」
「ひとの こころを しあわせに して、めを かがやかせる ものよ」
「ばんごはんの あとの ダンスみたい? すべりだいを ワァーイ!って すべるみたい?」
「そうよ! すばらしく すてきな ワァーイよ!」
「ばあばは ワァーイって したいんだ!」。ファーンは、ばあばの人生に「よろこび」を
とりもどしてあげようと、「ワァーイ!」を探しに出かけます。
わたしたちに「よろこび」の意味をやさしく教えてくれる、おばあちゃんと孫娘のあたたかな物語です。
この書籍を作った人
イギリスの作家、子ども向けテレビ番組のプロデューサー。5歳のころ雪の日に母がそりを引いて学校へ迎えにきてくれ、毛布にくるまれて帰った思い出がある。絵本は本書がデビュー作。現在は夫と娘と猫と共にマンチェスターに住む。
この書籍を作った人
翻訳家。英米の絵本・物語を手がける。おもな訳書に『魔女学校の一年生』『まいごのまいごのアルフィーくん』『アンナの赤いオーバー』『ねえ、どれがいい?』『コロちゃんはどこ?』『せかいのひとびと』など多数。
出版社からの内容紹介
ほら、美味しいもののちかくに、「ゴチソウドロ」が!探して楽しむえほん。
[内容紹介]
静かな森に、透明マントをもったごちそうどろぼうの、てながざる「ゴチソウドロ」があらわれた!
ゴチソウドロは、季節のおいしいものを盗んで食べてしまいます。きみは、透明マントにかくれたゴチソウドロを見つけられるかな?
お話の背景になっているのは、季節の楽しみかた。森は季節の流れとともに、そのすがたを変えていきます。
ゴチソウドロをさがしながら、春・夏・秋・冬と月ごとに変化する森と、住人の動物たちの様子を、絵本をいったりきたりしながら楽しむことのできる1冊です。
この書籍を作った人
東京都生まれ。お茶の水女子大学を卒業。幼児教育のテレビ 番組の制作を経て、絵本の創作をはじめる。『子どもと楽しむ季節の行事とあそびの絵本』(のら書店)で、産経児童出版文化賞受賞。作品に『ざぼんじいさんのかきのき』『にょろへびやのへびんくん』(岩崎書店)、『ごうた、1年生でしょっ』(文研出版)、『つないだてとて』(佼成出版社)など、多数。
この書籍を作った人
東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修了。動物をモチーフに、日本画表現による発表と絵本創作を続けている。おもな作品に、「さとうめぐみ あまいスイーツえほん」シリーズ、「くものこ くー」シリーズ(ともに、教育画劇)、「まじょ」シリーズハッピーオウル社)、「おいしいもり」シリーズ(PHP研究所)などがある。『まじょのほうき』(ハッピーオウル社)で第4回ようちえん絵本大賞受賞、『おべんとう』(ひかりのくに)で第9回MOE絵本屋さん大賞2016パパママ賞受賞。
出版社からの内容紹介
見た目がみんなとちがうからと、ひとりぼっちにされてしまったあおいろペンギン。夢で見たクジラに、「ぼくをここから連れ出してほしい」とうたいます。はじめは、たったひとりの小さなペンギンだけがわかってくれましたが、ほかのペンギンたちも、すてきな歌に惹きつけられて集まってきました。すると、夢にまで見たクジラが本当に現れたのです。あおいろペンギンは、クジラについていくのでしょうか?
この書籍を作った人
福島県に生まれる。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト。絵本の翻訳に『プレストとゼストリンボランドをいく』(岩波書店)、『ベンソン先生にあたしはきっと★はもらえない』『おっこちてきた』(光村教育図書)など多数。
出版社からの内容紹介
くじらと一緒に環境問題を考える絵本
とつぜん海からくじらがやってきて、街のみんなは大さわぎに! くじらたちはプールで泳いだり、電車に乗ったり、レストランで魚を食べたり、まるで人間のように好き放題です。
困った人々はくじらを街から追い出そうと考えますが、実はくじらの方にも「海へ帰れない理由」があるようです。いったいなぜ、くじらたちは街へやってきたのでしょう?
【編集担当からのおすすめ情報】
愛らしいくじらたちが印象的な絵本ですが、結末まで読むと、環境問題について調べたくなる絵本です。アボリジニの保護活動を行っている作者のニック・ブランドならではの、自然への愛あるまなざしが詰まっています。SDGsへの関心が高まる今、ぜひ子どもと一緒に読んでいただきたい作品です。
この書籍を作った人
1958年生まれ。東京藝術大学卒業。子どもの本を中心に翻訳家として活躍するとともに作家・画家として絵本や童話作品を数多く手がけている。『どうぶつがすき』(あすなろ書房)で日本絵本賞翻訳絵本賞、『天使のかいかた』(理論社)で日本絵本賞読者賞、『かりんちゃんと十五人のおひなさま』(偕成社)で野間児童文芸賞を受賞。翻訳作品に『ふしぎをのせたアリエル号』(徳間書店)『ちいさなあなたへ』(主婦の友社)『せかいでいちばんつよい国』(光村教育図書)など、絵本や童話に『のはらひめ』(徳間書店)『めいちゃんの500円玉』『ハンカチともだち』(ともにアリス館)『すてきなひとりぼっち』(のら書店)「おたすけこびと」シリーズ(徳間書店)「プリンちゃん」シリーズ(理論社)「まほろ姫」シリーズ(偕成社)など。そのほかに『おえかきウォッチング 子どもの絵を10倍たのしむ方法』(理論社)、カモを育てた体験をもとにした『カモのきょうだい クリとゴマ』(アリス館)がある。
出版社からの内容紹介
動物たちの不幸をなくすために…。
「いのちの教室」から生まれた絵本です。
2017年の環境省の発表によると、全国の犬・猫の殺処分数は2016年度で5万5998匹。
2015年度の8万2902匹からは減少したものの、まだまだ多くの命が失われている現状があります。
そうした殺処分数を少しでも減らすために、多くの保護団体が直接保護をしたり、保護動物の譲渡を行ったりという活動をしています。
この絵本の著者も、殺処分の現状を調査・検証し、啓発活動を行っています。
また、動物にも感情があり、ペットは飼った瞬間から家族と同じ存在になるということ、ペットを使い捨てにしてはいけないことなどを伝える「いのちの教室」を様々なところで行ってきました。
この絵本は、その「いのちの教室」の中で、理解の一助として流されていたアニメーションをもとに、新たに描き下ろしで作られた作品です。
この絵本には、愛した家族から見捨てられ、それでもなお、家族を慕い信じたペットたちの悲しみが描かれています。
未来を担う子どもたちが、動物の命を人の命と同じように感じ、ともに良きパートナーとして生きていけるよう、そして、その想いによって1匹でも動物たちを殺処分から救えるように、ぜひ、ご家族で読んでいただきたい絵本です。
浅田美代子さんからコメントをいただきました。
どいかやさんの 優しい絵に 綴られた 捨て犬たちの 悲しい 現実。小学生を 対象にした 「いのちの教室」で アニメーションを 流しながら「ハルの日」を 朗読するたびに 涙が あふれそうになる。
この絵本を 通して 家族みんなで「命」のこと 考えてほしい。そして 不幸な「命」が 無くなることを 心から 願います。
みんな みんな 大切な いのち…。
この書籍を作った人
1969年、東京都生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。絵本の作品に『パンちゃんのおさんぽ』『いたずらコヨーテキュウ』『やまねのネンネ』(BL出版)、『みけねこキャラコ』『こねこのポカリナ』『おはなのすきなトラリーヌ』『トラリーヌとあおむしさん』『ふゆのひのトラリーヌ』(偕成社)、『チップとチョコのおでかけ』『チップとチョコのおつかい』『チップとチョコのおるすばん』(文溪堂)、『くりちゃんとひまわりのたね』『くりちゃんとピーとナーとツー』(ポプラ社)、『チリとチリリ』『チリとチリリ うみのおはなし』『チリとチリリ まちのおはなし』(アリス館)、『ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻』(学習研究社)、『カロンとコロン はるなつあきふゆ4つのおはなし』(主婦と生活社)、『ねこのかあさんのあさごはん』(小学館)など多数。千葉県在住。
出版社からの内容紹介
建築家の視点と精緻なタッチで、リアリティのあるおとぎばなしの世界が再現できる絵本作家による作品。『シンデレラ』や『ジャックとまめのき』等、有名な七つのおとぎばなしを、建築物を中心に精緻に再現展開。ストーリーも掲載しているので、知らないお子さまでも楽しめますし、探し絵もできるので、字がわからない小さなお子さまでも楽しむことができます!
この書籍を作った人
東京生まれ。建築設計事務所勤務を経て、絵本作家となる。2002年ボローニャ国際絵本原画展、ノンフィクション部門入選。第20回ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)出展。主な作品に『ドワーフじいさんのいえづくり』『いたずらゴブリンしろ』(フレーベル館)、『おおきなやかたのものがたり』(PHP研究所)、『むしのおんがくがっこう』(あかね書房)、『たのしいたてもの』(教育画劇)などがある。
出版社からの内容紹介
昔、色のない時代がありました。魔法使いが、最初は青、次は黄色、その次は赤の世界を
つくりだします。 でも、一つの色だけでは、なんだか落ち着きません。
そこで色を混ぜ合わせると、どうなったでしょう?
この書籍を作った人
1933年アメリカ ロサンゼルス生まれ。高校卒業後ブルックリンの「プラット・インスティテュート」に入学。本のイラストレーションを学ぶ。ポーランド生まれのアニタ・ローベルと出会い結婚。『わたしの庭のバラの花』など、ローベルが文、アニタが作画を担当した絵本も出版されている。『ふたりはともだち』でコルデコット賞次賞と全米図書賞、『ふたりはいっしょ』でニューベリー賞、『どうぶつものがたり』でコルデコット賞を受賞。20世紀アメリカを代表する絵本作家となる。その他の作品に『ふくろうくん』『おはなしばんざい』(以上文化出版局刊)などがある。1987年ニューヨークの病院で他界。
出版社からの内容紹介
小さい人が最初に出会う絵本として、定評のあるシリーズです。
何気ない日常生活のスケッチの中に、子どもが感じ取ったドラマを伝えています。
この書籍を作った人
1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカはねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。夫人は著名な絵本作家であるヘレン・オクセンバリー。
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
みどころ
お兄ちゃんと妹がショートケーキとにらめっこ。はんぶんこしたいけれど、1つしかないいちごをどうしよう……。悩んだ二人は、いちごの代わりに何か違う「あかいもの」を乗せてみようと思い立ちます。
ミニトマト、梅干し、とうがらし。思いつくものは赤いけれど、全然ケーキと合いません。そこからふたりの妄想が大暴走。だるまのショートケーキ、けん玉のショートケーキ、風船のショートケーキ……食べられないどころか、ぐちゃぐちゃになったり空に飛んで行ったり、大変なことになってしまうのです。
おおのこうへいさんのシュールでインパクトのある絵は、大笑いの連続。「からーい!!!」のシーンのふたりの表情は必見です。読めば元気になること間違いなし。そしてラストにほろっとさせることも忘れない、にくい演出が光ります。
自分だったらケーキに何を乗せるか? 想像するのも楽しいですね。表紙の見返し部分にも、いろんな「あかいもの」が乗ったショートケーキが並んでいますよ。「そんなバカな!」とツッコミながら、大人も子どもと一緒に大いに盛り上がってください。
この書籍を作った人
1974年生まれ。東京都出身。東京藝術大学卒業。CMプランナー。テレビCMや新聞広告などを手がける傍ら、イラストレーターとしても活動。『あつまれ!全日本ごとうちグルメさん』がはじめての絵本作品。