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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  シリーズ20周年記念!!「こそあどの森の物語」シリーズ岡田淳さんインタビュー

1巻から最新刊までの裏話を教えてもらいました!

───登場人物のおはなしを伺っただけでも細かい設定や隠されたしかけがあることを知りました。「こそあどの森」は今まで11冊出ていますが、それぞれ独立したストーリーが展開されていますよね。

そうですね。どの巻から読んでも楽しめるように書いています。ただ、設定としては1巻から続いているおはなしになっているので、前の巻に出てきたエピソードが次の巻にも登場していたり、続けて読むことで気づく設定が隠されている場合もあります。

───それぞれの巻の設定や、裏話など伺えますか?

こそあどの森の物語(1) ふしぎな木の実の料理法
こそあどの森の物語(1) ふしぎな木の実の料理法の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

内気なスキッパー少年の所に届いたのは固い固い“ポアポア”。 その料理法をめぐって森じゅうのみんなが知恵をしぼりますが…。

このおはなしの最後に、みんな3回ずつ、嬉しかったこと楽しかったことを思い出して、ふしぎな木の実を調理する場面が出てきます。そこでスキッパーが思い浮かべた3つめのことは「書斎で本を読んだり化石や貝をみたりしたときのゆったりとした気分」…つまり一人の時間なんです。ここにぼくが先ほど話した、自分の世界も大切にしたいという思いを込めました。その場にみんないるけれど、頭の中ではそれぞれの世界を楽しんでいるというのを描けたらな…と。

こそあどの森の物語(2) まよなかの魔女の秘密
こそあどの森の物語(2) まよなかの魔女の秘密の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

あらしが通りすぎた朝、スキッパーは森のおくで珍種のフクロウをつかまえました。 同じ朝、愛妻家のポットさんがゆくえ不明に…。


物語のキーとなるタイプライターのモデル。
巡り巡って岡田さんの元にやってきたそうです。

トマトさんが実は…という衝撃的な巻です。物語の最後をあの展開にしたのは、そのときは漠然とそうした方が良いと思って決めたのですが、出版した後に読者の方から手紙を頂きました。その方は精神を病んでいるご姉妹がいらっしゃる方なのですが、最後のポットさんの言葉に救われたそうです。その手紙を読んで、ぼくはあのラストにしてよかったと心の底から思いました。

こそあどの森の物語(3) 森のなかの海賊船
こそあどの森の物語(3) 森のなかの海賊船の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

トワイエさんの家にあった一さつの本。 そこには、昔こそあどの森に海賊フラフラがかくしたという宝を見つける方法が出ていた…。


ナルホドとマサカ(コワイヨ)のスケッチ

「こそあどの森の物語」を考えたとき、一番最初に思い浮かんだのが、森のなかの海賊船のイメージでした。3巻目でそのおはなしが書けたのは本当にうれしかった。『ふしぎな木の実の料理法』で登場したナルホドとマサカがここにも登場します。おはなしを考えたスケッチブックには2人の絵が描いてありますが、最初「マサカ」は「コワイヨ」という名前でした。この絵は実は失敗絵だったんですが、捨てるのがもったいなくて夜の場所を描きました。それからどんな奴が歩いているかな…と考えて生まれたのがこの2人。最初は弦楽器を演奏している設定でした。

こそあどの森の物語(4) ユメミザクラの木の下で
こそあどの森の物語(4) ユメミザクラの木の下での試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

スキッパーが森であった新しい友だち。ターザンごっこやかくれんぼと遊ぶうちにいなくなってしまい…大きな桜の木をみつけた。

これは、集団遊びをしたことのないスキッパーにかくれんぼを体験してほしくて書いたのですが、大人にも子ども時代があったんだよというメッセージも込められています。ただ、そのことはスミレさんと読者だけが分かる構造にしているので、「もしかしたら…あの子たちは…。」って覗いたヒミツをこっそり教えてくれるようなとても控えめなお手紙を頂きます。ぼくはいつも「そうかもしれませんね。」ってお返事を書いています(笑)。ここで登場する蜜酒は「ミード」という蜂蜜酒です。おはなしを作る前に、近くのイタリア料理のマスターにどうしても味見をしたいと頼んだら、知り合いの伝手を使ってはるばるポーランドから「ミード」を取り寄せてくれました。そのおかげでこの物語が生まれました。

こそあどの森の物語(5) ミュージカルスパイス
こそあどの森の物語(5) ミュージカルスパイスの試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

伝説の草カタカズラをのんだ森の住人たちはつぎつぎに陽気になり、スポットライトをあびてミュージカルを歌いはじめるのです。

このおはなしもそうですが、物語にはぼくが演劇をやっていたから書けた話が多数存在します。この『ミュージカルスパイス』は中でも特に舞台的な要素が込められています。ここに出てくるミュージカルスパイス「カタカズラの実」。これは「宝塚(タカラヅカ)」からきています。バーバさんの手紙に書かれているカタカズラの説明に宝塚歌劇団の組の名前、「星」とか「月」とかが隠されています。

こそあどの森の物語(6) はじまりの樹の神話
こそあどの森の物語(6) はじまりの樹の神話の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

ふしぎなキツネに導かれてなぞの少女を助け出したスキッパー。森に現れた太古の巨大な樹をめぐって神話と現実が交差しはじめる。

それぞれ独立したストーリーの中でも、3巻ずつをひとつのまとまりとして書いていた部分もあるので、『ミュージカルスパイス』と『はじまりの樹の神話』はひとつのつながりのある物語でもあります。ですから、『ミュージカルスパイス』に出てくるバーバさんからの荷物の中に、『はじまりの樹の神話』でギーコさんが造った剣が梱包されています。この巻に登場するハシバミは、ぼくの中でも衝撃的なキャラクターでした。ぼくは現代と比べて「こそあどの森」の住人の暮らしを自然の中にある理想的な暮らしという風に書いてきたけれど、ハシバミのいた時代から見ると、それも十分発展している文明だった。僕は割と、人間の文明であれ、森であれ、時間が隠されているというか、そこまでの歴史が感じられる話が好きなんじゃないかなって気づきました。

こそあどの森の物語(7) だれかののぞむもの
こそあどの森の物語(7) だれかののぞむものの試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

こそあどの森のみんなに,バーバさんから長い手紙が届きました。「フー」という名前のふしぎな生き物がいるらしいのです。

ここに出てくる「フー」は、最初に「こそあどの森」を考えたスケッチブックの中に原型が出てきています。「体を自由に変えることができるけれど、自分が何なのか分からない…」ってもうこのときに予言するように書いています。こういう風に、前に書いたスケッチブックをたまにめくって、物語に悩んだとき振り返ったりしています。

こそあどの森の物語(8) ぬまばあさんのうた
こそあどの森の物語(8) ぬまばあさんのうたの試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

美しい夕焼けのある日,湖の対岸に赤い不思議な光をみたふたごは,スキッパーと一緒にその正体を探しに行くのですが…。

ここに登場するぬまばあさんは、あまんきみこさんの口調をモデルにしています。「●●なんですよう」という口調なんですが、ちゃんとあまんさんにお伝えしました。あまんさんは「まあ、ひどい! おばあさんだなんて」って言った後「でも、最後がステキだから許してあげる」と言ってくれました。ここに登場する「夕陽のしずく」ということばは、あまんさんの絵本『ゆうひのしずく』(作: あまん きみこ、絵: しのとおすみこ、出版社: 小峰書店)と同じ言葉ですが、使ったのは全くの偶然! 同じ言葉を同じ時期に思い浮かんでいたことがとても嬉しかったのを覚えています。

こそあどの森の物語(9) あかりの木の魔法
こそあどの森の物語(9) あかりの木の魔法の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

学者のイツカとカワウソのドコカが,湖の恐竜探しにやってきます。イツカは腹話術でこそあどのみんなを楽しませてくれますが…。

このおはなしも8巻の『ぬまばあさんのうた』から続いていて、8巻でスキッパーが手にした物を狙う2人組が登場するはなしです。登場人物は何回も描いてどんな顔をしているのが良いか、ポーズは…など考えます。イツカとドコカも納得がいくまで描いています。

こそあどの森の物語(10) 霧の森となぞの声
こそあどの森の物語(10) 霧の森となぞの声の試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

ふしぎな歌声をさがして森の奥へ。声にひきこまれるように穴に落ちたスキッパー。さらに住人たちも…。無事戻れるのでしょうか。

このおはなしは最初に考えていたラストが、物語が進むうちに変わってしまった印象深い巻です。最初はトマトさんの投げた石はトワイエさんに当る予定ではなかったんです。でも、自然にあるものを人為的にどうこうしてしまうのは良くないんじゃないかと思って、今のラストに変えました。

こそあどの森の物語(11) 水の精とふしぎなカヌー
こそあどの森の物語(11) 水の精とふしぎなカヌーの試し読みができます!
作・絵:岡田 淳
出版社:理論社

足をケガしたトワイエさんにたのまれて屋根裏部屋に荷物を取りにきたスキッパー。だれもいないはずの部屋にだれかいる……? ふたごは、小さな小さなカヌーを川でひろい、小さなひとをさがしに川上に探検に出発します。

───おはなしを読んでいるだけでは気づかなかった、細かい設定まで教えてもらえてすごく嬉しいです。最新刊『水の精とふしぎなカヌー』のおはなしについても詳しく教えていただけるでしょうか。今回はトワイエさんが主人公という印象を受けたのですが…?

トワイエさんは前の『霧の森となぞの声』で足を怪我して、ギーコさんとスミレさんのガラスびんの家で養生していますからね。でも、シリーズを通しての主人公はスキッパーですが……。人も森もそれぞれの歴史を持ち、単純なものじゃないということにスキッパーは気づいていますが、この話では、そういう世界の中で生きるスキッパーが、だれかに対するとき自分がどういうだれであるかはっきりさせるべきだと考え、「ぼくはスキッパーです。」と宣言します。一個人である自分を明確にすることが、世界と関係を作っていくうえで大事だということを思いながら書きました。

───『水の精とふしぎなカヌー』は、「トリオトコのワルツ」と「ふしぎなカヌー」の2つのおはなしが入っていますね。おはなしを2つに分けたのには理由はありますか?

人はひとりひとり、それぞれの時間の中を生きていて、あるときパッと出会う瞬間がある、その交差する時間が面白いなと感じていて、このおはなしの中でも、一か所物語が交差する場面があるんです。そういう構造の物語をやってみたかったので2つのおはなしを作りました。

───どの巻もかなり設定を考えて書いていらっしゃるのですね。実際に書く前にスケッチブック以外に何か準備したりするのでしょうか?

ぼくはおはなしの中に別のはなしが入れ子状態に入っている設定が好きなんです。ですから、自分の中でごっちゃにならないように、物語を考えるときはいつも物語の中の出来事をまとめた「覚書」を書いてから、書きはじめます。

───わあ、これが「覚書」ですか!すごいですね。


物語の「覚書」初公開!!

かなり細かく書き込まれています

『はじまりの樹の神話』などは特に古代から話がはじまるので、ハシバミやホタルギツネ、樹のはなしから覚書が続いていて、実際のおはなしがはじまる前もかなり覚書が長くなっています。

───それぞれのキャラクターの行動が時系列で書かれているのはなぜですか?

ぼくは学生時代から演劇をやっているので、こういう風に書くのが分かりやすいんです。舞台に登場していなくても、この人はこのときこんなことをしている…とか、全員出てきたときはこの人はこういう風に動く…とか、色々決めています。覚書と一緒に、今回のおはなしは森のどの場所で起こった出来事なのか、地図に書くようにしています。


それぞれの家の位置や、各巻に出てくる場所が一目瞭然!

───それぞれの家の位置関係だけじゃなく、『はじまりの樹の神話』の木が出てきた場所や、郵便配達のドーモさんがやってくる方向なども決めているんですね!

基本となる地図は、「こそあどの森」を作ったときに考えていて、そこから後は各巻のときに場所を決めて自分だけが分かる様に地図に書き込んでいます。いつか誰かがこの地図を元に「こそあどの森パーク」を作ってくれないかな…って(笑)。

───「こそあどの森」パーク、すごく行きたいです! 毎回出てくるお茶の時間や美味しい食べ物もこのシリーズの魅力のひとつだと思うのですが、食べ物にもこだわりや設定があるのでしょうか?

ぼく自身が食べ物のシーンが好きなんでね。「ドリトル先生」シリーズで出てきた肉をあぶって食べるシーンに出会ってから、「食べる」場面を描くのが好きなんです。

───ウニマルの中の食糧庫もとても魅力的ですよね。

あそこに並んでいる缶詰は実際に売っている物をモデルにしているのが多いんです。うちの奥さんが色んな所から面白い缶詰を取り寄せてくれて、物語の参考にしています。

───『ユメミザクラの木の下で』の蜜酒も、本物を入手されているんですよね。他に印象に残っている料理はありますか?

『ユメミザクラの木の下で』の「ミード」を取り寄せてくれたマスターには、色々協力してもらっていて、『ぬまばあさんのうた』のときも、淡水の魚を使った不思議な料理の仕方はないですかねって相談しました。そうしたら、オーブンに入れて、何かの実を入れたらちょうど焼けたころに爆ぜて香りがつくのはどうですかね…ってアイディアをくれたんです。「それ、いただきですわ〜」って生まれたのが「ミハルの香草焼き」です。

───あれも本当の料理なんですね。

そうなんです。ぼく自身もマスターに料理してもらって食べましたが、川魚がこんなに美味しいのか!ってビックリするくらい美味しい料理でした。

───物語に登場する食べ物は、岡田さんご自身が味わったものなんですね。

カタカズラはないですけどね(笑)。物語は嘘…というか、作り物の話だから、本物の情報で固めないとリアリティが出ないんです。

───「こそあどの森」の住人以外にも毎回色んなキャラクターが登場するのも読んでいてすごく楽しいですが、特に人気の高いキャラクターは誰ですか?

「こそあどの森」の住人以外では、ホタルギツネですね。

───ホタルギツネは『まよなかの魔女の秘密』『ミュージカルスパイス』『だれかののぞむもの』『はじまりの樹の神話』に登場するキャラクターですよね。

シリーズを巻が出るごとに読んでいる人は『まよなかの魔女の秘密』に出てきたキツネがホタルギツネだと気づく人はあまりいなかったのですが、一気に読んだ人は、ホタルギツネがここで生まれたことに気づくんです。

───これは最初から伏線を引いて物語を作っていたんですか?

伏線として出していたわけではなく、最初はノリでシッポが光っているキツネを登場させました。その後の巻で悩んだときに、「あ、あれを使うたろ!」という感じで思いついて登場させていたら、結果的に伏線になっていって、人気者になったという…。ホタルギツネを出してくださいというリクエストもあって出したこともありますが、それは偽物で…。

───『だれかののぞむもの』ですね。あれは切ないおはなしでした…。キャラクターを生み出すときの苦労や、悩むことはありますか?


右側にいるのが「アサヒ」

最初の設定でスキッパー達にシッポが生えていることからも分かるように、「こそあどの森」の住人はぼくらからみたら妖精のような存在だったんですよ。それが、いつの頃からかおはなしのなかに「フー」や「アサヒ」のような妖精が出てきて…妖精の世界の中の妖精。つまり、スキッパー達がだんだんぼくらと同じ大きさの人間になってきているんです。そういうこともあって、少し前から12巻くらいで一度ピリオドを打った方がいいんじゃないか…という風に考えるようになりました。

───え!?そうなんですか。

「アーサー・ランサム全集」もロフティングの「ドリトル先生」のシリーズも12巻だし、13巻とか14巻で止めるよりはキリの良い数字かなって思っています。もっとも「ドリトル先生」は番外編もあるけれど……。

───そうすると、あと1巻でこのシリーズは終わってしまうんでしょうか…。

そういうことも頭の隅に置きながら、12巻目をどうしようかすごく考えています。

───なるべく15巻、20巻と続いてほしいというのがファンの思いなのですが…。 けれど12巻も楽しみにしています。最後に「こそあどの森の物語」シリーズを読んでいる読者へメッセージをお願いします。

ぼくは、好きな本に出会うというのは、ものすごく幸せなことだと思うんです。好きな本と巡り合うというのはものすごくラッキーなことで、味方をひとり手に入れること。ぼく自身も「ドリトル先生」シリーズに出会ったことで、勇気づけられ、支えられ、応援されてきました。それはその当時は分からなかったけれど、この年になって分かることでした。子どもの頃は「この場面、好きだな〜」って思う作品があるだけでもいいんです。本はいつも君の味方です。…それは好きな本と巡り合えばというのが前提だけど、出会えたら一生の宝。忘れちゃってもいいんです。忘れちゃっても、その本はずっと君を応援してくれているから。

───「本は味方」、とても素敵な言葉ですね。児童書は本を手渡す大人の存在も大切だと思うのですが、大人の方へもメッセージを頂けますか?

「好きな本に巡り合うことは幸せなことだ」ということを、子どもの周りにいる人が言ってくれたらいいなと思います。周りにいる人はマラソンの伴走者みたいなもんだから、子どもが違う読み方をしても、間違いを正すことはせず「ああ、そういう風にあなた思うんだ」と見守ってあげなきゃいけない。マラソンはゴールが決まっているけれど、本はそれぞれにゴールがある。道をそれてもいいから、そばにいて、頷いてあげられたらいいなと思いますね。

───私たちも、子どもの本を楽しむ人の伴走者として、寄り添っていけたらと思います。 今日は本当にありがとうございました。

<編集後記>
まさに岡田淳さんの描く物語から飛び出してきたような温かい雰囲気をまとった空間の中で、「こそあどの森の物語」シリーズの創作秘話に驚いたり、子どもの本のことや子どもたちへの思いなどにじんとしたり…。夢のような楽しい時間があっという間に過ぎていきました。

小学校の図書室で勤務していた頃、子どもたちからたびたび「おもしろい本ない?」と聞かれて困った時に、いつも助けてくれたのが岡田淳さんの作品でした。いくつかおすすめする中から特に気になるものを借りていった子は「おもしろかった〜」と言って返しにきては、その後次々に岡田さんの本を借りていきました。
今回取材させていただいた「こそあどの森の物語」シリーズについても、いつも図書室にマメに通って来ていた小5の男の子(自分の内なる世界を豊かに持っているところがスキッパーに似ている)に手渡した思い出があります。おしゃべりな子ではなかったので無理に感想を聞くことはしませんでしたが、1巻目を読んだ後つぎつぎにシリーズの本を借りていき、結局全巻読了していたところを見ると、彼なりに気に入って読んでいたのだろうと思います。私自身もはじめて岡田さんの作品に出会った時の“こんなに面白い本があったのか!”という衝撃は今でも忘れられません。

「好きな本に巡り合うことは幸せなことだ」という岡田さんの言葉を胸に、これからもどんどん周りにいる子どもたちに伝えていきたいと思います。
岡田さん、これからも子どもたちの味方となる様々なお話を生み出してくださること、楽しみにしています!

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インタビュー: 秋山朋恵(絵本ナビ編集部)
文・構成: 木村春子(絵本ナビライター)
撮影:所靖子

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岡田 淳(おかだじゅん)

  • 1947年兵庫県に生まれる。神戸大学教育学部美術科を卒業後、38年間小学校の図工教師をつとめる。
    1979年『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』で作家デビュー。その後、『放課後の時間割』(1981年日本児童文学者協会新人賞)『雨やどりはすべり台の下で』(1984年産経児童出版文化賞)『学校ウサギをつかまえろ』(1987年日本児童文学者協会賞)『扉のむこうの物語』(1988年赤い鳥文学賞)『星モグラサンジの伝説』(1991年産経児童出版文化賞推薦)『こそあどの森の物語』(1〜3の3作品で1995年野間児童文芸賞、1998年国際アンデルセン賞オナーリスト選定)『願いのかなうまがり角』(2013年産経児童出版文化賞フジテレビ賞)など数多くの受賞作を生みだしている。
    他に『ようこそ、おまけの時間に』『二分間の冒険』『びりっかすの神さま』『選ばなかった冒険』『竜退治の騎士になる方法』『カメレオンのレオン』『魔女のシュークリーム』、絵本『ネコとクラリネットふき』『ヤマダさんの庭』、マンガ集『プロフェッサーPの研究室』『人類やりなおし装置』、エッセイ集『図工準備室の窓から』などがある。
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